光 という字を名前に持つ人がいますが、どのような印象がありますか。
そもそも光とはどのような意味のある字なのでしょうか。
光
総画:6画
音読み:コウ 訓読み:ひかり、ひか(る)
《名付け》
あき、あきら、あり、かぬ、かね、さかえ、てる、ひかり、ひかる、ひこ、ひろし、みつ、みつる《意味》
1.ひかる。ひかり。明るくかがやく。
2.ひかり。外から照りはえるかがやき。めだつ才能や名声。
3.かがやく。かがやかす。光を発散させる。みがきをかけて浮きだたせる。
4.相手の行為を光栄とする意を添えることば。
5.つや。
6.けしき。《解字》
会意。人が頭上に火を載せた姿を示す。(漢字源より抜粋)
ひかる【光る】
1.ぴかっと光を放つ。
2.一面に輝く。反射して輝く。
3.色彩などが美しく輝く。
4.顔・かたち・人物・才能などが一段とぬきんでて見える。
5.金の威光がある。(広辞苑第五版より抜粋)
ひかり【光】
1.光ること。また、光るもの。
2.目に感ずる明るさ。
3.美しい色。光沢。つや。
4.輝くばかりの美しさ。
5.人に明るさをもたらすもののたとえ。
6.威光。威勢。(広辞苑第五版より抜粋)
光は、ひかること、ひかりという意味のある字。
光輝くように美しい、才能があるという意味もあります。光るものがあるなんていう言い方をしますよね。
また、平安中期に紫式部が書いた『源氏物語』の主人公は、その美しさのために“光る君(光源氏)”と呼ばれるようになったという経緯があります。
この字を名前に使うことについて、検索してみると、良くないという意見を見かけます。
その理由の一つは成り立ちについてです。この字の成り立ちについて、不吉だという説があります。ただし、漢字というのは太古の昔にできたものなので、成り立ちについてはっきりとわかっているものは多くありません。漢字を作った本人にでも聞けばわかるのでしょうが、そのようなことはできません。実際に、多くの研究者がさまざまな説を唱えています。このために、辞書によって書いてあることは異なります。光の字もそうです。正解がわからないことなので、成り立ちについて気にするか気にしないかは人それぞれですが、良いとも良くないとも言い切れない状況です。
二つ目はこの字のイメージです。傍系から皇位を継いだ天皇に光の字が用いられることがありました。このため、光の字は良くも悪くも大きな変革をもたらすという印象を持つ人がいます。
とはいえ、この光という字は、日本以外でも中国や韓国でも人名に使われています。漢字の生まれた国でも使われていると考えると、悪い意味のある字ではないのでしょう。
著名人に、
〇荘公光(そうこうこう)
紀元前6世紀ころの人。春秋時代の斉の第25代君主。
〇霍 光(らい こう/Huo Guang)
?~紀元前68年。
前漢の政治家。字は子孟(Zimeng)。
〇孟 光(もう こう/Meng Guang)
生没年不詳。2世紀から3世紀ころ。
中国後漢末期から三国時代にかけての政治家。字は孝裕(Xiaoyu)。
〇侯 子光(こうしこう)
?~337年。
五胡十六国時代の人物。
〇呂 光(りょ こう/Lü Guang)
338年~399年。五胡十六国時代後涼の創始者。字は世明(Shiming)。
〇崔 光(さい こう)
451年~523年。もとの名は孝伯。字は長仁。
〇爾朱 天光(じしゅ てんこう/Erzhu Tianguang)
496年~532年。北魏の軍人。
〇斛律 光(こくりつ こう/Hulü Guang)
515年~572年。中国の北斉の武将。字は明月(Mingyue)。
〇司馬 光(しば こう/Sima Guang)
1019年~1086年。中国北宋代の儒学者、歴史家、政治家。字は君実(Junshi)。
◇丁 令光(てい れいこう)
485年~527年。南朝梁の武帝蕭衍の貴嬪(側室)。
など。
また、春の季語に“風光る”があります。
確かに春のうららかな日はきらきらと光っているような印象がありますよね。
どの季節でもおかしくはないのですが、強いて言うなら春から夏にかけて。明るい印象のある字です。