【名付け】あん / アン / Anne とはどういう意味のある名前？

あんという名前の人がいますが、どのような印象がありますか。

日本語では、餡などを連想します。

また、敬称をつけて、あんちゃんやあんさんとなると、兄ちゃんや兄さんを連想します。
日常生活ではあまり使われなくなってしまった感がありますが、創作物ではまだまだ見かける表現です。
数年前に放送されていたダイハツ「ウェイク」のCMでも玉山鉄二さんが“あんちゃーん”と呼ばれる姿が印象的でした。

あんという名前は、日本よりも外国を意識したものではないでしょうか。
欧米には、Anneという名前が存在しています。フランス語圏や英語圏ではアンのように発音します。

一説には、

Hannah
↓
Anna
↓
Anne

と変化した名前と考えられています。

Hannahの意味は、ヘブライ語で、恩寵。

Anneという名前は、クラシカルな名前です。
ここ最近の名前ランキングを見たときに、英語圏で、Anneという名前が100位以内に入る国を見つけられませんでした。
さらに変形して、Annという表記もありますが、これも見つけられませんでした。

モンゴメリによる『赤毛のアン(Anne of Green Gables)』という小説が有名です。
また、名画『ローマの休日』でオードリー・ヘップバーンが演じたのはアン王女(Princess Ann)でした。

有名人では、イギリスのイギリスのアン女王(Anne Stuart)(1665年~1714年)、アン王女(Anne, Princess Royal)(1950年生まれ)など。

日本人の場合は、普通にローマ字表記すればAnです。これは英語圏では不思議な印象を与えるかもしれませんね。
参考:
〇behind the name
〇発音ガイドFORVO
〇「山田」という苗字を，「Yamada」ではなく「Jamada」と表記することはできますか？ / 外務省公式　Q&A

日本では、アンという名前は少しずつ人気が出ているようです。

明治安田生命の名前ランキングによると、読み方のランキングにアンが入ったことがあります。
このランキングは2004年から50位まで発表されています。

表記のみを考慮したランキングでアンと読む可能性のある名前は杏。
このランキングは2004年から100位まで発表されています。
ただし、表記のみを考慮したランキングなので、アンとは読まない可能性があります。

2019年の読み方のランキングでアンは49位で、杏は3位。
これはどういうことでしょうか。

2019年の名前ランキングは、2019年生まれの男の子8,455人、女の子8,407人が調査対象となりました。

表記のみを考慮したランキングで1位の凛は67人で、その占有率は0.80%
読み方のみを考慮したランキングで1位のメイは116人で、その占有率は1.38%

例年、読み方のみを考慮したランキングの方が占有率が高いです。

杏は39人でその占有率は0.46%、アンは36人でその占有率は0.43%でした。

8407人中36人と、読み方のランキングで1位のメイほど人気があるとは言えないでしょう。
しかし、そこそこの人気がある名前といえます。

杏は、東アジア原産のバラ科の植物で、日本には中国から渡ってきました。
かつては、杏は唐(中国大陸)から渡ってきた桃という意味で、唐桃(からもも)と呼ばれていたとか。しかし、桃も中国から渡ってきた植物です。
名付けに用いる場合は、杏の花を想定しているのかもしれません。春に美しい花を咲かせます。

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あるいは、杏壇(きょうだん)、杏林(きょうりん)という言葉もあります。
杏壇とは学問所、杏林とは医師の美称。
そうした言葉から名付けられている可能性もあります。

他に、アンと読む漢字で、人名に使うことができる字は、安、案、晏、行、庵など。

安
総画:6画

やすい。やすらか。
おだやかで落ち着く。

杏
総画:7画

あんず。

行
総画:6画

いく。
おこなう。

晏
総画:10画

おそい。日が低くおちかかるさま。時刻が遅い。
やすらか。やすい。静かに落ち着ているさま。

庵
総画:11画

いおり。仮の住まいとする、質素な小さな家。
僧や尼が仏をまつる小さな家。

参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/index.html