律 / りつ とは男の子の名前?女の子の名前?

律(りつ) という名前にどのような印象があるでしょうか?

そもそも律とはどのような意味があるのでしょう。


総画:9画
音読み:リツ、リチ
《名付け》
おと、ただし、ただす、たて、のり

《意味》
1.{名詞}のり。人間の行いをきちんと秩序だてたきまり。
2.{名詞}物事の基準となるきまり。
3.{名詞}ア.音楽の基準となる音名の総称。
イ.陽の調子のこと。
4.{名詞}漢詩の型の一つ。
5.{名詞}仏の定めたいましめ。戒律。僧の守るべきいましめ。
6.(リッす){動詞}ある基準にてらして、物事をただす。

《解字》
会意。聿(イツ)は、「手の形+筆の形」の会意文字。律は「彳(おこない)+聿」で、人間の行いの基準を、筆で箇条書きにするさまを示す。リツということばはきちんとそろえて秩序だてる意を含む。

(漢字源より抜粋)

律とは、旋律など音楽的な印象もあれば、律宗など仏教的な印象もあり、また、法律などおきての印象もあります。

人名において、律をリツと読んだ場合、ツで終わる響きがやや呼びにくいという意見もありますが、響きよりも漢字の意味に重きを置いたのかもしれません。

調べてみると、この名前はもともと女性名であったようです。

著名人に、正岡律(まさおか・りつ)など。
正岡律は、1870年生まれ。俳人・正岡子規(まさおか・しき)の妹に当たる人物です。

しかし、近年は、男の子に人気の名前。

明治安田生命の男の子の名前ランキングではこのようになっています。

2018年 12位
2019年 4位

上位ではありませんが、律だけではなく、律が付く名前もランキング入り。

律希
2019年 85位

また、男の子の、漢字表記を考慮しない読み方のランキングではこのようになっています。

リツ
2018年 49位
2019年 18位

女の子の名前ランキングに全く登場しないところを考えると、現代では律や律が付く名前は男の子に人気と言えるでしょう。

では、なぜ急に律と名付けられる男の子が増えたのでしょうか?

『半分、青い。』の影響ではないかと言われています。

『半分、青い。』は、2018年に放送されたのNHK「連続テレビ小説」第98作目の作品。

連続テレビ小説第98作「半分、青い。」は、脚本家・北川悦吏子さんのオリジナル作品。故郷である岐阜県と東京を舞台に、ちょっとうかつだけれど失敗を恐れないヒロインが、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜け、やがて一大発明をなしとげるまで、およそ半世紀の物語を紡ぎだしていきます。

大阪万博の翌年、1971(昭和46)年。岐阜県東部の架空の町・東美濃市梟(ふくろう)町の小さな食堂に、鈴愛(すずめ)という女の子が生まれた。毎日野山を駆け回る元気な子だったが、小学生のとき、病気で片耳を失聴してしまう。そんな彼女を励ましたのは、わが子を愛してやまない両親と、同じ日に同じ病院で生まれた幼なじみだった…。

参照:https://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/detail.html?i=4343

主人公の女の子の名前は、楡野鈴愛(にれの・すずめ)といい、永野芽郁(ながの・めい)さんが演じました。
そして、主人公の幼馴染でこの作品で重要な役割を果たすのが、萩尾律(はぎお・りつ)。萩尾律を演じたのは佐藤健(さとう・たける)さん。

この作品がきっかけで律という名前が一躍人気になったのではないかと言われています。

突発的に人気が出た名前なので、今後もこの人気が続くかはわかりません。
しかし、男性サッカー選手の堂安律(どうあん・りつ)さんが活躍していますし、
また、リツと近いところで、リクも遡れば女性名でしたが、近年、男性名として根強い人気がありますから、リツ人気が長続きする可能性はあります。

参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/

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