雫(しずく)/しずくとは、良い名前なのでしょうか?
しずくを辞書で調べると、このように出てきました。
しずく【滴・雫】
水や液体のしたたり落ちる粒。
(広辞苑第五版より抜粋)
漢和辞典では、このように載っています。
雫
総画:11画
音読み:ダ・ナ、訓読み:しずく{形}曲線を描いて水のしたたるさま。
〔日本特有の意味〕しずく(しづく)。水のしたたり。点滴。《解字》
会意。「雨+下(おちる)」。中国でもこの字をつかうが、しずくの意味に用いる場合は国字。(漢字源より抜粋)
見たまま、雨が下に落ちていくさまを表す字。
では、雫を用いた言葉にはどのようなものがあるでしょうか?
はなのしずく【花の雫】
花から滴り落ちる露。
(広辞苑第五版より抜粋)
そらのしずく【空の雫】
落ちる涙を、空から降るしずくにたとえていう語。
(広辞苑第五版より抜粋)
つきのしずく【月の雫】
1.露の異称。
2.ブドウの実に白砂糖の衣をかけた菓子。甲州の名産。(広辞苑第五版より抜粋)
そでのしずく【袖の雫】
袖にかかる涙。
(広辞苑第五版より抜粋)
あめしずく【雨雫】
雨のしたたり。また、女がさめざめと泣くさまのたとえ。
(広辞苑第五版より抜粋)
雨が下に落ちるさまを表す字だけに、露や涙に例えられることが多いようです。
とても寂しい印象のある字です。
雫という字には少し目新しい印象があるかもしれません。
雫は常用漢字外の字なので、普段はあまり見かけることがありません。
また、この字が人名用漢字に加わったのは2004年のことです。
ただし、戦前は今と法律が違うので、本名に雫の字を入れることができました。
こうした事情から、改名したなどさまざまな事情を持つ人がいるでしょうが、雫という字を本名(下の名前)に持つ人は、戦前生まれと、2004年以降に生まれた人がほとんどです。
また、ジブリ作品に出てくることから名付けたいと思う人もいるようです。
『耳をすませば』というジブリ作品に月島雫(つきしま・しずく)という名前の女性が登場します。
主役の月島雫を本名陽子さんが、キーパーソンとなる天沢聖司(あまさわ・せいじ)を高橋一生さんが演じていました。
ちなみに、この映画が公開された1995年当時は、雫という字を名前使えなかったので、あやかって名付けようとしたものの叶わず、不満に思う人もいたとか。