キラキラネームの人はいっぱいいるから将来を心配しなくてもいい?

一時期、キラキラネームという言葉が流行りました。

従来にはなかったユニークな名前を指す言葉です。

今の子ってキラキラネームばっかりなんでしょ?

まあ!そんなことないわよ。


海外でもキラキラネームはブーム?

キラキラネームが社会問題化している国もあるようです。

とある階級制度の名残が強く残る国では名前だけでどういう生まれの人かわかってしまうことがあるそう。

上流階級は超保守的。親族の口出しもあるので、親が希望しても独断で個性的な名前を付けることは困難。

中流階級は基本的に上流階級に憧れがあるので、上流階級と同じ。保守的な名前の付け方。

キラキラネームや、呼びたい愛称のまま名付けるのは(日本でいうとミズホではなくミズのような。あくまで例ですが)、社会の底辺層、目立ちたがりの芸能人やスポーツ選手等に限られるそう。

日本でもある程度そういう傾向はあるかもしれません。一部のいわゆるエリート層が難解な名前を付けていたりするので必ずしもそうとは言えませんが。

人気の名前は?

今のトレンドはどうやら響きは普通で、凝った漢字表記にするというもの。

明治安田生命の名前ランキングによると、

男の子の名前で最も人気がある響きはハルト。

読み方を無視した漢字表記のランキングで1位の蓮の占有率が0.73%に対して2.48%
ハルトの漢字表記は多種多様なので、人と差別化できることが人気の秘密かもしれません。

ハルトというとどういう漢字表記を思い浮かべますか?

ハルトの占有率は2.48%
調査対象である2019年生まれの男の子8455人中208人。人数とはそのうちの数を表します。

順位 名前 (人数)
1位 陽翔 28人
2位 陽斗 15人
遥斗
4位 晴翔 9人
悠人
晴斗
悠斗

え?こんなに表記がバラバラなの?

そうね。
とりあえず上位4位まで抽出してみたけれど、4位以内に入る名前の人数を合算しても94人。208人いるので114人はまた別の漢字表記よ。

2位のソウタの占有率は1.51%
調査対象である2019年生まれの男の子8455人中128人。人数とはそのうちの数を表します。

順位 名前 (人数)
1位 颯太 18人
2位 颯汰 15人
蒼大
4位 奏太 14人
5位 蒼太 13人

3位のミナトの占有率は1.41%
調査対象である2019年生まれの男の子8455人中119人。人数とはそのうちの数を表します。

順位 名前 (人数)
1位 33人
2位 湊斗 22人
3位 湊人 13人
4位 湊翔 6人

本当に種類が豊富なんだね。

では、女の子の名前では?

1位のメイは占有率1.38%
調査対象である2019年生まれの女の子8407人中116人。人数とはそのうちの数を表します。

順位 名前 (人数)
1位 芽依 32人
2位 芽生 20人
3位 芽衣 13人

2位のヒマリの占有率は1.28%
2019年生まれの女の子8407人中108人。人数とはそのうちの数を表します。

順位 名前 (人数)
1位 陽葵 32人
2位 ひまり 13人
3位 日葵 8人
陽茉莉

3位のハナの占有率は1.27%
2019年生まれの女の子8407人中107人。人数とはそのうちの数を表します。

順位 名前 (人数)
1位 はな 26人
3位 7人
花菜

個性的な名前を付けると、一般的な名前として受け入れられることはない?

個性的すぎる名前はいつまでたっても“個性的すぎる名前”、“風変りな名前”の括りに入ってしまう可能性があります。

個性的な名前と言われた著名人たち。

森鴎外の子
森於菟(もり・おと) 医学者 1890年生まれ
小堀杏奴(こぼり・あんぬ) 随筆家 1909年生まれ

園田天光光(そのだ・てんこうこう) 日本初の女性代議士 1919年生まれ
妹が3人おり、そのうち2人の名前は天星丸(てんほしまる)と天飛人(あまひと)

