最近、湊という名前が男の子に人気。
ところで、みなと とはどういう意味のある言葉なのでしょうか。
みなと の意味は?
国語辞典にはこのように載っています。
みなと【港・湊】
1.河海などの水の出入り口。
2.湾や河口を利用し、また防波堤を築いて、船が安全に碇泊できるようにした所。(広辞苑第五版より抜粋)
漢和辞典にはこのように載っています。
湊
画数:12画
音読み:ソウ、ス 訓読み:みなと《意味》
1.みなと。水上航路のあつまってくるみなと。
2.あつまる。多くのものがそこへしぼられたようにあつまる。(漢字源より抜粋)
港
画数:12画
音読み:コウ 訓読み:みなと《意味》
1.みなと。船の出入りするみなと。また、船の出入りする水路。《類義語》
津は、浅瀬の船着き場。湊(ソウ)は、水路の集中するみなと。(漢字源より抜粋)
湊は水があつまってくるところ、港は水上の通路というイメージでしょうか。
人気が急上昇
大地を意味する陸が人気を博す中で、水辺のイメージのある湊も人気。
明治安田生命の名前ランキングでは1925年から2003年までは表記のみを考慮したランキングを10位まで発表していましたが、2004年からは100位まで公表するようになりました。また、2004年からは表記のみを考慮したランキングの他に、読み方のみを考慮したランキングも発表するようになりました。
その2019年の明治安田生命の男の子の名前ランキングによると、湊の表記が4位、読み方のランキングでミナトが4位になりました。
同年の男の子の名前に使用される人気の漢字ランキングで湊は14位。
2019年に調査対象となった男の子は8455人ですが、そのうち湊と表記する名前の男の子が35人、ミナトという響きを持つ名前の男の子が119人。
同じく明治安田生命の名前ランキングの過去データを見てみると、2011年頃から人気が出たことが分かります。
女の子の名前ランキングには登場しないので、男の子に大人気の名前と言えるでしょう。
年 | 湊の 順位 |
占有率 | ミナトの 順位 |
占有率 |
2008年 | 72位 | 0.11% | 欄外 | – |
2011年 | 14位 | 0.25% | 20位 | 0.63% |
2012年 | 5位 | 0.41% | 22位 | 0.68% |
2013年 | 4位 | 0.51% | 15位 | 0.88% |
2014年 | 6位 | 0.46% | 23位 | 0.78% |
2015年 | 5位 | 0.44% | 21位 | 0.77% |
2016年 | 9位 | 0.32% | 19位 | 0.79% |
2017年 | 4位 | 0.41% | 7位 | 1.14% |
2018年 | 2位 | 0.56% | 4位 | 1.26% |
2019年 | 4位 | 0.41% | 3位 | 1.41% |
(*欄外とは51位以下の名前という意味。)
では、ミナトという響きで人気の表記とはどれでしょうか。
トップ3は以下の通り。
名前 | 人数 |
湊 | 33人 |
湊斗 | 22人 |
湊人 | 13人 |
シンプルに湊が一番人気。
湊という名前のイメージは?
検索して出てきた湊のイメージ。
〇苗字で見かける
湊という苗字の人は推定18000人で、日本で1013番目くらいに多い苗字なのだそうです。
参考:なまえさあち
〇十三湊など地名でよく見る
〇港の猥雑なイメージ
〇女はミナト? 男は船 女は港
あちこちを飛び回る男性と港で待つ女性と。現地妻という言葉もありますね。
湊という名前の人気が出たのは目新しさが理由?
湊という字が人名用漢字に入ったのは2004年のことです。常用漢字表にないので、地名や人名といった固有名詞を除いて、一般に湊ではなく港の文字が使われることが多く、目新しい印象があるのかもしれません。
なお、戦前は今と法律が違うため、人名に使える漢字に制限はありませんでした。
つまり、戦前から存在する苗字であれば、制限がないころに作られていますから、苗字に湊の文字を持つ人は当然いますし、また、戦前生まれで、下の名前に湊の文字が入る人がいるかもしれません。
改名したなどさまざまな事情を持つ人がいますが、本名で、下の名前に湊の字が入る人は、戦前生まれと2004年以降に生まれた人がほとんどです。
半世紀以上、下の名前に使うことができなかったので、目新しい印象を与えるのかもしれませんね。
さらには、結など人と人との結びつきを意味する字が人気なので、水や人が集まるところを意味するミナトの人気が高まったのかもしれません。
また、ミナトという優しい音感から女の子に付ける人も時折いるようです。3音でトで終わる名前といえば、ハルトやヒロトなど男性によくいますが、しかし、チサトやミサトなど3音でトで終わる名前の女性も存在しているので、その一種という印象なのでしょう。
けれども現状では圧倒的に男の子に人気の名前です。
参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/sp/enjoy/ranking/index.html