巫という字が人名用漢字に追加されたのは、2015年のことです。
しかし、巫という字は名付けにふさわしい字なのでしょうか?
巫
総画:7画
音読み:フ、ブ、ム 訓読み:みこ、かんなぎ《意味》
みこ。かんなぎ。舞や音楽で神を招いて、神仕えをする人。(漢字源より抜粋)
巫(みこ)とは祈祷を行ったり、神意を伝える存在です。
かつては、男巫(おとこみこ)、女巫(おんなみこ)という言葉がありました。つまり、もともとは巫に性別を問うことはありませんでした。
また、明治時代頃までは、渡り巫女(歩き巫女)と呼ばれる女性がいました。
特定の神社に属さず、各地を祈祷して回った存在です。場合によっては男性と夜を共にすることもあったとか。
その一方で、斎王(いつきのみこ)といえば、伊勢神宮や賀茂神社に奉仕した未婚の皇族の女性を指します。
現代では、巫女は若くて清楚な女性がなるのものと考える人もいますが、それは斎王から来たイメージなのでしょう。
しかし、特に、神楽を舞うことのできる女性は、本職の巫女として、既婚で子供がいても、巫女として勤め続けることがあります。
そもそも巫というのは性別も年齢も既婚も子供の有無も問うようなものではないので問題はないはずです。
しかし、募集がほとんどないので、神社に嫁いだ女性か、神社に生まれた女性が手伝いという形で奉職していることが多いようです。
いろいろと調べてみると、巫というのは本来そんなに清廉な存在ではなく、生涯ともにする名前にするのは少し考えてしまいます。
ミコという音に関して言えば、皇子や皇女と同音ですし。
しかし、巫の古来のイメージは、現代ではほとんど払しょくされているので、関係なしと考える人もいることでしょう。