金木犀を意味する言葉とは?
金木犀とは、秋の植物。
きんもくせい【金木犀】
モクセイ科の落葉小高木。中国原産の観賞用植物で、古くから庭木とされる。高さ約3メートル。葉は狭い長楕円形、革質で堅い。雌雄異株。日本のものはすべて雄株で結実しない。秋、淡黄色で芳香の強い小花多数を開く。
〈季語:秋〉(広辞苑第五版より抜粋)
金木犀は秋を代表する植物。
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香りがよく、金色の花が印象的なので、金木犀が好きという人は少なくないのではないでしょうか。
しかし、人名にと考えた時、金も木も犀も下の名前に使いやすい字かといえば、比較的難しい字であると思います。
日本人の本名(下の名前)に使うことのできる漢字は、常用平易なもの、具体的には、常用漢字と人名用漢字に限られています。金と木は常用漢字なので名前に使うことができます。犀は2004年に人名用漢字に追加されました。ただし、こうした法律ができたのは、第二次世界大戦後の1948年頃のことで、苗字や、法改正以前に付けられた名前については規制の対象外です。つまり、日本人で本名に犀の字を持つのは、苗字がそうであるか、1948年より前に生まれたか、2004年以降に生まれたか、改名したなどの特殊な事情を持つ人です。
では、この犀の字がどのような意味を持つのでしょうか。
犀
総画:12画
音読み:サイ、セイ《意味》
獣の名。角はかたくて、器にしたり、けずって薬にしたりする。皮は厚くてかたいので、昔よろいに用いた。(漢字源より抜粋)
人名に使うなら、これは素晴らしいというような意味合いではありません。
そもそも金、木、犀と分解したら金木犀らしさは失われてしまうかもしれません。
では、金木犀には別名があるのでしょうか。
中国語では、丹桂、金桂、金木樨、木樨などと言います。
また、金木犀に限りませんが、木犀全般を桂花や梫、月桂などと呼びます。
桂
総画:10画
音読み:ケイ、カイ 訓読み:かつら《意味》
かつら。
ア.数種の香木の総称。もくせい。花の白いものを「銀桂」、黄のものを「金桂」、赤いものを「丹桂」という
イ.中国の伝説で、月の中にあるという木。
[日本語特有の意味]1.かつら。木の名。かつら科の落葉高木。材は建築や器具に用いられる。2.けい。将棋の駒の一つ。桂馬。(漢字源より抜粋)
現代の日本語では、桂はかつらの木を指しますが、もともとは木犀を指す字であったようです。
なので、金木犀に纏わる名前は、桂が付くものが良いかもしれません。
桂が名前に入る人に、
〇柴田 承桂(しばた しょうけい)
1850年~1910年。化学者、薬学者。
〇篠崎 桂之助(しのざき けいのすけ)
1852年~1876年。プロテスタント。日本基督公会の創立者の一人。
〇赤松 桂(あかまつ かつら)
1876年~1943年。政治家。
〇柴田 桂太(しばた けいた)
1877年~1949年。植物生理学者・生化学者・微生物化学者。
〇大村 桂巌(おおむら けいがん)
1880年~1954年。教育者、浄土宗の僧侶。
〇石井 桂(いしい けい)
1898年~1983年。政治家。
〇大山 桂(おおやま かつら)
1917年~1995年。海洋生物学者。
〇横山 桂次(よこやま けいじ)
1920年~2008年。政治学者。
〇島 桂次(しま けいじ)
1927年~1996年。第15代NHK会長。
〇山口 桂三郎(やまぐち けいざぶろう)
1928年~2012年。美術史家。
〇高木 桂蔵(たかぎ けいぞう)
1941年生まれ。著述家、ジャーナリスト、教育者、文化人類学者・民俗学者・社会学者。
〇髙橋 桂治(たかはし けいじ)
1944年生まれ。実業家。
〇森川 桂造(もりかわ けいぞう)
1948年生まれ。実業家。
〇舟越 桂(ふなこし かつら)
1951年生まれ。彫刻家。
〇渡辺 桂吾(わたなべ けいご)
1952年生まれ。ロボット工学者。
〇國本 桂史(くにもと かつし)
1953年生まれ。
プロダクトデザイナー、インダストリアルデザイナー、デザインディレクター、アートディレクター。
〇塚田 桂祐(つかだ けいすけ)
1956年生まれ。自治・総務官僚。
〇伊藤 桂司(いとう けいじ)
1958年生まれ。グラフィックアーティスト。
〇桜田 桂(さくらだ かつら)
1958年生まれ。官僚。
〇久保田 桂朗(くぼた かつらお)
1961年生まれ。政治家。
〇山口 桂(やまぐち かつら)
1963年生まれ。日本美術専門家。
〇萩庭 桂太(はぎにわ けいた)
1966年生まれ。写真家。
〇大松 桂右(だいまつ けいすけ)
1970年生まれ。政治家。
〇柴山 桂太(しばやま けいた)
1974年生まれ。古典文献学者。
〇原 桂之介(はら けいのすけ)
1978年生まれ。映画監督、脚本家。
〇神谷 桂二郎(かみや けいじろう)
1979年生まれ。教育家・音楽家。
〇小林 桂(こばやし けい)
1979年生まれ。ジャズ・ボーカリスト。
〇寺田 桂太(てらだ けいた)
1995年生まれ。ラグビー選手。
〇沢田 桂太郎(さわだ けいたろう)
1998年生まれ。自転車競技選手。
〇中野 桂太(なかの けい)
2002年生まれ。サッカー選手。
〇橋野 桂(はしの かつら)
ゲームクリエイター。
◇中澤 桂(なかざわ かつら)
*中沢桂とも。
1936年~2016年。声楽家。ソプラノ。
◇森村 桂(もりむら かつら)
1940年~2004年。作家。
◇国井 桂(くにい けい)
脚本家。
◇桐山 桂奈(きりやま けいな)
女優。
など。
男性ではケイの読み方でよく使われています。
また、男性でも女性でもカツラの読み方で使われることがあります。
中国でも桂という姓が存在していて、Guiと読むそうです。有名な地名に桂林がありますが、読み方はGuilin。