【名付け】杏 を もも / モモ と読むのはなぜ?【有安杏果】

杏と書いてももと読む人がいますが、なぜそう読むのでしょうか。

著名人に、ももいろクローバーZの元メンバーの有安杏果(ありやす・ももか)さんなど。

杏にモモという読み方があるのでしょうか。


総画:7画
音読み:キョウ、コウ、ギョウ、アン 訓読み:あんず

《意味》
あんず。梅に似た果樹。実は食用、種子の中の仁は薬用にする。唐桃(からもも)。

《解字》
会意。「木+口」で、口に食べてみておいしい実のなる木をあらわす。

(漢字源より抜粋)

この字の意味は、果樹のアンズ。

古名を唐桃(からもも)といいます。

から“もも”から、人名において、杏と書いて、“もも”と読む人がいるのかもしれません。

唐とは、朝鮮や中国、そして広く外国を指す言葉。
唐桃は中国から渡ってきた桃の意味なのでしょう。

アンズは、バラ科の落葉高木で、中国原産。
モモは、バラ科の落葉小高木で、中国原産。

どちらも中国原産と言われているので、どちらも唐桃ではないかと思わなくもありませんが、昔の日本人は、モモとカラモモで呼び分けていたのでしょう。

同じバラ科ということで、桃と杏は花が似ています。
花が咲くのはいずれも春、実が成るのはいずれも夏。
こうしたことから、桃の花は春の季語、桃の実は秋の季語、杏の花は春の季語、杏の実は夏の季語とされることがあります。

杏の花

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桃の花

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3月3日の桃の節句が現代に残るほど、桃の花は古代から日本で愛されている花です。

杏はどうでしょうか。

中国で生まれた言葉である、杏林(きょうりん)が医師の美称であったり、杏壇(きょうだん)が学問所を指していたりと特別な存在であるに違いありません。

また、形が杏や銀杏の葉に似ていることから、馬具に付ける装飾具を杏葉(ぎょうよう)と呼びます。
杏葉は日本の名家の紋所にも用いられています。

杏葉の紋所

現代の日本では、杏の花は美しく、春を感じさせるもの。杏の実はドライフルーツやジャムなどとして人々を楽しませます。また、杏の種を乾燥したものは、杏仁と書き、日本では、お菓子に使うものをアンニン、生薬に使うものをキョウニンと呼び分けています。


杏をモモと読むのは古語に由来することがわかりました。

ただし、時代が下るにつれて、中国語に由来して杏をアンズと呼ぶようになったと言われています。現代人で、杏という字を見てまずモモと読む人は珍しいでしょう。

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