【英国】メーガン妃とマリー・アントワネットを重ねるとは無礼な?

メーガン妃のこと。差別か、お金の使いすぎなのか、どちらでしょう?それともどちらも?

「ブラック・プリンセス」メーガン妃は人種差別の被害者、それとも現代のマリー・アントワネットか

[ロンドン発]イギリスが欧州連合(EU)を離脱するより早く、英王室の称号と公務を放棄して王室を離脱してしまったヘンリー王子(35)と妻の元米女優メーガン妃(38)。2人は王室の桎梏を逃れて、春には晴れて民間人になるというのだが……。

メーガン妃は友人に「彼の魂は私と同じように壊されている。彼が苦しむのを見るのはもう耐えられない。王族を辞めたことは彼にとって素晴らしいことよ。それを可能にしたのが私の愛。彼の人生はこれから花開く」と話していると英大衆紙デーリー・メールが報じている。

しかし「妻のために下したこの決定に至ったのはこれ以上ない悲しみ。退くというのは軽い決断ではなかった」「本当に他の選択肢はなかった」とヘンリー王子が漏らした苦しい胸の内とメーガン妃の感じ方は天と地ほども開いている。

パートタイムの王族としてイギリスとカナダの二重生活を送り、自由に「サセックスロイヤル」のブランドを展開、自己資金を調達するのが、2人が英王室に突き付けた要求だった。しかしエリザベス女王が下したのは、2人を丸裸同然にして放り出すという厳しい答えだった。

<高額の身辺警護費に厳しい視線>

2人はロンドン郊外のフロッグモア・コテージの改修費240万ポンド(約3億4600万円)を返済、今後は月に賃貸料3万ポンド(約433万円)を支払う。父親のチャールズ皇太子領からの利益配分の230万ポンド(約3億3200万円)も1年限りとされ、年に60万ポンド(約8700万円)もかかる身辺警護費にも厳しい目が注がれている。

メーガン妃が長男アーチーちゃんを胸に抱き、愛犬2匹を連れてバンクーバーの豪邸周辺を散歩しているところを英メディアが隠し撮りして公開したことに対し、2人はプライバシー侵害として法的措置を取る構えを見せた。

しかし写真にはイギリスとカナダの警護官が写っていたことからバンクーバーの地元議員が「彼らの身辺警護費をカナダの納税者に付け回すな」と訴え、血税を使った身辺警護に反対する8万人以上の署名が集まっている。これが2人に対する庶民の率直な反応だ。

ヘンリー王子とメーガン妃、アーチーちゃん一家が大西洋を越えてカナダに逃げ出したのはメーガン妃がアフリカ系の血を引くことが原因だったのか。英王室に詳しい歴史家で、英レディング大学のケイト・ウィリアムズ教授はこうツイートしている。

「メーガンに対する人種差別ほど明白なものはない。人種差別的で性差別的な言葉と態度が彼女に向けられてきたのは明らかだ。結婚から2年未満で、良いことをしようとする意思を持ち、懸命に取り組んできた女性が(王室から)追い払われた」

「人々は私にハリー(ヘンリー王子の愛称)とメーガンが本当に問題なのと尋ねる。その通りよ。有色の女性が王室に嫁ぎ、2年もしないうちに追い出された。王室に関するだけでなく、イギリスと支配階層の中にある人種差別と女性蔑視に関する問題でもあるのよ」

<カナダの納税者も呆れる>

ハフポストと英サンダーランド大学が性差別や人種差別の侮辱を含む最も悪質な約400ツイートを調査したところ「自己嫌悪の人種の裏切り者め」「貧乏人」「猿島の女王メーガン」「有毒牛」「雌」「オ●●●」「売春婦」「痴女」「魔女」という言葉が使われていた。

「どうしてイギリスのタブロイド(大衆紙)はメーガン妃のことを叩きまくるのか」という筆者の質問に英王室伝統のエチケットに精通しているウィリアム・ハンソン氏はこう答える。

「イギリスのタブロイドは確かにメーガン妃にとって不愉快なことばかり書いてきました。王族であろうがなかろうが、国籍が何であれ、背景がどんなものであれ、衆目にさらされる人にとって人の目は恐いものです。人はとてもアンフェアなことを言うものです」

「キャサリン妃や彼女の家族がタブロイドに書かれたことを思い出してください。キャサリン妃は正しい階級の出ではないとか、母親がチューインガムを噛んでいたとか、トイレという時の単語が王室に相応しくないとか。イギリス人にとって社会階級は非常に繊細なトピックです」

