“ちはや”とは男の子の名前なのでしょうか？女の子の名前なのでしょうか？
ちはやといえば、末次由紀による少女漫画『ちはやふる』が人気を博しています。
主人公の女性の名前が、綾瀬千早(あやせ・ちはや)といいます。
アニメ化や実写映画化もされており、アニメで綾瀬千早の声を担当したのは声優の瀬戸麻沙美さん、実写映画で綾瀬千早を演じたのは女優の広瀬すずさん。
ところで、“ちはや”とはどういう意味があるのでしょうか？
ちはや【襷・襅】
1.上代、巫女(みこ)の用いたたすき。のち、一般にも用いられた。
2.巫女や先払いの神官などが着る衣服。白衣に、山藍(やまあい)で水草・蝶(ちょう)・鳥などの模様を染めつけ、袖は縫わずにここよりでくくりつけた。(全訳古語辞典第三版より抜粋)
*襷の書き方⇒漢字の正しい書き順・書き方
↑襷・襅
ちはやぶる【千早振る】
勢いの強い。荒々しい。
(全訳古語辞典第三版より抜粋)
ちはやぶる【千早振る】《枕詞》
強力な力を持つ意から「神」「うぢ」にかかる
(全訳古語辞典第三版より抜粋)
ちはやびと【千早人】《枕詞》
(古くはチハヤヒトとも。武勇の人の意)「うぢ(宇治)」にかかる。
(広辞苑第五版より)
襷や襅と書けば衣類を、千早と書けば千早振るや千早人から勢いの良さ、荒々しさを表します。
“ち”は神の威力、“はや”は疾しを意味すると言います。神の威力があっという間に押し寄せてくるようなイメージでしょうか。
3音でヤで終わることや(カズヤやタクヤなどと同系統と考えて)、その意味合いから千早に男性的な印象を抱く人がいます。
しかし、装束のチハヤを連想して女性的な印象を抱く人がいます。
襷や襅と千早では、本来的には意味が異なってしまいますが、襷や襅の字を名前に使うことができませんし(戦後の法改正により、日本人の本名(下の名前)には使えなくなってしまいました)、難しい字なので、千早で代用したとも考えられます。
また、チハヤの音は、なかなか発音しにくいと感じる人がいるようです。
姓名判断の世界では、千早は、千も早も一本立ちのようで、あまり見た目に安定感がないので避ける流派もあります。
