女性の名前で見かけるユカとはどういう意味があるのでしょう?
日常的に使う言葉で考えると、床のイメージがありますが、果たして?
諸説ありますが、ゆかは“ゆかし”という形容詞に由来するのではないかと言われています。
ゆかしとはどういう意味がある言葉なのでしょうか?古語辞典にはこのように記されています。
ゆか・し(形シク)
動詞「行く」(カ四)に対応する形容詞。心がひきつけられ、心が進んでいく思いだ、の意が原義。対象によって、見たい、聞きたい、知りたい、読みたいなどの意になる。
1.好奇心がもたれ、心がひきつけられる状態。(直接に)見たい。聞きたい。知りたい。
2.なんとなく慕わしい。なつかしい。(全訳古語辞典より抜粋)
国語辞典にはこのように記されています。
ゆかしい
【床しい・懐しい】
[形]ゆか・し(シク)
(動詞「行く」から。「床し」は当て字)1.何となく知りたい、見たい、聞きたい。好奇心がもたれる。
2.何となくなつかしい。何となくしたわしい。心がひかれる。
3.上品ですぐれている。(広辞苑第五版より抜粋)
また、ゆかとは甕(かめ)のことでもあります。
ゆか【斎甕・由加】
(「ゆ」は「神聖な」の意。「か」は「みか」「ひらか(平瓮)」の「か」)古代。祭事に用いた甕(かめ)。
(広辞苑第五版より抜粋)
あるいは、既存のユカリという名前の略ではないかとも言われます。
ゆかり【縁】(名)
なんらかのつながりや関係のあること。また、その人。えん。縁故。血縁。親戚。
(全訳古語辞典より抜粋)
ゆかしとは心ひかれる、好奇心がもたれるという意味。そこからだと考えるととても美しい名前ですね。
敷島(しきしま)の 日本(やまと)の国は 言霊(ことだま)の 幸ふ(さきはふ=さきわう) 国ぞ ま幸(さき)くありこそ
という和歌があるように、日本では古来からことばに霊力が宿ると信じられてきました。漢字だけではなく、響きも美しい名前であってほしいものです。