江崎玲於奈(えさき・れおな) ノーベル物理学賞受賞者 1925年生まれ

与謝野鉄幹と与謝野晶子の子
四男:アウギュスト(後に改名?)
五女:エレンヌ

随分な月日が流れましたが、今もなお一般的な名前とはなっていないと思います。

目新しい名前がなじむための条件

一方で、森鴎外の子でいえば、森類(るい)の類、森茉莉(まり)の茉莉は現代ではある程度受け入れられたように思います。

しかし、明治生まれの日本人男性で類というと物珍しい印象を受けます。

茉莉に関して言えば、もともと一般女性の名前といえば2音が多かったこと(ウメ、キク、ハナなど)、鞠(まり)という日本語があることを踏まえて考えれば、マリに茉莉の字を当てたことは斬新だったかもしれませんが、当時からしてもそれほど奇抜な名前ではなかったかもしれません。

結局のところ、数が増えれば一般的な名前と化します。

たとえば、かつては子で終わる名前は身分ある女性に限られていましたが、大正辺りから高貴な女性に憧れて、一般的な家庭に生まれた女性にも子を付けるようになり、それが一大ブームとなったと言われています。

ブームの始まりは、庶民のくせにと思う人もいたかもしれませんが、数が増えた今では全く問題なく受け入れられています。
何なら一般家庭に生まれた女性に子が付く名前を付けることをお上品、伝統的なんて言い出す人もいるくらいです。

また、ハルトで1番人気の漢字表記は陽翔。

ただ、一般的な漢和辞典では、翔の訓読みはカケル。
しかし、司馬遼太郎の『翔ぶが如く(とぶがごとく)』からか、あるいは飛翔の翔だから飛と意味が似ていて問題ないと判断したのか、翔をトブと読ませ、そこから翔をトと読ませる名前が現れ、人気となりました。

昔は全くいなかったとは言いませんが、平成に入ってから次第に人気が出た名前です。
翔で終わる名前が初めて10番以内に入ったのは2003年のこと。ちなみに、2003年のランキングでは2位が翔、3位が大翔、4位が翔太で翔の字が大人気。
実は、翔が入る名前というのは昭和後期からずっと人気がありました。とはいえ人気があったのは翔や翔太(平成初期頃には翔平も)。それが2003年ころからイメージを刷新した〇翔へと変化していきます。2019年も翔の字は名前に使われる人気の漢字ランキングの男の子部門で2位です。

大翔の読み方はヒロト、ダイショウ、タイショウなどとバリエーション豊富。
しかし、トで終わる名前や、翔の字の人気がずっと続いているということを考えれば、もはや翔でトと読ませる名前は一般的な名前と化しているのかもしれません。

ヒマリという名前も近年まではあまり聞くことがなかった名前ですが、2010年頃から人気が出始めました。
(ヒマリという名前が爆発的に人気になったワケ)
平成後期~令和に生まれた子からすると全く奇抜な名前ではなく、普通の名前としか思わないでしょう。もっとも、〇翔のようにブームが続かなければこの世代を象徴するような名前になる可能性もありますが。

奇抜な名前のメリットデメリット

一方で、仮に、日本人女性にユーフェミアという名前を付けることが大流行すれば馴染むかもしれませんが、ブームにならなければ、いつまでたっても“日本人としては物珍しい名前”止まりのマイナーな名前で、“今時普通”とは言われないでしょう。

今は変わった名前だけれどもいつかはごくごく普通の名前として受け入れられるはずだというのはあまり期待しない方が良さそうです。

もちろん個性的な名前は誰とも違うと気に入る人もいます。
特に難読の名前は、不審な人物から電話がかかってきた際に、名前を誤読されてしまい、そこから知り合いではないと判断できることから防犯に便利という人も。

しかし、目立って嫌だという人もいます。

今の時代、苗字と名前を検索しただけで、経歴などがすぐに特定されてしまうことも。

苗字が珍しいというのは仕方がないにしても、名前はほどほどにした方が良いでしょう。

苗字との相性は?

でも、個性的な名前ってカッコいいと思うんだ

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