女の子にアンという名前、呼びにくい?

明治安田生命が2018年に発表した、女の子の名前の、漢字表記を無視した読み方のランキングでは、アンの響きが49位に入りました。その占有率は0.44%.

漢字表記で人気なのは杏。

中国の故事から、杏林(きょうりん)とは医師の美称とされています。杏林大学というと総合大学ですが、医学部があることで有名ですよね。

杏壇(きょうだん)は学問所を指すことば。

また、杏は春に美しい花を咲かせるため、春生まれの女性に似合いそうです。

アンという名前は海外でも発音しやすい名前です。欧米ではAnneの綴りが一般的。赤毛のアンや、英国のアン王女が浮かびます。

しかし、アンという名前は日本ではちょっぴり呼びにくいかもしれません。あんちゃんと辞書で引くと、

あんちゃん【兄ちゃん】
(アニサンの転)
兄の称。

などと出てきます。日常ではあまり使われないように思いますが(地域によっては使う機会が多いかもしれませんが)、フィクションでは目にする機会が時折あります。

数年前に放送していたCMでもそうでした。

それを踏まえて考えると、もう一文字足して、杏奈(アンナ)とか、杏珠(アンジュ)などとした方が呼びやすいかもしれませんね。

特に杏奈はローマ字表記がAnnaとなり、欧米でも発音しやすそうです。ただし、英語圏での発音はアナに近いように聞こえます。

ちなみに、アンとアンナを比べると、不思議なことに欧米ではアンナの方が人気があります。
2017~2018年頃に発表された欧米の名前ランキングを見たときに、アン(Anne)が100位以内に入るのはオランダくらいです。
一方でアンナ(Anna)が100位以内に入るのは、アメリカ、カナダ、イングランド&ウェールズ、スコットランド、北アイルランド、フランス、ロシア、イタリア、ポーランドなど。特にイタリアやフランスではトップ20入り、北アイルランドではトップ10入り、ロシアではトップ3入りしています。

もしかすると、ディズニー映画の『アナと雪の女王』の影響が出ているのかもしれません。

苗字との相性は?

では日本ではどうかというと、明治安田生命が2018年に発表した、女の子の名前の、漢字表記を無視した読み方のランキングでは、アンの響きが49位でその占有率は0.44%.

それに対してアンナの響きは、42位でその占有率は0.46%とそれほど大差はありません。

一方で、例に出した、アンジュは欧米でも通じそうな名前というよりは日本の名前と言えます。一応フランス語にAngeという言葉があり、天使を意味するのですが、フランス語の発音ではオンジュ or オンシュに近いです。また、主に男性に名付けられる名前です。

天使を意味する名前なら、Angel(男性名。ただし、英国など国や地域によっては女性の名前として用いられることもあります)やAngela(女性名)がありますが、英語の発音ではエンジェル、エンジェラ、ドイツ語の発音ではアンゲル、アンゲラ、フランス語の発音ではオンジェル、オンジェラのように聞こえます。また、イタリア語ではAngelo(男性名)、Angela(女性名)と綴りますが、アンジェロ、アンジェラと聞こえます。

そういうわけでアン(Anne)やアンナ(Anna)とは違い、アンジュは欧米によくいる名前と発音が似た名前というわけではなさそうです。

杏が付く新しい名前を考えるのも楽しいかもしれませんね。

参考:
https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/index.html
https://www.behindthename.com/
https://ja.forvo.com/

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする