近年、蓮という名前が男の子に人気!
明治安田生命が2019年に発表した名前ランキングでは1位になりました。
一般的には、この名前が人気になったのは、漫画『NANA』(作者:矢沢あい)がきっかけだと言われています。
『NANA』に本城蓮(ほんじょう・れん)という名前の男性が登場するからです。
しかし、明治安田生命の名前ランキングによると、蓮が初めて10番以内に入ったのは1999年のこと。
その一方で、『NANA』の連載が始まったのは2000年頃。一大ブームとなったのはもっと後だと推測されるので、おそらく『NANA』は関係ないでしょう。
この時期、陸や大樹など自然を感じさせる名前が名前ランキングに入っているので、その一環として、2音で呼びやすく、自然をイメージする蓮が名前ランキングに入ったということではないでしょうか。
物珍しさというのもあったかもしれません。
この蓮という漢字を名前に付けられるようになったのは1990年(平成2年)のことです。
戦前に関しては法律が違いますので使えましたし(当然、戦前から存在する苗字も無関係)、外国人には関係ないですが、日本人の下の名前でいうと、おおよそ40年くらいは蓮を名前に使うことができませんでした。ということは身近に蓮という名前の人がいないという人の方が多かったことでしょう。
1990年から名前に使えるようになって、目新しさからじわじわと増えていったのかもしれませんね。
それとも世紀末が影響したのでしょうか?ノストラダムスの大予言が流行りましたし、人々が不安だったのかもしれません。
蓮と仏教はとても縁深い植物です。蓮華座なんて言う言葉があるくらいですからね。
心の蓮(こころのはちす)、泥中の蓮(でいちゅうのはちす)など清廉を表す言葉にも使われます。
日本では、花の季節から蓮は夏の季語とされています。
一方で、この蓮という漢字は、中国や台湾では女性名に用いられることが多く、蓮はリィァンとかリアンのように発音するようです。
美しい花を咲かせる植物ですから、女性の名前に使いたくなるのもわかる気がします。
なお、一般的なヘボン式表記であればRenとなるわけですが、
Lenであれば、英語圏ではたまに、Leonardの愛称として用いられることもあります。Leonardは、一説によるとゲルマン語で、獅子と勇気を組み合わせた言葉と言われています。LeonardもLenも男性名の印象が強いようです。
参考:パスポートにおける非へボン式表記について(外務省)
参考:https://www.behindthename.com/
https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/