【名付け】あやめ / 菖蒲 とはどのような植物?季節はいつ?

あやめ を漢字で書くと菖蒲。

夏の季語とされることがあります。

ところで、菖蒲とはどのような植物なのでしょうか。

あやめ【菖蒲】

1.アヤメ科の多年草。やや乾燥した草原に群生。また、観賞用に栽培。根茎は地下を這い、毎年、剣状の細長い葉数枚を直立。5月~6月頃花茎の頂端に紫色または白色の花を開く。外花被片の基部には黄色と紫色の網目があり、虎斑(とらふ)と呼ばれる。〈季語:夏〉
2.ショウブの古称。
3.襲(かさね)の色目。表は青、裏は紅梅。
4.蛇の異名。(蛇の姿を、菖蒲が蕾を持ってのびた茎に見立てた、隠語的な性格の語。平安朝、後冷泉天皇時代に、若い女性の間に流行し、院政期には死語化していた。)

(広辞苑第五版より抜粋)

また、襲(かさね)の色目である、菖蒲襲(あやめがさね/しょうぶがさね)は、夏の装束です。

ところで、菖蒲はショウブの古称とありますが、ショウブとアヤメはどのように違うのでしょうか。

しょうぶ【菖蒲】

サトイモ科の多年生草本。根茎は水底の泥中に横たわり、葉は長剣状で80センチメートル余。初夏、花茎の中ほどに黄緑色の小花を棒状に密生。葉は方向があり、丹後の節句に菖蒲湯(しょうぶゆ)とする。根茎を乾かして「菖蒲根」と呼び健胃薬とする。古くは「あやめ」と読んだが、アヤメ科のアヤメはアヤメ・ハナショウブの類とは葉の形が似るだけで、まったくの別種。茸草。軒菖蒲。漢名、白菖。〈季語:夏〉

(広辞苑第五版より抜粋)

ショウブはサトイモ科かショウブ科の植物で、アヤメはアヤメ科の植物で全くの別物。

古典では、ショウブ(旧仮名遣いではシャウブ)が指すものはショウブで、アヤメが指すものはショウブかアヤメのどちらかでした。

ショウブ/アヤメで浮かぶのは、5月5日の端午の節句ですね。

たんご【端午】
(「端」は初めの意。もと中国で月の初めの午の日、のち「午」は「5」と音通などにより五月5日をいう)
5節句の一。5月5日の節句。古来、邪気を払うため、菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)を軒に挿し、粽(ちまき)や柏餅を食べる。菖蒲と尚武の音通もあって、近世以降は、男子の節句とされ、甲冑・武者人形などを飾り、庭前に幟旗や鯉幟(こいのぼり)を立てて男子の成長を祝う。第二次世界大戦後は「こどもの日」として国民の祝日の一。あやめの節句。重五。端陽。〈季語:夏〉

(広辞苑第五版より抜粋)

菖蒲(しょうぶ)が尚武(武道・武勇を重んじる)に通じると近代日本では男の子の行事となりました。しかし、もともとは邪気を払う行事であって性別は関係がなかったようです。

古来中国には陰陽五行説という思想がありました。その思想では、奇数が吉数とされました。それを受けて、日本では、3月3日は上巳、5月5日は端午、7月7日は七夕、9月9日は重陽と、季節の節目を祝う五節句のうち4つは奇数の並ぶ日です。

端午の節句に用いられる植物は、ショウブです。古くは、アヤメとも呼びました。
端午の節句ではショウブは大切な存在です。端午の節句に用いられたものや行事に、菖蒲兜(しょうぶかぶと)、菖蒲刀(しょうぶがたな)、菖蒲打ち(しょうぶうち)、菖蒲湯(しょうぶゆ)、菖蒲浴衣(しょうぶゆかた)、菖蒲蔓(しょうぶかずら)など多数。

菖蒲湯(しょうぶゆ)は体に良いと、今でも廃れていない行事ではないでしょうか。


端午の節句に用いられることから、このような言葉も生まれました。

六日の菖蒲(むいかのあやめ)

(5月5日の節句の翌日の菖蒲の意)時期におくれて役に立たない物事のたとえ。

(広辞苑第五版より抜粋)

清少納言は、枕草子に“すさまじきもの、昼ほゆる犬、春の網代”などと書いていましたし、日本人は、古来から、季節感に厳しいですね。

旧暦の5月5日は新暦の5月下旬から6月上旬ころ。
旧暦を考慮して、“月遅れ”として6月5日に端午の節句を行う地域もあります。

現代では、地域にもよりますが、アヤメは5月上旬ころに咲き、ショウブは5月下旬ころから咲きます。

着物の柄で遅れるのはあまり良くないけれど、先取りは良しとする場合があるので、端午の節句の頃か、花が咲くころに生まれた人に良く似合う名前ではないでしょうか。

ショウブ

アヤメ

ショウブは英語でcalamus、アヤメは英語でiris。

Irisはギリシャ神話における虹の女神の名前でもあります。

ところで、アヤメ という名前は人気があるのでしょうか。
明治安田生命の名前ランキングでは見つけられませんでした。


アヤメという名前の有名人にはどのような人がいるでしょう。

□芳澤 あやめ(よしざわ あやめ)
歌舞伎役者の名跡。

□桂 あやめ(かつら あやめ)
上方落語の名跡。

◇中田 あやめ(なかだ あやめ)
1881年~1939年。ホーリネス教会の創始者。

◇水島 あやめ(みずしま あやめ)
1903年~1990年。著述家。

◇鈴木 絢女(すずき あやめ)
1977年生まれ。国際政治学者。

◇水崎 綾女(みずさき あやめ)
1989年生まれ。タレント。

◇剛力 彩芽(ごうりき あやめ)
1992年生まれ。女優、モデル。

◇肥川 彩愛(ひかわ あやめ)
1994年生まれ。女性アイドルグループNMB48の元メンバー。

◇笹村 あやめ(ささむら あやめ)
1995年生まれ。プロレスラー。

◇小島 あやめ(こじま あやめ)
1996年生まれ。タレント、ダンサー。

◇武藤 彩芽(むとう あやめ)
1996年生まれ。気象キャスター、モデル。

◇田尻 あやめ(たじり あやめ)
1998年生まれ。ファッションモデル、タレント。

◇川瀬あやめ(かわせ あやめ)
2002年生まれ。アイドル。

など。

花の印象からか本名では女性に多いようです。

また、苗字に菖蒲を持つ人もおり、女優の菖蒲理乃(しょうぶ・りの)、陸上競技選手の菖蒲敦司(しょうぶ・あつし)など。

では、アヤメという名前に使われる漢字の意味は何でしょう。

菖蒲の意味


総画:11画

草の名。水辺に多く生える。
(漢字源より抜粋)


総画:13画

がま。草の名。淡水の水際に生じる。

(漢字源より抜粋)

菖が人名用漢字に追加されたのは1990年のこと。蒲が人名用漢字に追加されたのは2004年のこと。菖の一文字でアヤメと読むこともあるようです。

アヤと読む字

訓読みでアヤと読む字


総画:4画

1.あや。きれいな模様。また、外面のかざり。
2.きれいにかざったさま。外面の美しさ。
3.かざる。表面をかざる。また、うわべを繕う。
4.もじ。
5.ふみ。文字で書いた文章や手紙。
6.武に対して文といい、文化や教養・学芸など。転じて、荒々しくなく、おだやかなさま。
7.たくみ。じょうずにうまくかざってあるさま。

(漢字源より抜粋)

言葉は身の文(あや)といいます。

*常用漢字。

礼・禮
総画:【礼】5画 【禮】18画

あや。形よくととのえた作法。儀式。

礼も旧字体の禮も名前に使うことができる字。

(漢字源より抜粋)

秋篠宮文仁親王の称号が礼宮(あやのみや)であったことから一気に人気が出たともいわれています。
ただし、成人してからは秋篠宮の宮号となり、礼宮であったことを知らない人や、礼でアヤと読めない人が増えたとも。


総画:11画

1.いろどる。
2.色をとりあわせたさま。
3.いろどり。

(漢字源より抜粋)

いろどりという意味のある字。2020年に発表された、明治安田生命の女の子に使用される人気の漢字ランキングで13位。カラフルなイメージが人気の理由かもしれません。

*常用漢字。


総画:12画

あや。色糸をめぐらしてとりまいた模様。

(漢字源より抜粋)

豪華絢爛の絢。
華やかな印象のある字。

*1976年に人名用漢字に追加。


総画:14画

あや。浮き出た感じに模様を織り込んだ薄い絹布。

(漢字源より抜粋)

薄い絹布という意味のある字。

名乗り読みでアヤと読む字


総画:11画

1.宝石の模様のすじめ。
2.ことわり。物事の筋道。
3.ことわり。理屈
4.きめ。
5.おさめる

(漢字源より抜粋)

筋道の整ったという意味のある字。
名乗り読みとしてアヤと読みますが、リと読まれがちかもしれません。

*常用漢字。

アと読む字

音読みでアと読む字

亜・亞
総画:【亜】7画【亞】8画

1.つぐ。表面に出ずに下になる。
2.主たるものの下になり、それにつぐ地位にある。第二位である。亜流。

(漢字源より抜粋)

亜も亞も名前に使うことができる字。
当て字に用いられることが多い字です。亜細亜(アジア)、亜米利加(アメリカ)、亜剌比亜(アラビア)など。


総画:8画

1.おか。
2.くま。山阿。
3.かぎ形に曲がったもの。
4.おもねる。へつらう。

(漢字源より抜粋)

おかやくまの意味があることからか、阿寒湖(あかんこ)、阿蘇(あそ)など地名でもよく見かける字。
阿弥陀(あみだ)、阿闍梨(あじゃり)、阿修羅(あしゅら)、阿羅漢(あらかん)など仏教用語の当て字によく用いられるので、組み合わせに注意が必要な字です。

*人名用漢字。

ヤと読む字

音読みでヤと読む字


総画:3画

1.なり。
2.や。

(漢字源より抜粋)

音読みないし訓読みでヤ。
助辞として使われる字。
もともとはさそりを描いた字であると言われていますが、現代ではその意味で使われることはありません。

*1951年に人名用漢字に追加。


総画:8画

よる。昼間をはさんで両わきにある暗い時間。

(漢字源より抜粋)

音読みでヤ。
暗い印象があります。

*常用漢字。


総画:9画

か。や。

(漢字源より抜粋)

助辞として使われる字。
もともとは邪の異体字であると言われています。
邪馬台国を耶馬台国と書くことがあるのはそのせいでしょうか。

*1976年に人名用漢字に追加。

野・埜
総画:【野】11画【埜】11画

1.の。ひろくのびた大地。
2.朝廷に対して、民間のこと。
4.そぼくで洗練されていない。

(漢字源より抜粋)

音読みでヤと読む字。広野/荒野のヤ。
のびのびした印象もあれば、野性など粗暴な印象もある字です。

*野は常用漢字、埜も人名に使える字。


総画:13画

やし。木の名。熱帯に産するやし科の常緑高木。

(漢字源より抜粋)

音読みでヤ。植物のヤシ。

*1990年に人名用漢字に追加。

訓読みでやと読む字


総画:2画

やっつ。

(漢字源より抜粋)

*常用漢字。


総画:4画

直線をなしたや。
まっすぐ直進すること。

(漢字源より抜粋)

訓読みで、やと読む字。
武器の矢。

*常用漢字。

弥・彌
総画:【弥】8画【彌】17画

わたる。
あまねし。広く端までいきわたっている。

(漢字源より抜粋)

訓読みで、やと読む字。
ちなみに音読みは、ミ。

*弥は1951年に人名用漢字に追加され、2010年に常用漢字に。彌も名前に使うことができる字。


総画:9画

1.かな。
2.や。か。
4.はじめて。やっと。

(漢字源より抜粋)

訓読みで、やと読む字。
助辞として使われることが多い字。
副詞として、はじめて、やっとの意味も。

*1951年に人名用漢字に追加。

メと読む字

音読みでメと読む字


総画:8画

いちご。ばら科の一群の植物の総称。

(漢字源より抜粋)

夏に実が成ることから夏の季語とされています。

*2004年に人名用漢字に追加。

参考:【名付け】苺 という字は名前に良い?良くない?

梅・梅
総画:【梅】10画【梅】11画

うめ。木の名前。ばら科の落葉高木。

(漢字源より抜粋)

梅は春に花を咲かせることから、春の季語とされています。しかし、夏に実が成ることからか梅雨からか、梅月(ばいげつ)は5月の異称として用いられることがあります。

*梅は常用漢字。梅も名前に使える字。

訓読みでめと読む字


総画:3画

おんな。
むすめ。

(漢字源より抜粋)

*常用漢字


総画:8画

1.め。草木のめ。
2.め。きざし。物事のおこり。

(漢字源より抜粋)

近年、メイという響きが女の子に大人気で、2020年に発表された明治安田生命の名前ランキングでによると、メイの表記は、この字を用いた芽依が一番人気。

*常用漢字。

参考:芽という字の意味は?なぜ牙が入るの?

その他

萌・萠
総画:【萌】11画【萠】11画

きざす。芽が出る。

(漢字源より抜粋)

人名における特殊な読み方としてメと読むことがある字。
萌も萠も人名に使うことができる字。


総画:13画

いとおしむ。かわいくてせつなくなる。

(漢字源より抜粋)

人名において、愛でる(めでる)からメと読むケースがあります。2020年に発表された、明治安田生命の女の子に使用される人気の漢字ランキングで3位。女の子の名前に絶大な人気を誇る字。

*常用漢字。

参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/sp/enjoy/ranking/index.html

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