名前に颯という字を入れるのは良い?悪い? ソウ・ハヤと読むのは間違い?

今、男の子に颯という字を入れるのが大人気です。

2019年に発表された読み方の名前ランキングによると、男の子の名前に使用される人気の漢字ランキングで颯の字が14位。

では、颯とはどういう意味のある字なのでしょうか。


総画:14画
音読み:サツ、ソウ

《意味》
1.(サツたり){形容詞}風のさっと吹く様。
2.(サツたり){形容詞}さっさと動くさま。きびきびしたさま。
3.(サツたり){形容詞}やせほそるさま。衰えるさま。

《解字》
会意。「立+風」。さっと風のたつようすをあらわす擬態語。

(漢字源より抜粋)


総画:14画
音読み:サツ・ ソウ 訓読み:はやて

意味
1.風の吹くさま。
2.きよらかなさま。また、きびきびしたさま。
3.はやて。疾風。

(漢字ペディアより抜粋 https://www.kanjipedia.jp/kanji/0002601100)

颯の音読みはサツとソウ。

颯然(さつぜん)や颯爽(さっそう)など熟字ではサツと読むことばかりですが、実はソウとも読みます。これは美の音読みがビとミとあるけれども熟字ではビと読むことがほとんどであることと似ています。

男の子の名前にソウの響きを入れることが今人気です。

2019年の明治安田生命の名前ランキングによると、漢字表記を無視した読み方のランキングではソウタが2位、ソウスケが10位、ソウマが20位、ソウが46位となっています。

読み方のランキングは2004年から発表されていますが、特にソウタは2004年以来トップ10から外れたことがなく、2012年から2019年までずっとトップ3に入るなど大変な人気を誇っています。

ソウタの漢字表記で最も人気の表記は颯太。次点で颯汰。

漢字表記のみを考慮した名前ランキングでは、読み方のランキングほど占有率が高くはありませんが、颯真が20位、颯や颯太が22位、颯人や颯汰が35位、一颯が85位となっています。

一方で、颯の訓読みにハヤテがあります。時折颯でハヤと読む名前の人がいるのはハヤテを切ってハヤとしているのでしょう。

では、ハヤテとはどのような意味のある言葉かというと、国語辞典にはこのように載っています。

はやて【疾風・早手】

1.(「て」は風の意)急にはげしく吹き起る風。寒冷前線に付随することが多く、降雨・降雹などを伴うことがある。急風。陣風。しっぷう。はやち。
2.(昔はかかるとすぐに死んだからいう)疫痢の異称。

(広辞苑第五版より抜粋)

はげしく吹き起る風ということで、新幹線の名前にはなかなかぴったりだと思うのですが、人間の名前としてはどうなのでしょうね。

颯の良くない意味が強調されてしまうような気がします。

颯の字を使うならば音読みのサツかソウのどちらかが良いのではないでしょうか。

まれに我が子の名前に颯の字を使い、フウと読ませようとする人がいますが、風や楓と間違っているんじゃないかとか百姓読みとか揶揄されそうなのでそれはやめておきましょう。

また、ランキングにあった一颯とは何と読むのか調べてみたところ、イブキと読ませることが多いようです。
息吹が呼吸や活動の気配を意味することからの創作読みでしょう。

参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/read_best50/index.html

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