【名付け】彩 で さや / さやか と読むのは間違い?

彩と書いて、さや/さやかと読む名前の人が時折いますが、なぜ彩でさや/さやかなのでしょうか?

漢和辞典にはこのように載っています。


総画:11画
音読み:サイ 訓読み:いろどる、いろどり
《名付け》あや、いろ、たみ

《意味》
1.いろどる。ほどよく色をつける。また、色をとりあわせる。
2.色をとりあわせたさま。
3.いろどり。
4.ようす。すがた。

(漢字源より抜粋)

さや/さやかの読み方は見つかりませんでした。

この字をなぜ、さや/さやか と読ませようと思ったのか、調べてみましたが、よくわかりませんでした。

そこでさまざまな仮説を打ち立ててみました。

《説1》
彩→綾→紗綾→さや?

あやなす【彩なす・綾なす】

1.美しい色や模様などを表す。美しくいろどる。
2.巧みに扱う。

(明鏡国語辞典より抜粋)

“あやなす”は彩なす、綾なすと書くことがある。

彩なす・綾なす。彩から綾へ。

あや【綾】

1.経糸や緯糸を斜めにかけて模様を織り出した絹。

(広辞苑第五版より抜粋)

綾は織物を指す字で、紗綾という織物もある。

さや【紗綾】

(サアヤの約)地を平に文を縦の4枚綾組織とした絹織物。

(広辞苑第五版より抜粋)

《説2》
冴ゆからの連想。

さゆ【冴ゆ】

1.ひえびえとする。
2.(光・音・色などが)澄みきる。さえる。

(全訳古語辞典第三版より抜粋)

さや【明・清】

(冴ユと同源。)
1.さやかなさま。はっきりとしたさま。

(広辞苑第五版より抜粋)

さやか【明か・清か】

(「冴える」と同源。)
1.はっきりしているさま。

(広辞苑第五版より抜粋)

彩の意味はいろどること。
色が澄みきることを意味する冴ゆが明・清(さや)、明か・清か(さやか)へと転じたが、その読み方を、いろどることを意味する彩に当てた。

《説3》
音読みのサイと、名乗り読みのアヤをドッキングしてサヤとした。


いろいろ考えてみましたが、的外れかもしれません。

日本語における漢字の読み方というのはかなり自由なもので、人名にのみ使われる名乗り読みというものも由緒がよくわからないものが少なくありません。
なぜ和や一でカズなのか?信でノブは?康でヤスは?

彩でサヤ/サヤカも数が増えれば名乗り読みに含まれるかもしれません。あるいは、辞書によってはもう載っているかもしれませんね。


彩で、さや/さやかと読む名前の有名人に、

◇櫛引彩香(くしびき・さやか)・・・1975年生まれ。シンガーソングライター。
◇西脇彩華(にしわき・さやか)・・・1992年生まれ。歌手、アイドル、タレント。テクノポップユニット・Perfumeの西脇綾香の実妹。
◇山本彩(やまもと・さやか)・・・1993年生まれ。女性アイドルグループ・NMB48およびAKB48の元メンバー。
◇廣田彩花(ひろた・さやか)・・・1994年生まれ。バドミントン選手。
◇千本木彩花(せんぼんぎ・さやか)・・・1995年生まれ。声優。
◇原田彩楓(はらだ・さやか)・・・1997年生まれ。声優。
◇髙橋彩香(たかはし・さやか)・・・2001年生まれ。女性アイドルグループ・AKB48のメンバー。
◇馬場彩華(ばば・さやか)・・・2004年生まれ。女性アイドルグループ・AKB48のメンバー。
◇金子彩花(かねこ・さやか)・・・声優。

など。

彩が付く名前はかつてとても人気がありました。彩は1985年から1997年にかけて12回、彩香は1989年から1994年にかけて6回、彩花は1993年から2003年にかけて6回、彩乃は1998年から2000年にかけて3回、彩夏は2000年に1回、それぞれトップテンに入りました。何らかの変化を与えたくてサヤやサヤカにしたのかもしれません。

彩でサヤ/サヤカと読む著名人は、彩or彩〇でサヤカがほとんど。例えば、彩でサヤや彩子でサヤコのように読む人は見つけられませんでした。ということは、彩でサヤ/サヤカは説2の明か・清か(さやか)から来ているのかも?

参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/kanji_best25/girl.html

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