最近、女の子に、美琴(みこと)という名前が人気を博しているようです。
2018年の明治安田生命の名前ランキングによると、美琴が女の子の名前で34位に。占有率は0.2%とされています。
2019年のたまひよの名前ランキングによると、美琴が女の子の名前で49位に。また、漢字表記を無視した読み方のランキングではミコトが46位に入っています。
2017年以前は50番以内に入る名前ではありませんでした。なぜ突然人気が出たのでしょう？
これはドラマの影響ではないかと言われているようです。
2018年1月から3月までTBS系列で放送された金曜ドラマ『アンナチュラル』で石原さとみさんが演じたのが“三澄 ミコト(みすみ・みこと)” という法医学解剖医でした。
2018年1月から3月まで日本テレビ系列で放送された日曜ドラマ『トドメの接吻』で新木優子さんが演じたのが“並樹 美尊(なみき・みこと)” という社長令嬢でした。
2018年1月から3月までフジテレビ系列で放送されたドラマ『ラブラブエイリアン２』で野崎萌香さんが演じたのが“松永 ミコト(まつなが・みこと)” というスタイリストでした。
なかでも、『アンナチュラル』の視聴率や評判が良かったため、石原さとみさんが演じた“三澄 ミコト(みすみ・みこと)” が特にミコトという名前が人気を博した要因になったのではないかともいわれています。主題歌となった米津玄師さんの『Lemon』も大ヒットでした。
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このミコトという名前が賛否両論を呼んでいます。
フィクションに使われる名前なら何の批判もないと思いますが、実在の人間に付けられるとなるとまたいろいろ思う人がいるようです。
まず、ミコトとはどういう意味のある言葉なのでしょうか。
広辞苑を引いてみると
みこと【尊・命】
上代、神または貴人の尊称。
相手を軽く見ていう言葉。おまえさん。貴様。お方。
みこと【御言・命】
言(こと)の尊敬語。おおせ、みことのり。
と出てきました。
ミコトは、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)、伊弉諾尊(イザナギノミコト)、伊邪那美命(イザナミノミコト)など神様などに使われる敬称です。
また、ミコトとはもともと神や貴人の尊称であることから、一般人に使うには逆にバカにしているように感じるのか、相手を軽んじて言う言葉ともされています。例えば、貴様も良く考えれば高貴の貴に様付けで、悪くないように思えますが、人にキサマという瞬間にあんまり穏やかな印象がありませんよね。それと同じことのようです。
そして、もう一つが御言で、これは目上の人が言うことであったり、おことばを指す言葉。
神道では仏教と違って戒名はありませんが、諡(おくりな)を付けることがあります。諡を付ける場合、神道では人が亡くなると神の国に帰り、子孫を見守るという考え方から、亡くなった方の名前の後に、年齢や性別に応じて諡+命(みこと)を付けます。たとえば成人男性なら名前の後に大人(諡)+命(尊称)で大人命(うしのみこと)のように。
特に神道では特別な意味合いを持つミコトという言葉。日本人は深いところで神道を信仰している人が多いだけにミコトという響きに格別な印象を抱くのかもしれません。ミコトという名前に対して、尊大、神々しいなど様々な意見があります。一説には、日本では信仰心が薄れているともいわれますが、初詣も初宮参りも七五三のお参りも決して廃れた文化ではありませんよね。
しかし、美琴と漢字を当てると、琴から琴線に触れるという情緒や、和の雰囲気を感じられることが人気の秘密なのかもしれません。ただ、琴と箏ではまた違うものだといわれています。
2019年10月からTBS系列で放送が始まった金曜ドラマ『4分間のマリーゴールド』で福士蒼汰さんが“花巻 みこと(はなまき・みこと)”を演じていることから、今後は男の子にも人気が出るかもしれません。
ミコトという名前は定着するのでしょうか？たまひよの女の子の名前ランキングでは昨年の36位から49位に、響きのランキングでは昨年の35位から46位にと少しだけ順位が落ちています。しかし、来年巻き返すかもしれませんし、まだまだ何とも言えません。
おこりたくなったら やってみて！ [ オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ ]
参考:
https://st.benesse.ne.jp/ninshin/name/
https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/index.html