源頼朝など、日本の歴史には、頼が名前に付く人物が多数登場します。
そもそも頼とはどのような意味のあるじなのでしょうか。
頼
総画:16画
音読み:ライ 訓読み:たのむ、たのもしい、たよる、さいわいに
《名付け》
たのむ、のり、よ、よし、より《意味》
1.たのむ、たよる。自分でずばりと処置せず、他人におしやる。人にたよって、仕事や責任をなすりつける。
2.さいわいに。・・・のおかげで。
3.人まかせの。なげやりな。自分で責任をはたさぬなまけ者。
4.ぼろもうけ。自分の責任なしに得たうまい汁。
[日本語特有の意味]1.たのむ。おねがいする。よろしく頼む。
2.たのもしい。たよりになる。しっかりした。《解字》
形声。「人+貝(財貨)+(音符)剌の略体」で、財貨の貸借にさいして、ずるずると責任を他人になすりつけることをあらわす。(漢字源より抜粋)
①「よる」、「たよる」
ア:「あてにする」、「期待する」
イ:「助けとして用いる」(例:車に頼った生活)
②「たより(たよる事)」
③「たのむ」
ア:「相手に、こちらが希望するようにしてくれることを伝えて願う」
(例:依頼)イ:「あてにする」、「期待する」
ウ:「用事や処置を他にゆだねる」、「まかせる」
エ:「信用する」
④「たのみ(たのむ事)」
⑤「得る」、「利益を得る」、「利益」
⑥「よい(善)」
⑦「さいわい(幸)」、「しあわせ」
⑧「たのもしい」
ア:「助けになる」
イ:「期待できて楽しみである」
ウ:「金持ちである」
参考:https://okjiten.jp/kanji1463.html
常用字体の頼は名前に使える字。旧字体の賴も名前に使える字。
この字のもともとの意味は、たよること。
たよりにするというよりたよるという意味合いが強いように思います。
漢字文化圏の国には“頼”という姓があります。現代では、特に台湾に多い姓です。一説には紀元前に存在した国の名前に由来すると言います。
日本にも頼山陽など頼という苗字を持つ人がいます。
しかし、日本以外の国では、頼の字はファーストネームにはあまり用いられないようです。本名に漢字を持たない(アルファベット表記などの)外国人の名前の当て字として用いられる程度です。意味が問題なのでしょうか。
ただし、日本では、頼もしい、頼り甲斐のあるという印象が強いのではないでしょうか。
頼るという字は、ここは日本と割り切って付けているのかもしれません。
あるいは、誰かにあやかってのことなのでしょうか。