今人気。葵という字を名前に使うのは良い?悪い?

葵という名前が今大人気。

2019年の明治安田生命の男の子の名前ランキングによると、葵の表記が72位に、葵翔の表記が85位に、また、アオイの響きが16位に入っています。

同年の明治安田生命の女の子の名前ランキングによると、陽葵の表記が2位に、葵の表記が12位に、日葵の表記が83位に、また、アオイの響きが12位に入っています。

また、葵は女の子の名前に使用される漢字ランキングで17位。

男の子でも女の子でもアオイの響きは人気があります。

では、葵とはどういう植物なのでしょう?

まず、葵という漢字について。

画数:12画
音読み:キ、ギ 訓読み:あおい
名乗り読み:まもる

意味は、植物のあおい。

一説には草冠と癸(コンパス、くるくる回る)を合わせた字。

実は、葵が指す植物はたくさんあります。

たとえば、アオイ科のタチアオイやフユアオイ。

アオイ科の植物は古く平安時代に中国大陸から渡来したと考えられています。

元は葵と言えばフユアオイを指し、次第にタチアオイを指すようになったとか。

一方で、有名なのが葵祭(あおいまつり)。古来、祭といえば葵祭であったといいます。葵祭は、京都の下鴨神社(賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ))と上賀茂神社(賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ))の祭で、陰暦で4月、今では5月15日頃に行われます。葵祭に使われる葵はフタバアオイです。

葵(あおい)は、旧仮名遣いで「あふひ」。「ひ」とは神霊を表すことから、「神と逢うこと」、また、「逢う日」と解釈されています。「あふひ」は、神と人を結ぶ草として古来から大切にされてきました。

アオイと付きますが、フタバアオイはアオイ科の植物ではなく、ウマノスズクサ科の植物で、日本の固有種です。

賀茂社の神紋の賀茂葵はフタバアオイに由来し、種々の紋へと変形していきました。
「この紋所(もんどころ)が目に入らぬか!」の決め台詞で有名な時代劇『水戸黄門』でいつも見せびらかしている徳川の紋もこの賀茂葵(フタバアオイ)の葉に由来しています。

また、葵は、夏の襲(かさね)の色目の名前にもなっています。

名乗り読みにある“まもる”と読む人物では重光葵(しげみつ・まもる)が有名。終戦時にミズーリ号で無条件降伏の調印をした外交官。

↓フユアオイの花。名前の通り冬の植物。

↓タチアオイの花。夏らしい印象。

↓フタバアオイの花。独特です。

また、向日葵(ひまわり)から葵をもらって名付ける人もいるようです。ちなみに向日葵はキク科。

私の中で、葵といえば、水戸黄門の「この紋所が目に入らぬか!」のイメージでした。見たこともないのに、不思議とセリフと下りだけは知っていて葵の御紋のイメージ。

しかし、たぶん徳川家と葵人気は関係ないでしょうから、

夏生まれの女の子に葵と名付けるなら、タチアオイやひまわりの明るい花、男の子なら、フタバアオイの元気な葉をイメージしているのでしょうか。

検索してわかったのですが、集合体恐怖症の人は向日葵を嫌うようです。あの真ん中の茶色いところがダメなんでしょうね。

何はともあれ、葵という植物が古来から愛されてきたことは間違いないようです。

参考:
https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/index.html

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