愛という字は、漢和辞典で調べると、
音読みで、アイ、オが出てきます。
訓読みで、いとおしむ、いとしむ、めでる、おしむ、という読み方もありますが、一般的な読み方は音読みのアイくらいです。
名前に使う特別な読み方として、アキ、サネ、チカ、チカシ、ツネ、ナリ、ナル、ノリ、ヒデ、メグム、ヤス、ヨシ、ヨリがあります。
諸説ありますが、一説には、“人が胸をいっぱいに詰まらせて、後ろにのけぞったさま”をあらわす字と言われています。下の夂という字には足が進まないという意味があるので、その上に心が乗っていることでそのようにも見えますね。
ところで、愛媛でエと読んだり、愛娘でマナムスメと読んだりしますが、これはいったいどういうことでしょうか。漢和辞典には載っていない読み方です。
実は、愛=エも愛=マナも“接頭語”という特別な使い方です。
愛(え)は名詞の前にくっついて“愛すべき”を意味する言葉。古典には“えをとこ(えおとこ=愛少男)”、“えをとめ(えおとめ=愛少女)”という言葉が出てくるのですが、前者は良いおとこ・いとしい男、後者はいとしい少女・美しい少女を意味します。
また、愛=マナは名詞の前にくっついて“称美”、“親愛”を意味する接頭語です。愛娘は最愛の娘、愛弟子でかわいがっている弟子を意味します。
つまり、愛=エは愛媛に限定した読み方ではないようです。
ちなみに、愛媛が意味する“愛すべき媛”とはどなたのことか、それは判然としないようです。
苗字との相性は?