【ベルギー王室】隠し子騒動 隠し子は後継ぎになれないの?

英国王室がハリー王子の離脱で揉めている中、ベルギー王室ではごたごたがやっと決着。しかし・・・。

 【ブリュッセル時事】2013年に生前退位したベルギーの前国王アルベール2世(85)は27日、認知をめぐって法廷で争っていたベルギー人アーティストの女性デルフィーヌ・ボエルさん(51)を実の娘だと正式に認めた。

裁判所が命じたDNA鑑定の結果、言い逃れできない状況に追い込まれた。

地元メディアによると、前国王は弁護士を通じて声明を出し、これ以上争う意思のないことを表明。デルフィーヌさんをめぐっては「誕生以来、家族や社会、教育上の決定に関わったことは一切ない」とも強調した。

デルフィーヌさんは長男のフィリップ現国王から数えて4番目の子に当たるが、王位継承の対象とはならない。

隠し子疑惑が明るみに出たのは1999年。デルフィーヌさんは13年に認知を求めてブリュッセルの裁判所に提訴した。その後の係争を経て昨年5月にDNA鑑定を拒否すれば1日5000ユーロ(約60万円)の罰金を科すという司法判断が出され、前国王は鑑定を受け入れた。

時事通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200128-00000041-jij-eurp

ベルギーの前国王アルベール2世(85)は27日、ベルギー人の芸術家デルフィーヌ・ボエル氏(51)について、不倫によってできた実の娘だと認めた。裁判所に命じられて受けたDNA検査が陽性だった。
ボエル氏は10年以上にわたり、アルベール2世が自分の父親だと主張してきた。

アルベール2世は2013年に健康上の理由で生前退位。それにより不訴追特権を失ったため、この件は法廷で争われていた。

アルベール2世の弁護団は27日に発表された声明で、「前国王はDNA検査の結果と(中略)科学的な結論として、自分がデルフィーヌ・ボエル氏の生物学的な父親だと示していることを知った」と説明。

前国王は2013年以降続いていた法廷闘争を中止すると共に、「デルフィーヌ・ボエル氏が4人目の子供だと認めた」という。

一方ボエル氏の弁護人はRLTテレビの取材で、「ボエル氏は自分のアイデンティティーを探し求め、そのために長く悪夢のような人生を送ってきた」と述べた。

マルク・ウイッテンデレ弁護士はさらに、「ボエル氏の生物学上の父親は、自分が父親かもしれないと公になった時、彼女を非情に拒絶した」と前王を批判。ボエル氏が訴訟に踏み切ったのは、「自分の子どもに同じ負担を負わせたくなかったからだ」と話した。

ブリュッセルの控訴院は昨年5月、アルベール2世に対し、DNA検査を1日拒否するごとに5000ユーロ(60万円)の罰金を支払うよう命じていた。

■ベルギー王室の「隠し子騒動」

アルベール2世に隠し子がいるといううわさが最初に浮上したのは1999年で、妻パオラ妃の非公認伝記で明らかになった。疑惑はたちまち王室スキャンダルとなり、ベルギーでは長年にわたりマスコミの注目を浴びてきた。

アルベール2世が自分の父親だとボエル氏が表立って主張したのは、2005年に受けた取材が最初だった。

ボエル氏の母親シビル・デ・セリス・ロンシャン女男爵は、アルベール2世が即位する以前の1966年から1984年にかけて、不倫関係にあったと主張している。

1993年に兄ボードゥアン1世が62歳で亡くなったため、アルベール2世が国王となった。

アルベール2世は2013年7月に健康不安を理由に退位し、長男のフィリップが後を継いだ。前国王は現在、年間100万ユーロの収入を得ているという。

アルベール2世が退位した直後、ボエル氏は認知訴訟を起こした。

前国王は昨年、2018年に裁判所が命じたDNA検査を拒否し、控訴していた。

裁判所は当初アルベール2世に対し、DNA検査に使う唾液を3カ月以内に提出するよう要請。提出がない場合はボエル氏が実の娘だと推定し、相続人の資格を持つ可能性があると説明していた。

ベルギーは立憲君主国で、国王は儀礼的な役割を担っている。

■アルベール2世とは

・1934年に、国王の次男として生まれる。王位継承権は2位だった
・1959年、イタリア公爵家のパオラ・ルッフォ・ディ・カラブリアさんと結婚
・2人の間には2男1女の3人の子どもがいる
・兄ボードゥアン1世の死を受け、1993年8月にベルギー国王となった
・2010~2011年にベルギーが政治的空白に陥った際には、立憲君主の役割の一環として政治に介入した
・2013年に生前退位

(英語記事 DNA test forces Belgian ex-king to admit paternity)

(c) BBC News
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200128-51276027-bbc-int


↑現ベルギー国王。フィリップ王(1960~)。在位は2013~。ベルギーは現代に国民的君主制をとる唯一の国らしい?

欧州はクリスチャンが多い地域。宗教的に一夫一婦制なので、王侯貴族の間では、正式に教会で神に誓った夫婦の子でなければ後継と認めないというケースが少なくありません。

ベルギーの国王はカトリックを信仰しているようですが、カトリックといえば特に男女間のことに厳しいことで有名。離婚や死別以外の再婚を認めないなど(現代ではDVなど特別な理由があれば、離婚にも寛容になってきていると言われますが)。

この場合も、女性は正式に結婚した夫婦の子ではないという理由で王位継承権は持つことはなさそう。

女性の母親の名前は、シビル・デ・セリス・ロンシャンといって男爵の家系に生まれた人。

つまり、女性は名家の血を引いているので、今更“国王の娘”という肩書が欲しかったわけではなく、自身のアイデンティティを確立したいという気持ちが強かったようです。

地元メディアによると、前国王は弁護士を通じて声明を出し、これ以上争う意思のないことを表明。デルフィーヌさんをめぐっては「誕生以来、家族や社会、教育上の決定に関わったことは一切ない」とも強調した。

しかし、7年も裁判。娘と認めたのも渋々といった様子です。

身に覚えがないってこともないだろうからキッパリ認めてしまったらよかったのに。

どうにも後に引けなくなっちゃったのかしら?

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↑エリザベート王女(2001年~)。王位の継承に関して、男子優先の原則が外されてから生まれたベルギー国王の第一子長女なので、王位継承順位第一位。弟・王子が2人(ガブリエル王子・エマニュエル王子)と妹・王女が1人(エレオノール王女)。

アルベール2世といえば、モナコ公。婚外子が2人いるらしく、SNS上では名前が一緒だけに連想する人が続出。アルベールはAlbertと綴りますから、欧州ではアルバート、アルベルトなど発音はいろいろですが良くある男性名の一つ。とはいえ2世まで一緒とは。


↑アルベール2世(1958~)。在位は2005年~。

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