凪という字が入る名前を、近年見かけるようになりました。
凪という字が人名用漢字に入ったのは1990年(平成2年)のこと。ただし、戦前は今と法律が違うため、名前の表記に制限はありませんでした。
つまり、本名(下の名前)に凪の字が入る人は戦前生まれと平成以降に生まれがほとんどということです。
*改名したなどの理由で、必ずしもそうではない可能性があります。
凪とはどのような意味のある字なのでしょうか。
凪
<国字>
総画数:6画
訓読み:なぎ、なぐ《意味》
なぎ。なぐ。風がやんで海が静かになること。《解字》
会意。風の略系と止とをあわせたもので、日本製の漢字。(漢字源より抜粋)
凪という字は、物珍しい日本生まれの漢字。日本生まれの字のため、音読みはありません。名詞のナギか、動詞のナグとしか読みません。
凪という字が人名用漢字に入ったのは平成。
まだまだ見慣れない人も少なくないようで、賛否両論あります。
まとめてみました。
・風がやむ。酷暑、停滞を連想。
・ナギの響きが女性名にも男性名にも奇抜な印象。
・法律上、下の名前に使われなかった期間が長いので現代的な印象。
・静けさ、穏やかさ、安寧をイメージ。
凪という字を具体的なものとして捉えるか、抽象的に捉えるかで印象が異なるようです。
凪という字を名前に使う人は、安、寧、静などのイメージで付けているのかもしれません。
また、近年は、ナの響きに凪の字を当てることもあるようです。
夕凪でユウナなど。人名に凪だけでも奇抜な印象を受ける人がいるくらいですから、凪でナは読みにくい、風変わりな名前と捉えられることでしょう。
一方で、コナリミサトによる『凪のお暇』(なぎのおいとま)という漫画作品が大ヒットし、2019年に実写ドラマ化されました。
主人公の女性の名前が大島凪(おおしま・なぎ)。
これから凪という名前はもっと人気が出るかもしれませんね。
ちなみに、明治安田生命の名前ランキングによると、
2018年、凪は女の子の名前で74位。
2019年、凪は男の子名前で63位、女の子の名前で36位
となっています。
2019年生まれには大人気というわけでもなさそうですが、男の子にも女の子にもそれなりに人気がある名前のようです。
参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/