しずか はもともと男性名だったって本当?

しずか という名前に対して男性的な印象があるでしょうか?それとも女性的な印象があるでしょうか?

そもそもしずかとはどのような意味のある名前なのでしょうか。

しずか【静か・閑か】
1.動かないさま。
2.落ち着いているさま。
3.さわがしくないさま。
4.動作の激しくないさま。おだやかなさま。

(広辞苑第五版より抜粋)

しずか という名前は、おだやかなさま、落ち着いているさまという意味で名付けられるのではないでしょうか。

旧仮名遣いでは、しづか。

ちなみに、しずかもしづかもヘボン式の綴りはShizukaなので、特殊な申請をしなければ、パスポートなどの公的な書類での綴りはShizukaとなります。

参考:Q17 「山田」という苗字を,「Yamada」ではなく「Jamada」と表記することはできますか? / 外務省

静・靜
総画:【静】14画【靜】16画
音読み:セイ、ジョウ 訓読み:しず、しずか、しずまる、しずめる

《意味》
1.{形容詞}しずか。しずめる。しずまる。
2.{名詞・形容詞}からだや心を動かさないこと。
3.{名詞}しずけさ。動かない状態。しずかな所。

《解字》
会意兼形声。「爭(とりあい)+(音符)青」
青は、澄み切った意を含み、とりあいをやめて、しんとすみわたった雑音のない状態になること。

(漢字源より抜粋)

*静は常用漢字、旧字体の靜は人名用漢字で、どちらも名前に使うことができる字。

しずか といえば、静御前(しずかごぜん)が浮かびます。
平安時代末期から、鎌倉時代に生きた女性で、源義経(みなもと の よしつね)の妾であったとされます。
もともとは白拍子を歌い舞う遊女であったと言われています。
この時代の女性なので、静が本名なのかはよくわかりません。

一方で、近代では男性の名前にもみられます。

しずかという名前の男性の例:
◇山川黙(やまかわ・しずか)
1886年生まれ。教育者。

◇山室静(やまむろ・しずか)
1906年生まれ。翻訳家。

◇白川静(しらかわ・しずか)
1910年生まれ。漢文学者。

◇亀井静香(かめい・しずか)
1936年生まれ。政治家。

また、本名ではありませんが、作家の伊集院静(いじゅういん・しずか)など。

しかし、近年は女性に多いようです。

しずかという名前の女性の例:
◇工藤静香(くどう・しずか)
1970年生まれ。歌手。

◇齋藤支靜加(さいとう・しずか)
*壇蜜(だんみつ)の本名。

◇伊藤静(いとう・しずか)
1980年生まれ。声優。

◇荒川静香(あらかわ・しずか)
1981年生まれ。フィギュアスケート選手。

◇武藤静香(むとう・しずか)
1987年生まれ。ファッションモデル。

◇武田静加(たけだ・しずか)
1988年生まれ。ファッションモデル。

◇久野静香(くの・しずか)
1989年生まれ。日本テレビのアナウンサー。

など。

昔の日本人女性の名前というのはよくわかりません。
よほどの有名人でないと記録が残っていないからです。

遡れば、都良香(みやこ の よしか)という平安貴族がいました。
また、江戸時代前期頃には藤原惺窩(ふじわら・せいか)という儒学者もいました。
そのことから考えると、3音でカで終わる名前は男性名としておかしくなかったのかもしれません。
現代では3音でカで終わる名前で男性に多いといえばユタカが浮かびます。その他、アスカ、ハルカ、ヒダカ、ホタカ、ホダカなど。
時代の変化で、たまたま何かの拍子で男性名、女性名と別れていっただけで、そもそもあまり区別もしていなかった可能性もあります。
現代では、ユタカは男性に多いけれど、サヤカは女性に多いわけですが、その明確な理由はありません。

静の意味は泰然自若といった印象で、男性の名前としても女性の名前としても特に変ということもないわけで、男性の名前なのか女性の名前なのかといえば、何とも言えません。

どちらともとれる名前と言えますが、著名な女性に多いことを考えると、現代ではほとんど女性名となったといえるでしょう。

藤子・F・不二雄による漫画『ドラえもん』のヒロインの名前が源静香(みなもと・しずか)。『ドラえもん』の連載開始は1969年であることを考えれば、このころにはもうすっかり女性名としてて定着していたのでしょうね。

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