梓は夜糞峰榛!? 男の子の名前?女の子の名前?

梓の木でWIKIを調べると、ズラリと並んでいます。

方言もあり、なんとも言えない部分があるようです。例えば魚は、地域によって全然呼び方が違う場合があり、もはや通じないことさえあるくらいです。そういうわけで梓が何を指しているのかは諸説あります。

とはいえ現代では、一般に、梓(シ)はキササゲのこと、梓(アズサ)はミズメのことを指すことが多いです。

梓という字について漢和辞典にはこのように載っています。


総画:11画
音読み:シ、訓読み:あずさ

《意味》
1.{名詞}あずさ。木の名。のうぜんかずら科の落葉高木。細工に適し、建築木工の材料として重宝される。
2.{名詞}版木。それで印刷すること。
3.〔日本特有の意味〕あずさ。木の名。かばの木科の落葉高木。

《解字》
会意兼形声。辛(シン)は、鋭い刃物の象形で切る意をあらわす。「木+(音符)辛」で、刃物で切ったり刻んだりするのに適した木。

(漢字源より抜粋)

キササゲ(木大角豆)はノウゼンカズラ科の落葉高木。中国原産。果実は梓実(しじつ)と呼ばれ、腎疾患に良いと、利尿薬に用いられてきました。街路樹でよく見かけるキササゲは北米産のアメリカキササゲが多い様子。

今でも、キササゲは腎散仙(じんせんさん)という医薬品に入っていたり、単体で医薬品として販売されていたりします。

ミズメはカバノキ科カバノキ属の落葉高木。見た目が桜に似ていることから、ミズメザクラ(水目桜)と呼ばれることも。
一方でヨグソミネバリ(夜糞峰榛)なんていう呼び方もあります。これはどういうことかというと悪臭漂う木で魔除けに良いということです。梓弓(あずさゆみ(旧仮名遣いでは”あづさゆみ”))は魔除けに用いられたそうです。
ただ、これは当時の感覚で、確かに枝を折ると独特の匂いがするようですが、湿布薬の匂いに近いらしく、現代的に言えば悪臭!というほどでもありませんね。

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サリチル酸メチルの匂いらしいので、サロンパスの匂いに近いのかもしれません。

さて、梓で検索すると、

小野梓さん(早稲田大学の創立に関わった人)、鬼頭梓さん(建築家)、平岡梓さん(官僚、三島由紀夫の父)など、男性が出てきます。
そういえば、今上陛下のお印は梓でしたね。

画像で見ると堂々たる立派な木なので、男性の名前でもあまり違和感はないように思います。

小野梓の幼名はテツイチというそうで、龍が4つでテツと読ませるらしいです。

龍龍
龍龍

こんな感じで、龍を横に2つ並べて書き、下にも同じように龍を2つ並べて書きます。
うーん凄い名前。龍×4(テツ)+一(イチ)=65画。苗字の小野と合わせると、79画ですからなかなか大変そう。幼名をそんなに書く機会があるのか知りませんが・・・。

ちなみに、この龍が4つの字は、今では名前に使えなくなっています。戦後まもなくのころに、法律が変わり、人名に使える漢字を制限するようになったためです。

もちろん、法の不遡及の原則があるので、いくら人名に使える漢字を制限するようになったからといって、法改正以前から存在する苗字や名前には言及されません。

そういうわけで、戦前生まれの方にはちょっと難しい名前の方が少なからずいます。実際に、現在では人名に使うことのできない字を使った名前の方を見たことがあります。龍4つでテツ並みに込み入った字だったり、愨のような見慣れない字を使っていたり。

梓という字も戦後の一時期、人名に使える漢字から外されていました。

小野梓さんも鬼頭梓さんも平岡梓さんも戦前生まれなので何の問題もなかったわけですが。

戦後およそ30年近くの空白期間を経て、1976年に人名に使える漢字に加わりました。

このころに何があったかといえば、1975年に狩人から『あずさ2号』という曲が発表されました。

その影響があったのかなかったのかわかりませんが、近年では女性にも名付けられるようになっています。

山本梓さんや馬場園梓さんなど。

苗字との相性は?

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