国際化が進む現代。
海外でも通じるような名前を我が子に付けたいと思う人がいる一方で、日本独自のものを付けたいと考える人もいます。
日本独自のものといえば、漢字から生まれたひらがなやカタカナ。
では、ひらがなやカタカナ以外で名付けたいと思う時はどのような候補が浮かぶでしょうか。
漢字の中には国字というものがあります。国字とは日本生まれの日本独自の漢字です。もっとも、日本独自で発展(変形)した漢字もあり、国字かどうかの定義は難しいのですが・・・。
では、今の法律上、名前(*本名の、下の名前)に使える国字(という説のある字)はどれくらいあるでしょうか。
鰯・・・「いわし」と読む字。魚のいわし。
樫・・・「かし」と読む字。木の名前。ブナ科の常緑高木。
喰・・・「くう」、「くらう」と読む字。食べ物を食べること。
込・・・「こむ」、「こめる」と読む字。中へ入る、込み合う、集中するの意味。
榊・・・「さかき」と読む字。木の名前。つばき科の常緑小高木。
搾・・・「さく」「しぼる」と読む字。汁をしぼること。搾乳。搾油。
笹・・・「ささ」と読む字。小形の竹のこと。
腺・・・「せん」と読む字。動物の体内から種々の液汁を分泌する器官のこと。甲状腺。乳腺。
雫・・・「しずく」と読む字。意味は水がしたたるさま。
凧・・・「たこ」と読む字。凧揚げのたこ。
辻・・・「つじ」と読む字。意味は十字路。
働・・・「はたらく」と読む字。人が活動してはたらくの意味。
峠・・・「とうげ」と読む字。山道の登りと下りの境になる頂点。
栃・・・「とち」と読む字。とちのき科の落葉高木。栃木など地名や苗字でよく見る字。
凪・・・「なぎ」と読む字。風がやんで海が静かになること。
鯰・・・「なまず」と読む字。淡水魚のなまずのこと。
匂・・・「におう」と読む字。意味はよいかおり、色が映える。
畑・・・「はた」、「はたけ」と読む字。水田のように水をつかわずに野菜や穀物をつくる耕地。
畠・・・「はた」、「はたけ」水気の少ない白くかわいた農耕地のこと。
柾・・・「まさ」、「まさき」と読む字。にしきぎ科の常緑低木。庭木や生垣とする。
俣・・・「また」と読む字。意味は川筋や道の分かれ目。水俣など地名や苗字でよく見る字。
麿・・・「まろ」と読む字。意味はわれ。わたくし。
籾・・・「もみ」と読む字。穀物の実の皮。
椛・・・「もみじ」、「かば」と読む字。紅葉した楓のこと。
匁・・・「もんめ」と読む字。重さの単位。
枠・・・「わく」と読む字。囲いや制約のこと。
このなかで、最近の下の名前で使われる字といえば、
雫、凪、椛など。
凪は1990年に、雫と椛は2004年に人名用漢字に加わりました(*ただし、戦前は今と法律が違うため、名前の表記に制限がなく、名前につかうことができました)。このため、これらの字には目新しい印象があるかもしれません。
しかし、
雫は雨が下に落ちるさまを意味することから、
凪は海が静かになることから停滞をイメージすると、
椛はカバの読み方を切ってカと読ませることがあるようですが読みにくいことから、
名前に入れることには賛否両論あるようです。
木の名前でいえば、若干使いにくいですが、
樫、榊、柾など。
また、古典的な名前でいえば、
麿など。
欧米でも通じる名前を探すのも良いですが、日本独自の路線で探すのも良いかもしれませんね。
漢字圏の人とも話が盛り上がりそうです。