美が付く名前はコンプレックスになるから避けられるようになったって本当？

以前、ネット上で、美が付く名前はコンプレックスになるので、現代では避けられるようになったという意見を見かけました。

確かに、名前に美という字を持つ人の中にはそれを苦痛に思う人が少なからずいます。私の知人の名前は美咲と言いますが、美しく咲くなんて・・・と少し重荷に感じていたようでした。

しかし、本当に人気がなくなったのでしょうか？

調べてみました。

美は、羊＋大を組み合わせた字であると言われています。形のよい大きな羊を意味する字で、そこから見た目の美しさを意味するようになりました。

美で終わる名前は、子と同じく、もともとは男性名であったのが、女性名へと転じていきました。

明治安田生命の名前ランキングによると、女の子の名前ランキングで、美で終わる名前が初登場したのは、1957年のこと。明美が9位になりました。

トップ10入りした名前は以下の通り。

女の子の名前は流行の変化が早いと言いますが、名前を聞くだけである程度年齢がわかってしまいそうですね。

美で終わる名前は、女の子の名前ランキングで1957年以降、ずっとトップ10入りを果たしてきました。状況が変わったのは1993年のころ。

次第に美で終わる名前がトップ10から外れる年が見られるようになり、2007年以降、美で終わる名前がトップ10に入ることはなくなりました。

また、2004年以降、漢字表記を考慮しない読み方のランキングも発表されるようになり、2004年のランキングではナナミが6位、アミが36位、ナツミが44位、マナミが48位でした。しかし、2019年に発表されたランキングでは、ミで終わる名前で50位以内に入る名前はナナミだけで、その順位は43位でした。

では、美という字はもう人気がないのか？といえばそんなことはありません。

2019年に発表された女の子の名前に使用される人気の漢字ランキングでは、美が6位になっています。

明治安田生命が名前の調査を始めたのは1912年(明治45年/大正元年)のこと。実は女の子の名前ランキングで美が付く名前は1921年から2014年に至るまでずっとトップ10入りしているのです。そして、2018年に再び戻ってきました。

では、明美以前に人気があった美の付く名前とは？

美と子と何かもう一文字加えた漢字3文字の名前が人気を博していたことがわかります。

そして、子が付かない名前へと変化。

2000年以降、美が付く名前でトップ10に入る名前といえば、全て美で始まる名前。

ちなみに、2019年に発表された名前ランキングにおいて、美が付く名前で100位以内に入ったものは以下の通り。