幸 という字が名前に入る人がいますが、どのような印象がありますか。
そもそも幸とはどのような意味のある字なのでしょうか。
幸
総画:8画
音読み:コウ、ギョウ
訓読み:さいわい、さち、しあわせ、さいわいにして、さいわいとする、ねがう、みゆき《名付け》
さい、さき、さち、たか、たつ、とみ、とも、ひで、みゆき、むら、ゆき、よし《意味》
1.さいわい。しあわせ。ひどい目にあわないですむこと。
2.さいわいにして。運よくやっと。
3.さいわいとする。ねがう。これはしめたと思う。うまくいったと考える。
4.みゆき。天子が出かけることをいう敬語。△思いがけないさいわいの意から。
5.君主にかわいがられる。君主のめぐみ。
[日本語特有の意味]さち。1.さいわい。2.山や海からの収穫物。《解字》
象形。手にはめる手かせを描いたもので、もと手かせの意。手かせをはめられる危険を、危うくのがれたこと。(漢字源より抜粋)
幸
[意味]
①「しあわせ」
ア:「運が良いこと。また、そのさま(さいわい、さち)」(例:幸運、幸福)
イ:「その人にとって望ましく、ありがたいこと。また、そのさま(さち、さいわい)」
ウ:「めぐり合わせ」、「運命」
エ:「運が良くなること(さち、さいわい)」
オ:「物事のやり方」、「物事の順序」
②「さち」
ア:「海や山でとれる食物」
イ:「獲物をとる道具。また、それが持つ霊力」
②「さいわいする(その人にとって望ましい結果となる)」
③「さいわいにして(運良い、ありがたいことに)」
④「可愛がる」、「慈しむ(目下の者や弱い者をかわいがって大事にする)」
⑤「恵み」
⑥「慈しみ」
⑦「こいねがう(強く願い望む、希望する)」
⑧「みゆき(天子(国を治める人)・天皇の外出)」
[成り立ち]
象形文字です。「手かせ」の象形でさいわいにも手かせをはめられるのを免れた事を意味し、そこから、「しあわせ」を意味する「幸」という漢字が成り立ちました。読み
音読み:「コウ」
訓読み:「さいわ(い)」、「さち」、「しあわ(せ)」
常用漢字表外:「みゆき」
※訓読み⇒()の中は「送りがな」名前(音読み・訓読み以外の読み):
「あき」、「き」、「ご」、「さい」、「さき」、「たか」、「たつ」、
「とみ」、「とも」、「ひで」、「むら」、「ゆき」、「よし」画数「8画」
部首
①「土(つち、つちへん(土偏))」
②「干(かん、いちじゅう(一十)、ほす)」(https://okjiten.jp/kanji43.htmlより抜粋)
この字の意味はしあわせ。
その成り立ちは、意外にも手枷を逃れるところから来たと言います。
ところで、手枷を逃れるとはどのような事態なのでしょうか。犯罪に巻き込まれかけたのでしょうか、それとも罪を犯して追われているのでしょうか。
この漢字ができた時代は大変に治安が悪かった可能性があります。そうであるならば、何らかの犯罪に巻き込まれないで日常を送ることができるというのは大変にしあわせなことと考えられていたかもしれません。
また、罪に関しても理不尽なものがあったことでしょう。処刑されたと伝えられるイエス・キリストやソクラテスの罪状については理解しがたいものがあります。罪に問われることなく生きることができるというのもしあわせだったのかもしれません。
とはいえ、~するではなく、~しないというところから始まっていることから、どうしてもネガティブな印象を受けます。
幸という字を名前に使うことについては、主にこの成り立ちのために賛否両論あります。
ただし、漢字の成り立ちは諸説あります。本当の成り立ちというのは作った人にでも聞かないとわかりません。しかし、漢字は太古の昔にできたものなので、それは不可能です。さまざまな研究者が研究し、さまざまな説を打ち出しています。
SNS上では幸と辛が似ているから嫌という意見や、幸という字が付く人でしあわせそうな人を見たことがないという偏見も見受けられました。人生山あり谷ありですが、幸の字が入る人が谷に入ると名前負けなんて思われるのかもしれません。
ちなみに、現代の中国で、幸は現代の日本語と同じような、しあわせの意味で用いられています。幸という姓も存在しています。シィンのように発音するようです。
幸という字を名前に入れることについてどのように思いますか。
参考