【名付け】翡翠 とはどういう意味のある言葉?

翡翠 とはどのような意味のある言葉なのでしょうか。

そもそもこの名前の人は存在するのでしょうか。

ひすい【翡翠】

1.カワセミの異称、雄を「翡」、雌を「翠」という〈季語:夏〉
2.鳥の尾の長い羽。
3.カワセミの羽の色のように美しくつややかなもののたとえ。美しくつややかな頭髪。
4.玉の一。鮮やかな翠緑色を呈し、緻密で光沢がある。

(広辞苑第五版より抜粋)


翡翠の意味は、鳥の名前、また玉の名前。

みどりは新芽のように若々しいの意味合いがあるために、嬰児(みどりご)という言葉があります。このように若々しくてつややかの意味で、緑の黒髪という言葉がありますが、翡翠も同じようにつややかな髪の意味で用いられるようです。

ただ、よくよく調べてみると、宝石の翡翠の色は緑に限らないようです。


総画:14画
音読み:ヒ、ビ

《意味》
はっとするほど鮮やかな色の羽。「翡翠(水辺にすむ小鳥の名。全身に青緑色の美しい羽毛をもつ。かわせみ。雄を翡、雌を翠という。また、宝石の名。)」

《解字》
会意兼形声。「羽+(音符)非(尋常でない、ぱっと目のさめるような)」

(漢字源より抜粋)


総画:14画
音読み:スイ 訓読み:みどり
《名付け》あきら

《意味》
よごれのないみどりの羽。「翡翠(水辺にすむ小鳥の名。全身に青緑色の美しい羽毛をもつ。かわせみ。雄を翡、雌を翠という。また、宝石の名。)」
翡翠のような青緑色。山・草・葉などのよごれない青みどりのもの。青みどりの。

《解字》
会意兼形声。「羽+(音符)卒(小さい、よけいな成分を去って小さくしめる)」。からだの小さくしまった小鳥のこと。また、よごれを去った純粋な色。

(漢字源より抜粋)

翡ははっとするほど鮮やかな色の羽のこと。
翠はみどりの羽。


では、この字は日本人の本名に用いることができるのでしょうか。

翠は名前に使うことができるのですが、翡は名前に使うことができません。

第二次世界大戦後の1948年頃に、日本人の本名に使える漢字は常用平易なもの、具体的には常用漢字に限るという規制が設けられるようになりました。ただし、苗字や既に付けられた名前については規制の対象外です。とはいえ、常用漢字だけでは名前に使える字が少なすぎるということで、1951年頃からは、人名用漢字を定め、それも名前に使えるようになりました。1951年には92文字であった人名用漢字ですが、2020年現在863文字あります。

翠が名前に追加されたのは1976年のことです。
ただし、この時の翠の形は少し違いました。JIS規格の関係で1983年から翠の形に変更されました。

現在、翡は、常用漢字でもなければ人名用漢字でもないので、本名(*日本人の下の名前)に使うことはできません。

どうしても使いたいという場合は、裁判を起こす必要があります。翡が入る名前を付けたいと翡が入る名前で出生届を役所に提出しても受理されないので、それを不服として裁判を起こすことになります。

裁判の間、子は無戸籍になるのかといえば、そんなことはありませんが、名無しになります。出生届は、名前を書かなくても受理されるからです。裁判の結果が出てから、追完届を提出し、名前の部分を補完します。

参考:人名用漢字に「渾」追加 司法判断を受け法務省: 日本経済新聞 (nikkei.com)

つまり、日本人で翡翠を本名(下の名前)に持つのは、1948年より前に生まれた人たち。

ただ、翡翠かどうかはわかりませんが、何かの手違いで、下の名前に常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を使っているのに、出生届が受理されてしまったケースが存在するのではないかと囁かれています。

消えた年金記録問題など公的機関の不具合は時々報道されています。名前に使える漢字を制限するようになって70年以上も経っているのでこの間に何らかのミスがあってもおかしくはありません。

一応探してみましたが、翡翠という名前を持つ有名人を見つけることはできませんでした。

ちなみに、中国ではこのように発音するようです。他の漢字文化圏でも翠を名前に持つ人は見つけられましたが、翡を名前に持つ人は見つけられませんでした。
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