芽という字の意味は?なぜ牙が入るの?

昨今、メイと女の子に名付けることが人気を博しています。

2019年に発表された明治安田生命の名前ランキングによると、女の子の読み方のランキングでメイが1位

メイと読む名前で人気の漢字表記は、芽依、芽生、芽衣など。

調査対象となった8407人のうち、名前の響きがメイの女の子が116人。メイの漢字表記では、多い方から、芽依が32人、芽生が20人、芽衣が13人、芽郁が6人、萌衣が5人でした。

芽郁は女優の永野芽郁さんの影響でしょうか。

メイには芽の字が入ることが多いようです。

芽の字は草冠に牙と書きます。牙というと何だか怖いイメージがありますが、なぜ牙がはいるのでしょうか?

漢和辞典にはこのように記されています。

総画:8画
音読み:ガ 訓読み:め
名付け:めい

《意味》
1.め。草木の芽。
2.め。きざし。物事のおこり。物事のはじめ・めばえ。
3.めぐむ。きざす。めを出す。また、めが出はじめる。

《解字》
会意兼形声。「草冠+(音符)牙(ガ)(ちぐはぐにかみあう)」。ふた葉がかみあっている植物の芽。

《参考》
うまくゆけばやがて発展する状態・ものにたとえることもある。

(漢字源より抜粋)

牙にはかみ合うという意味があるので、それを草冠と合わせたと考えられるようです。

牙がかみ合うようにと言われればそのような・・・?

最近は、似たところで、萌でメと読ませて萌衣でメイという名前の女の子もいるようです。

萌・萠

総画:11画
音読み:ボウ、ホウ、モウ、ミョウ、
名乗り読み:きざし、め、めぐみ、めみ、もえ、もゆ

1.きざす。もえる(もゆ)。草がめを出す。
2.きざし。物事がおこることを予想させるしるし。まえぶれ。
3.めばえ。草木がめを出すこと。また、物事のおこりはじめ。
4.多くの人民。

《解字》
形声。「草冠+(音符)明」

萠は萌の異体字。萌も萠も人名に使うことができる字です。

“萌える(もえる)”=芽が出ることを古語では“萌ゆ(もゆ)”と言いました。

以前は、萌という名前はそれなりに人気がありました。

明治安田生命の名前ランキングによると、萌という名前は1993年から2003年まではずっとトップ10に入るような名前でした。

しかし、昨今、本来の“芽生え”という意味とは違う意味で使われる機会が増えたせいか、萌と名付けられる女の子は減ったような印象があります。

名前ランキングでいうと、萌という名前は2007年以降は100位以内にも入らなくなってしまいましたし、モエという響きも2006年以降50位にも入らなくなってしまいました。

ただし、それ以降も、やや変わり種の萌愛・萌生・萌衣(読み方の例ではどれもメイ)、萌花・萌華(モエカ?)、萌々香(読み方の例ではモモカ)が100位以内に入ったことはあります。しかし、それも2012年頃まで。

萌えはネットスラングで、意味は対象物に対して好ましく感じるといった具合でしょうか。2000年頃から広く使われるようになり、そのうち廃れるかなと思っていましたが今も廃れていません。

草冠に牙よりも草冠に明の方が何だか印象はいいように思うのですが、ネットスラングのせいで名付けることを躊躇する人が増えてしまったのなら残念なことです。

メイという響きの名前で、人気の表記で5番目に来るのが萌衣ですが、読みにくいことがネックですね。

参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/sp/enjoy/ranking/index.html

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする