楓(かえで)という名前。最近、男の子でも女の子でも人気があるようです。
ところで、楓という名前は季節はいつで、男の子と女の子のどちらによく名付けられているのでしょうか。
カエデとフウは別物!?
楓
総画数13画
音読み:フウ、ホウ 訓読み:かえで《意味》
{名詞}木の名。ふう。中国に自生するまんさく科の落葉高木。
〔日本特有の使い方〕かえで。《解字》
会意兼形声。「木+(音符)風」で、実に薄い翼がついて、風のまにまに飛ぶ木。漢字源より
実は、楓を音読みをしたフウと、訓読みしたカエデでは植物が異なります。
楓(カエデ)とはムクロジ科(カエデ科)の木の総称です。
およそ128種類あるといわれています。
代表的なのは、イロハモミジ/イロハカエデ。
カエデは古来から日本の山野に自生している植物です。
楓(フウ)とは、フウ科/マンサク科の植物のことです。
フウは、台湾や中国南部原産で、日本には江戸時代頃に渡来したといわれています。また、近い種類のアメリカフウ/モミジバフウは、北アメリカ~中央アメリカ原産で、大正時代に日本に渡来したといわれています。フウは街路樹などでよく見かけます。
もともとは、カエデのことを槭と書き、フウのことを楓と書きました。
しかし、時代が下るにつれて、楓を音読みした場合はフウを、訓読みした場合はカエデを表すようになったようです。
カエデとフウの違いはいろいろありますし、種類も多様ですが、おおむね葉を見ればわかるようです。
対生といって、2枚の葉が向き合っていれば、カエデ。互生といって、2枚の葉が互い違いであれば、フウです。
↓対生の例
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— uemura_yuki飛ぶパグa.k.a.Rain is Gone (@jyukochodai) August 15, 2020
↓互生の例
楓の季節はいつ?
当たり前のことですが、楓は木なので四季折々さまざまな表情を見せます。
春の楓
春の楓は、花の季節。桜や杏のような華やかな花に隠れて、あまり注目されませんが、小さくて淡い色の花を咲かせます。
イロハモミジ/イロハカエデなら花季は4月~5月で、黄緑色か紫色の花、ハナカエデなら、花季は4月で赤色の花。
イロハカエデ
ハナカエデ
アメリカフウ/モミジバフウは緑色の花。
blogを更新しました。 Familiar flower in Sanda City Hyougo 三田市周辺の身近な花 : モミジバフウ(Liquidambar styraciflu https://t.co/zt7kg6ro7j pic.twitter.com/HjtgQM6HIH
— daiji_daiji (@daiji_daiji) 2018年4月21日
夏の楓
夏の季語に若楓(わかかえで)というものがあります。
これは新緑の季節の楓を表す言葉です。
兼好法師は、『卯月ばかりの若楓、すべて、よろずの花紅葉にもまさりてめでたきものなり。』と、徒然草に記しました。
紅葉の楓もいいけれども、新緑の楓もいいものだということです。
卯月というと新暦でいう5月や6月でしょうか。
夏の楓は生き生きとしています。
秋の楓
秋の楓は、紅葉で有名です。
万葉集の時代は、萩の黄葉についての和歌が詠まれることが多かったようですが、次第に紅葉についても詠まれるようになりました。
ちはやぶる 神世(かみよ)もきかず 竜田川(たつたがは)から くれなゐに 水くくるとは (在原業平)
小倉山(をぐらやま) 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ (在原忠平)
夏の楓に比べると、晩秋の、どこか哀愁漂う雰囲気です。
個人的にはオーヘンリーの最後の一葉を思い出してちょっと寂しい気持ちに駆られたりもします。
冬の楓
冬の楓は葉がすっかり落ちて、どこか寂しい雰囲気です。
冬枯れのイロハモミジ。 pic.twitter.com/EWTJmCx7MC
— 荒川 琢 (@juminkeko_taku) 2019年1月14日
楓という名前は男の子と女の子どちらに人気?
明治安田生命の名前ランキングより
⇒明治安田生命
※2018年のランキングについて。調査を実施したのは2018年11月個人保険・個人年金保険の保有契約 約1,245万件を調査(うち2018年生まれの男の子9,796人、女の子9,481人)。
100位以内に入っていない年はランキング外と記しました。
年 | 男の子/順位 | 女の子/順位 |
2012年 | 50位 | 35位 |
2013年 | 90位 | 21位 |
2014年 | ランキング外 | 61位 |
2015年 | 38位 | 19位 |
2016年 | ランキング外 | 46位 |
2017年 | 35位 | 37位 |
2018年 | 69位 | 18位 |
個人的には、夏の楓が好きです。堂々とした姿はどこか男性的で、デと濁音が入るのも力強くて男性らしいと思っていました。
名前ランキングを見ると、中性的な名前であるようです。男の子の名前でも、女の子の名前でも、上下はありますが、そこそこの人気を保っている様子で、男の子の名前とも女の子の名前ともいえないというのが現状ではないでしょうか。