昨今、女の子にひらがな・カタカナの名前が人気。
と言われていますが、本当でしょうか?
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2004年の名前ランキング
2004年に発表された明治安田生命の名前ランキングからの抜粋。
順位 | 名前 | 占有率 |
1位 | さくら | 0.88% |
10位 | ひなた | 0.32% |
25位 | こころ | 0.23% |
43位 | くるみ | 0.18% |
61位 | ほのか | 0.16% |
82位 | みずき | 0.14% |
と、100位中、ひらがなの名前は6!
2019年の名前ランキング
2019年に発表された明治安田生命の名前ランキングからの抜粋。
順位 | 名前 | 占有率 |
11位 | さくら | 0.37% |
15位 | はな | 0.31% |
25位 | ひなた | 0.25% |
29位 | すみれ | 0.24% |
49位 | ひかり | 0.17% |
54位 | ひまり | 0.15% |
〃 | つむぎ | 〃 |
83位 | あかり | 0.12% |
98位 | こころ | 0.11% |
〃 | ひより | 〃 |
と、100位中、ひらがなの名前は10!ちなみにパーセンテージは全体の占有率を指します。
名前ランキングは100位までしか発表されないので、全体としてひらがなの名前がどれほど入っているかはわかりませんが、100位以内に入る名前に限って言えば、少し増えたのかもしれません。
ひらがな・カタカナの名前はお年寄り受けしない?
ひらがなは女手(おんなで)とも呼ばれます。
もともと、和歌などは除いて、ひらがなは主に女性が使う文字でした。
一方で、漢字は男手(おとこで)とも呼ばれます。
男性でひらがなの名前の人をあまり見かけないのはそういう理由です。
かつては、女性にひらがなの名前を付けるのは、学がなくても書けるからという男尊女卑の思想が根底にあったようです。のちに、義務教育が始まると、学校でまずカタカナから習い始めるので、家の事情等で早くに学校をやめても名前だけは書けるようにと女性にカタカナの名前をつける風潮になっていったともいわれています。
そうしたことから、昔の女性の中には漢字の名前を通称名として使いたがる人が少なからずいました。ちなみに、子が付く名前が流行り始めたのは、明治~大正期にかけてのことです。それまでは子が付く名前は良家の子女にしか名付けられない特別な名前でしたが、それに肖って、一般の女性にも子を付けることが大流行しました。そのため、通称名として本名に子を付ける人もいたようです。
津田梅子の最初の名前は、むめ(*梅のことをむめとも表記します)
荻野吟子の本名は、ぎん
田村俊子の本名は、とし
野上弥生子の本名は、ヤヱ
伊藤野枝の本名は、ノヱ
であったと言われています。
もちろん、現代日本において、ひらがな・カタカナの名前に男尊女卑の考え方はないでしょうし、年齢で十把一絡げに語ることはできませんが、今なお、ひらがなやカタカナの名前に良い印象を持てない方々もいるようです。
ひらがな・カタカナの名前のメリット・デメリット
ひらがな・カタカナの名前のメリット
◇日本独自のものなので日本人とわかりやすい
ひらがな・カタカナは日本独自のものなので、それだけで日本人とわかります。
サインの偽造がしにくいともいわれます。
◇名簿等で探しやすい
漢字の名前がズラリと並ぶ中で、ひらがな・カタカナの名前はすぐに見つかります。
◇読み間違えられない
かほりと書いて、カオリと発音する人もいるので、間違えられる可能性のある名前も存在していますが、そういった特殊なケースを除けば読み間違えられることはほとんどないでしょう。
◇名前の説明が楽
表記を聞かれた際、漢字の名前なら、説明で四苦八苦することもあるかもしれませんが、ひらがな表記、カタカナ表記といえば難なく通じるでしょう。
◇柔らかさ
特にひらがなの名前は、女手と言われる通り、その見た目から女性ならではの柔らかさを感じます。
ひらがな・カタカナの名前のデメリット
◇漢字が良かったとコンプレックスに思う人もいる
ひらがな・カタカナの名前で、漢字が良かったという話は時折聞きますが、逆に漢字の名前で、ひらがな・カタカナが良かったという話はあまり聞きません。そう考えると、漢字の名前の方が無難と言えるかもしれません。
割合でいうと漢字の名前の人の方が多いので、人にあって自分にないとなると気になる人もいるのでしょう。
子供っぽいと思う方もいるようです。
◇手書きの際に字の上手さを試されるよう
画数の多い漢字であれば、ある程度誤魔化しが効きますが、
ひらがなもカタカナも画数が少なく、余白が多いため、字の上手さを要求されます。
特に、ふにゃふにゃとしたひらがなはその人の字の巧拙が如実にわかります。
◇目立つ
ひらがな・カタカナの名前は良くも悪くも目立ちます。
◇姓名判断では評価されないことも。
占いなど気にしない人には何の影響もない話ですし、流派にもよりますが、とくにふにゃふにゃとしたひらがなは安定しない、運気が不安定になるなどとあまり良い評価を下さない占い師もいるようです。
◇カタカナは日本人らしくない?
ひらがなの名前が日本人らしいと思われる一方で、カタカナは外来語に用いられることが多いために、カタカナの名前に対して日本人らしくないという印象を持つ人がいるようです。
もちろん昔はカタカナの名前の日本人女性が大勢いたわけですが、庶民の女性はひらがな・カタカナの名前が主流の時代から漢字の名前(~子や~美など)が主流の時代へと移り変わっていったという歴史があります。その時代を経た現代だと、わざわざという印象でしょうか。
名前ランキングでもカタカナの名前というのは見つけられませんでした。
現代の若年層でカタカナの名前だと、海外にルーツがある人なのかと思われることもありそうです。
まとめ
かつてひらがなやカタカナの名前の根底には男尊女卑の思想があったと言われています。
しかし、識字率が100%(99%とも)と言われる日本で、もうそんなことを気にする必要性はないのかもしれません。
ちなみに、ひらがなやカタカナは日本独自のものですが、漢字も日本独自の発展を遂げてきました。日本では漢字の形が変わったものもありますし、国字といって日本生まれの漢字もあります。榊や凪、柾、辻など。日本独自のものなら国字にこだわるのも良いかもしれませんね。
参考:
https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/