侑という字は、いささか物珍しい印象があります。
というのも、侑という字が人名用漢字に入ったのは1981年のことなのです。
戦前は今と法律が違うため、名前に使用する漢字の制限はありませんでしたが、戦後1940年代後半になって、名前に使える漢字に制限が設けられるようになりました。
つまり、改名したなどさまざまな事情を持つ人がいるでしょうが、本名に侑の字を持つ人は、戦前生まれと1981年以降に生まれた人がほとんどです。
おまけに、人名などの固有名詞を除き、日常でこの字を使う機会がほぼないので、目新しい印象を与えるのだと思います。
この侑という字はどういう意味のある字なのでしょうか?
侑
総画:8画
音読み:ユウ
《名付け》
あつむ/すすむ/ゆき《意味》
1.{動詞}すすめる(すすむ)。相手のそばにいて食事などをすすめる。
2.{動詞}たすける(たすく)。かばいたすける。《解字》
会意兼形声。「人+(音符)有」。佑(ユウ)(たすける)と同系で、かばいたすけること。のち、相手のわきから飲酒や食事の世話をするの意に専用された。(漢字源より抜粋)
参考:侑の書き方
この字の意味は食事を勧めるなのだそう。
中国語でもこの字は食事を勧めるの意味で用いられます。
給仕をする人の名前に合う字かもしれません。
ちなみに、人偏がなくなるとこういう意味になります。
有
総画:8画
音読み:ユウ、ウ 訓読み:あ(る)
名乗り読み:あり/すみ/たもつ/とお/とも/なお/なり/みち/もち/り《意味》
1.{動詞}ある(あり)。空間の中にある形をしめて存在している。
2.{動詞}ある(あり)。あるようになる。あることがおこる。生じる。
3.(ユウす)(イウす){動詞}たもつ。もつ。空間の中にわくを構える。わくを構えてかかえこむ。所有する。持ちるづける。
4.{名詞}あり。形をなしてあること。所有物。《解字》
会意兼形声。又(ユウ)は、手でわくを構えたさま。有は「肉+(音符)又」で、わくを構えた手に肉をかかえこむさま。空間中に一定の形を画することから、事物が形をなしてあることや、わくの中にかかえこむことを意味する。《類義》
在は、ある場所に動かず、存在すること。《参考》
「仏教で、迷いのこと」の意味のときには「ウ」と読む。△草書体をひらがな「う」として使うこともある。
(漢字源より抜粋)
有とはそこにあること、そしてそれを保つことを意味する字。
有頂天外、前途有望、有言実行、有終の美などさまざまに使われる文字です。