2020年を表す漢字は『密』となりました。
1995年から、日本漢字検定協会は、一般公募で今年の世相を表す一文字を募集し、最も投票数の多かった字を今年の漢字と認定し、同協会が漢字の日とした12月12日前後に、発表するようになりました。
2020年「#今年の漢字」第1位は「密」でした!!
応募総数208,025票から28,401票(13.65%)を集めての第1位でした。
多数のご応募ありがとうございました✨
2位以下の情報は追ってお知らせいたします!https://t.co/D8QSeRu1dn #漢字の日#密 pic.twitter.com/lGsH9s953J— 2020年「今年の漢字」 (@Kotoshinokanji) December 14, 2020
清水寺も“密”と揶揄する声も。
さあ、「#今年の漢字」の発表場所である #京都 #清水寺 で、準備を始めました!かなり寒いですが、いよいよ発表日となりわくわくしています⛄️紅葉も綺麗で、観光客の方も見受けられます。#漢字の日 pic.twitter.com/C8x6A8TZxq
— 2020年「今年の漢字」 (@Kotoshinokanji) December 14, 2020
そもそも密とはどのような意味のある字なのでしょうか。
密
総画:11画
音読み:ミツ、ミチ、ビツ 訓読み:ひそか
《名付け》
たかし、ひそか《意味》
1.ひそか。ぴたりと閉じて外から見えない。人にわからぬように隠しているさま。また、奥深いところ。
2.ぴたりとひっついてすきまがない。すきまなくくっつける。
3.すきまもないほど親しいさま。
4.深く閉じて外から近づけない。
5.仏教語「密教」の略。《解字》
会意兼形声。必は、両側からぴたりとあて木を棒にあて、木を締め付けたさまを示す象形文字で、すきまなくひっつく意を含む。密の上部は宀(いえ)を加えた会兼形声文字。家の戸をぴたりと閉じること。密はそれを音符とし、山をそえた字で、深く閉じて人の近づけない山。(漢字源より抜粋)
この字を習うのは小学校6年生。
でも、これだけ騒がれていたら、もっと年下の子も覚えたかもしれませんね。
こうなる前は、“密”といえば、密に連絡を取るなど良い意味でも用いられたものでした。
が、2020年は、密はぴったりとくっついてすきまがないという意味から“3密”などとこの字がよく使われました。
密の字は、深く閉じて外から近づけないという意味もあって、リモートワークとか巣ごもりとかそのような言葉が飛び交う2020年でしたから、そういう意味でもピッタリ。そのことから“親密”になれたの声もあります。
密は、今よく使われている過密さとミステリアスさを兼ね備えた字であると思います。
ミステリアスな感じ。
密会、密輸、秘密、隠密、密通、密談、密造酒、密葬、機密など。
ぎっしとした感じ。
濃密、密林、過密、密度など。
すきのない感じ。
綿密、緻密、細密など。
ぴったりした感じ。
密着、密閉など。
仲の良い感じ。
親密など。
この字を名前に持つ人といえば、前島 密(まえじま ひそか)が有名です。
前島密は1835年に越後に生まれ、1919年に亡くなりました。
近代郵便制度成立の創立者の一人で、その功績から「郵便制度の父」と呼ばれています。
密が再び下の名前に用いられるくらいに、“密”が良い意味で用いられる日が待ち遠しいですね。