コロナウイルスの一方で香港はどうなった?

2019年に、香港民主化デモが発生。

2019年春に香港で、逃亡犯条例改正案が出され、これは、容疑者の身柄引き渡し手続きを簡略化し、中国大陸、マカオ、台湾にも刑事事件の容疑者を引き渡しできるようにするというものでしたが、香港の自治制度が揺らぐのではないかと反対するデモが発生しました。

この改正案はのちに撤回されたものの、デモは続きました。

コロナウイルスの流行により、現在は一時落ち着いています。

しかし、今度は中国本土との境界を完全封鎖するべきだとストが起きました。これは民主化デモと結びついているのではないかとも言われています。

香港の医療ストが本格化 キャセイ航空もスト計画

【香港=藤本欣也】香港の看護師や医師らは4日、新型コロナウイルスの感染者の流入を防ぐため、中国本土との境界の完全封鎖を求めてストライキを続行した。香港政府によると、参加者は前日の約2700人から約4400人に増え、医療現場で混乱が起きている。ストは7日まで予定されているが、事態収拾のめどは立っていない。

4日、九竜地区のクイーンエリザベス病院前にはストに参加した医療関係者が集まり、完全封鎖などを求めるプラカードを掲げた。

男性看護師(28)は「申し訳ないと思っている。でも、香港の全ての人々が大きな感染リスクにさらされる事態だけは防がないといけない」と話した。

40代の女性患者は「内臓を患っていて抵抗力が落ちています。感染がとても怖いので完全封鎖に賛成です」とストへの理解を示したが、60代の男性は「香港が一致団結すべきときなのに、ストをするなんて信じられない」と批判した。

政府によると、4日は看護師約2500人、医師約360人を含む計約4400人が欠勤した。労働組合側は7千人以上がストに参加したとしている。林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は同日、「新生児や救急の医療、病棟管理など多くの業務に影響が出ている」と述べた。一部の手術が延期されたという。

香港ではこのほか、キャセイパシフィック航空傘下のキャセイドラゴン航空でも、客室乗務員らが中国本土便の運航停止を求めてストを計画している。

2月4日 産経新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200204-00000599-san-cn

これを受けて、検疫が始まり、ストは停止。

香港、新型肺炎の強制検疫スタート 「ニセ隔離」批判も

【香港=藤本欣也】新型コロナウイルスによる肺炎患者が増えている香港で8日、中国本土からの入境者全員に2週間の検疫を義務付ける防疫策がスタートした。ただ、発熱など症状のない香港市民や中国本土出身者は原則、隔離施設ではなく、自宅やホテルでの滞在が認められた。2週間外出を禁じられ、違反した場合、最高2万5千香港ドル(約35万円)の罰金および禁錮6月が科せられるが、未発症者から感染したケースもあり、「ニセ隔離措置だ」(民主党議員)などと批判の声が上がっている。

一方、中国本土との境界封鎖を求めて3日からストライキを行っていた看護師や医師らは8日、職場の各病院に復帰した。労働組合側はスト最終日の7日、政府が要求を拒否し続けているとして、ストを延長するかをめぐり投票。結局、スト終結が決まった。

また香港当局は8日も、5日に入港したクルーズ船「ワールド・ドリーム」の乗員乗客約3600人の下船を許可せず、検疫を続けた。

2月8日 産経新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200208-00000567-san-cn

しかし、またしても不十分だと抗議デモが起きたようです。

新型肺炎、香港の隔離措置に抜け穴 指示守らず買い物へ

新型コロナウイルスによる肺炎が広がる香港で、中国本土から入境した人を2週間隔離する措置に「抜け穴」が多いとの批判が高まっている。買い物に出かける人がいると報じられるなど、当局の監視の緩さや隔離の効果を疑問視する声が続出。民主派の立法会(議会)議員らは9日、政府に対する抗議デモを実施した。

香港紙・明報によると、隔離措置が導入された8日、妻とともに香港に戻った男性は取材に「中国本土では外出しなかったので感染していない」と強調。記者が追跡すると、男性は隔離場所である自宅へは直行せず、夫婦でバスや電車に乗り、卵や野菜などの買い物をした。そのため、入境から2時間以内に隔離場所(自宅)に到着するとの指示を守らなかったという。

また、中国本土から香港に戻った別の男性は、今後について「通常通り出勤する。隔離に応じるつもりはない」と取材に話し、街へ消えていったという。

香港政府が発表した隔離措置では、発熱などの症状のない香港市民や中国本土出身者は原則、検疫施設ではなく、自宅やホテルでの滞在を認められている。ただし、2週間は外出が禁止され、違反すると最高2万5千香港ドル(約35万円)の支払いと禁錮6カ月の罰則が科せられる。

香港政府は入境者の一部を抽出し、抜き打ち訪問を実施するなどして、隔離措置を守っているか確認するとしている。ただ政府は入境者について「単に中国本土から来ただけで感染者ではない」と説明し、全員への確認作業は不要との立場だ。これに対し、民主派は「ニセ隔離措置」と批判している。(香港=益満雄一郎)

2月10日 朝日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200210-00000001-asahi-int

香港の状況はまだ落ち着いたとは言えないようです。

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