耶という字は名前に良い?悪い?

名前に使われることもある耶の字ですが、この字は名前に良いのでしょうか?それともあまり良くないのでしょうか?

そもそも耶とはどのような意味のある字なのでしょうか。


総画:8画
音読み:ヤ 訓読み:か、や、ちち
《意味》
{助辞}か。や。
{名詞}ちち。父親のこと。

《解字》
形声。もと邪とかき、「邑+(音符)牙(ガ)」

(漢字源より抜粋)

耶という字は、助辞として疑問や反語を意味します。

また、外来語の音訳としても用いられ、耶蘇教とはキリスト教のこと、耶路撒冷とはエルサレムのこと、耶悉茗とはジャスミンのこと、摩耶とは釈尊の母のこと、耶摩天とは閻魔王の別称です。

この耶という字は、もともとは邪であったといいます。

確かに邪と耶は似ていますよね。
邪という字も疑問や反語に用いられることがあるなど、その使い方も似ています。

邪馬台国を耶馬台国と書くことがあるのは邪と耶はもとが同じものだからなのでしょう。

それほど深い意味を持たず、当て字として用いられることの多い耶の字ですが、
もともと邪を意味することを考えると、別の字の方がよいかもしれません。

例えば、弥。

弥・彌
総画:【弥】8画 【彌】17画
音読み:ビ、ミ 訓読み:わたる、あまねし、とおい、ひさしい、いよいよ、いや
《名付け》
いや、いよ、ひさ、ひさし、ひろ、ます、まね、み、みつ、や、よし、わたり、わたる

《意味》
1.{動詞}わたる。端まで届くから意から転じて、A点からB点までの時間や距離を経過する。
2.{形容詞}とおい。ひさしい。関係がとおい端まで及ぶさま。
3.{副詞}いよいよ。遠くのびても、いつまでも程度が衰えない意をあらわすことば。ますます。

《解字》
形声。爾は、柄のついた公用印の姿を描いた象形文字で、璽の原字。
彌は「弓+音符(璽)」で、弭(弓+耳)に代用したもの。
弭は、弓のA端からB端に弦を張ってひっかける耳(かぎ型の金具)のこと。
弭・彌は、末端まで届く意を含み、端までわたる、とおくに及ぶなどの意となった。

(漢字源より抜粋)

弥の旧字体の彌は名前に使える字です。

弥生はやよいと読み、草木がいよいよ生い茂ること、また、陰暦3月のこと、
弥栄はいやさかと読み、いよいよ栄えることを意味します。

弥はの意味はこれから。いつまでも程度が衰えない。
縁起の良い字です。

ただし、弥もさまざまな外来語の当て字として用いられるので注意が必要です。
例えば弥撒はミサと読み、ローマ・カトリック教会における儀式のこと。
沙弥は、シャミと読んで少年僧のこと。阿弥陀は、アミダと読んで仏のことを指します。

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