【名付け】爽という字は名前に良い字？悪い字？

爽という字が名前に入る人がいますがどのような印象がありますか。

そもそも爽とはどのような意味のある字なのでしょうか。

爽
総画:11画
音読み:ソウ、ショウ訓読み:さわやか、あきらか、たがう

《名付け》
あきら、さ、さや、さわ

《意味》

1.さわやか。さっぱりして気持ちがよいさま。わり切れてねちねちしないさま。
2.あきらか。暗やみがさっぱりと割りきれて除かれたさま。夜明け。
3.たがう。二つに割れて符号しない。ばらばらになる。調子が狂う。

《解字》
会意、「大(人の姿)＋両胸に×印」で、両がわにわかれた乳房または入れ墨を示す。二つにわかれる意を含む。

(漢字源より抜粋)

参考:爽の書き順

この字の意味はさわやか。きっぱりとわかれるようにさっぱりしていること。

さっそう【さっそう】

人の態度・行動などが、勇ましくさわやかに感ぜられるさま。

(広辞苑第五版より抜粋)

そうまい【爽昧】

夜明け。

(広辞苑第五版より抜粋)

また、秋にまつわる言葉に使われています。この字は秋の訪れを感じさせる字なのかもしれません。

そうしゅう【爽秋】

さわやかで心地よい秋。

(広辞苑第五版より抜粋)

そうらい【爽籟】

さわやかな風の響き。秋風の音にいう。［季語:秋］

(広辞苑第五版より抜粋)

そうりょう【爽涼】

気候のさわやかで涼しいこと。「爽涼の秋の気」

(広辞苑第五版より抜粋)

この字を名前に使うことについては賛否あります。

その理由は、×が4つ入るように見えることから、見た目が良くない、成り立ちがよろしくないということ。

×は入れ墨ではないかと言われています。ただ、漢字というのは太古の昔にできた象形文字で、本当のことは作った人にでも聞かなければわかりませんが、それはできません。研究者によってさまざまに解釈されているため、成り立ちについては諸説あります。

また、この字はわかれるの意味もありますが、現代日本ではほぼそのような使い方はされていません。専らさっぱりとして気持ちの良いというさわやかの意味で使われています。

現在、この字は常用漢字です。

第二次世界大戦後の1948年頃に、日本人の本名に使える漢字に制限がかかるようになりました。名前に使うことのできる漢字は、常用平易なもの、具体的には、常用漢字と人名用漢字に限られることになりました。ただし、苗字や、既に付けられた名前については規制の対象外です。

爽は、常用漢字でも人名用漢字でもなかったので名前に使うことのできない時期がありました。

爽が人名用漢字に加わったのは1990年のことです。

2010年には、常用漢字が改定されました。これにより、爽は常用漢字に追加されました。

つまり、日本人で爽の字を本名に持つのは、苗字がそうであるか、1948年より前に生まれた人か、1990年以降に生まれた人か、改名したなど特殊な事情を持つ人です。

では、この字を名前に入れることは人気があるのでしょうか。

明治安田生命の名前ランキングは2004年から、100位に入る名前を公表しています。爽という字が名前ランキングに登場したのは一度だけ。2011年に男の子の名前ランキングで72位になりました。

近年、男の子にソウという響きが大人気。

2004年以来、漢字表記を考慮せず、読み方のみを考慮したランキングが50位まで発表されています。2020年の男の子の読み方のランキングでは、ソウタが2位、ソウスケが11位、ソウマが15位と、50位以内に3つも入りました。特にソウタは2004年からずっと10位以内に入って、特に2012年からずっとトップ3に入るなど、根強い人気があります。

しかし、近年はどうやら颯爽の颯でソウと読むことが人気のようです。

これほどにソウの音が人気なのに爽の字がランキング入りしないのはなぜなのでしょうか。見た目や成り立ちのことが原因なのでしょうか。それともロッテの爽(アイス)や日本コカ・コーラの爽健美茶(お茶)など食品の印象が強いからなのでしょうか。

ちなみに、現代の中国でもさわやかの意味で用いられています。たがうという意味では、毫厘不爽など。毫厘不爽は、不で打ち消して違わないの意味。爽は名前に用いられることもあります。カタカナで表すことは難しいですが、シュァンのように発音するようです。

参考:発音ガイド Forvo。世界中のあらゆる言葉をネイティブスピーカーの発音で

この字を名前に入れることをどのように思いますか。