「キャサリン妃も彼女の家族も長い間、タブロイドに散々叩かれてきました。それに比べてメーガン妃はヘンリー王子と交際を始めてからの期間が短く、書かれた記事もまだ少ないと思います。どうでも良いこと、馬鹿げたこと、頑迷なことは本来なら新聞に書かれるべきではないのですが、書かれてしまうのが現実です」

<人種より金銭感覚が問題?>

英王室は白人の特権そのもの。黒人文化と相容れるわけがない。英王室はエリザベス1世時代、奴隷の三角貿易で巨額の富を築いた。イギリスの船で運ばれた奴隷は260万人、アフリカからアメリカに連れて行かれた奴隷は全体で1200万人と推定されている。

アフリカ系の母親を持つメーガン妃が英王室に入り込む余地がないように感じたとしても無理はない。イギリスの黒人社会は一連の騒動に典型的な人種差別の臭いを嗅ぎ取っている。しかし最初はともかくメーガン妃を差別される黒人と意識していた庶民がどれだけいるのだろう。

庶民にとって1410万ドル(約15億4700万円)相当の豪邸で優雅に暮らすメーガン妃は“現代のマリー・アントワネット“のように振る舞っているように映る。世紀の結婚式、豪華な衣装、プライベートジェットを使った贅沢三昧のホリデーに、観客席を占拠したウィンブルドン観戦。

昨年7月には、ヘンリー王子は英海兵隊の慰霊祭をすっぽかしてメーガン妃を売り込むためディズニーの「ライオン・キング」のプレミアに出席していた。こうしたことを全て暴いてきたのが、メーガン妃がデタラメを垂れ流していると忌み嫌っているイギリスの大衆紙なのだ。

皮膚の色より、庶民からかけ離れたメーガン妃の金銭感覚にイギリスの納税者も、カナダの納税者も呆れているように感じるのは果たして筆者だけか。

木村正人(在ロンドン国際ジャーナリスト)

ニューズウィーク
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200123-00010000-newsweek-int&p=1


そんな中、マリー・アントワネットと一緒にするんじゃないという批判も。

マリー・アントワネットは、神聖ローマ帝国の皇帝フランツ1世と、皇后マリア・テレジアの娘として生まれました。ハプスブルク家の血を引く真正のお姫様です。

政略結婚により、わずか14歳で故国オーストリアを離れ、フランスへと旅立ちました。そしてフランス国王ルイ16世と結婚。

マリー・アントワネットに関して“ワガママ”、“浪費家”など様々な悪評がありますが、しかし、18世紀のこと。本当のところはわかりません。革命家の扇動により悪の化身のように仕立て上げられたとも、本当に性格がよろしくなかったとも。

贅沢三昧の生活をしていたと言っても、果たして彼女にその認識があったかどうかというところ。この時代の女性はあまり勉強をする機会がなかったでしょうし、王妃が外に出ることもなかなか珍しかったでしょうから。

現代、大半の日本人が、最貧国とされる国の一般人と比べれば贅沢な暮らしをしていますが、ふだん意識することはありませんし、贅沢とも思っていないように。

また、マリー・アントワネットのお金の使い方は歴代のフランス王妃を超えるほどでもなかったとか。

それに対して、メーガン妃は、

・欧州の王侯貴族の血を引く人間ではない

・政略結婚ではない

・王子との結婚は自ら選んだ道である

・再婚である

こうした点がマリー・アントワネットとは違うので、一緒にするなと言われてしまうみたいです。

お金の使い方だって、生粋のお姫様であるマリー・アントワネットと比べてもねなんて。

では、マリー・アントワネット並のお姫様なら多少の破天荒も認められたのでしょうか?

過去を遡ればダイアナ妃の悲劇がありました。ダイアナ妃は英国の伯爵令嬢で、その美貌からカリスマ的な人気を誇りました。今となっては美化されすぎだと言われている節もありますが、人気があるのも考えものなのでしょうか?

マリーアントワネット並の立派な家柄とダイアナ妃並の美貌と、目に余る浪費が重なったなら、もっと意見が割れたのかななんて思ったりします。

昨年7月には、ヘンリー王子は英海兵隊の慰霊祭をすっぽかしてメーガン妃を売り込むためディズニーの「ライオン・キング」のプレミアに出席していた。

しかし、これはもう擁護されないでしょうね。ハリー王子は、王子であり、軍人でもあったのに、「ライオン・キング」のプレミアに出席するために、慰霊祭に行かないのは・・・。

最もメーガン妃ばかり責めるのもよろしくないのでしょう。

こういう結果になったのは王子の選択です。そして何が最良であったかもずっと後になってみないとわからないことです。

どう生まれるかより、何を選ぶかが大事だとダンブルドア先生が言っていました(ハリー・ポッターより)。

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