IMFが消費税率引き上げを提言
2019年11月25日のニュースから。
IMF専務理事“さらなる消費増税が必要”
IMF(=国際通貨基金)のゲオルギエバ専務理事は、日本テレビのインタビューに応じ、増え続ける高齢化のコストをまかなうため、消費税率をさらに引き上げる必要があるとの考えを示した。
ゲオルギエバ専務理事「IMFの見立てだと消費税率のさらに段階的な引き上げは可能です。2030年までに消費税を15%に引き上げる必要があると考えています」
今回、公表されたIMFの声明では、さらに2050年までに消費税を20%まで引き上げる必要があるとしている。
IMFは、日本の経済成長率について、今年は0.8%、そして来年は0.5%に下がるとの見通しを示していて、来年も消費増税への景気対策を延長すべきだとしている。
また、日本経済は、高齢化が進むにつれて悪化する可能性があるため、企業の内部留保の活用や生産性の向上、女性の労働参加など、構造改革を進める必要があると指摘した。
日本テレビ系(NNN)
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20191125-00000475-nnn-bus_all
IMFは、消費税を今後10年でさらに5%上げることを提言しました。
消費税は、1988年に3%で始まり、1997年に5%、2014年に8%、2019年に10%とどんどん上がっています。
15%となると当初の5倍。
5倍なんて無謀?
以前と比べて所得は上がった?下がった?
1994(平成6)年1月1日から12月31日までの1年間の1世帯当たりの平均所得金額は、664万2千円で、中央値は545万円。
2017(平成29)年1月1日から12月31日までの1年間の1世帯当たりの平均所得金額は、551万1千円で、中央値は423万円。
中央値とは、所得の低い、高いの境界線となる値。真ん中の値はどこかということ。
以前と比べて物価は上がった?下がった?
1988(昭和63)年のバナナ(1kg)の値段は232円、リンゴ・ふじ(1kg)の値段は444円。
2010(平成22)年のバナナ(1kg)の値段は226円、リンゴ・ふじ(1kg)の値段は456円。
1988(昭和63)年の即席麺(1個77g)の値段は、70円。
2010(平成22)年の即席麺(1個77g)の値段は、145円。
1988(昭和63)年の国立大学(昼間)の1年間の授業料は平均で30万円。
同年の、私立大学(昼間)の法文経系の1年間の授業料は平均で43万3300円、理工系(昼間)の1年間の授業料は平均で61万5800円。
2010年(平成22)年の国立大学(昼間)の1年間の授業料は平均で53万5800円。
同年の、私立大学(昼間)の法文経系の1年間の授業料は平均で72万2751円、理工系(昼間)の1年間の授業料は平均で99万9934円。
参考:総務省統計局(東京都区部小売価格より)
国立大学の学費は、どんどん値上がりし、ついには四半世紀前の私立文系を超えてしまいました。さらに上がる可能性も高いです。
物の値段はそれほど変わらないか、上がったかといった具合です。
単純比較はできないのかもしれませんが、1世帯当たりの平均所得は下がり、消費税は3倍超という事態。
消費税の使用用途とは?
消費税の大半は、社会保障に使うもの。
消費税10%分のうち、
7.8%は年金、医療、介護、子供・子育て支援。
2.2%は地方交付税
という計算です。
参考:財務省
経済状況は悪化
消費税増税にコロナウイルスの打撃で経済が低迷の一途を辿っています。
2020年3月4日のニュースから。
新型コロナで日本経済への影響は?「東日本大震災ショック」以来の低水準、今後も緩やかに後退する見込み
帝国データバンクが3月4日発表した景気動向調査によると、景気の方向性を示す指数は7年ぶりの低水準となり、円高・株安に加えて東日本大震災の影響で景気が落ち込んでいた時以来となった。
帝国データバンクの発表によると、景気の方向性を示す景気DIは38.7となり、7年ぶりに40を下回った。これは全国企業の景気判断を総合した指標で、50より上ならば「良い」下ならば「悪い」とされる。前回、40を下回ったのは円高・株安に加え、東日本大震災でサプライチェーンが打撃を受けたうえ、全国的に自粛ムードが広がるなどして景気が落ち込んだ影響。
今回は、消費増税と暖冬で景気がもともと後退局面だったところに、新型コロナウイルスが直撃した格好。今後についても新型コロナウイルスが収束するかどうかが左右するが、「緩やかな後退が続くとみられる」と見込んでいる。
産業別では、調査対象の10業界全てで景気指数が悪化した。
なかでも、中国からのインバウンド(国外からの旅行)のキャンセルが相次いだ旅館・ホテルの観光産業に加え、中国の工場が一時操業停止となったあおりを受けたアパレル産業や、自動車の精密部品などの分野で景気指数が落ち込んだ。
今後見込まれる好材料には、次世代高速通信・5Gの本格化に伴う設備投資需要や東京オリンピック・パラリンピックなどが挙げられている。
また、企業の業績に新型コロナ影響するかを調べた意識調査の結果も公表され、回答した1万704社のうち、63.4%が「マイナスの影響がある」と回答した。日を追うごとに「マイナスの影響がある」と回答する割合が増加している。
「影響はない」は16.9%、「プラスの影響がある」は1.7%だった。
ハフポスト日本版
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200304-00010008-huffpost-bus_all
新型コロナウイルスの影響で、オリンピックが開催されるかのかどうかも危ぶまれる事態です。
ただし、オリンピックがこのまま予定通り開催されても、好景気の後には必ず不況が来るというのは定説です。
オリンピックが開催されれば、国内外からの人の移動と、それに伴う消費行動により、オリンピック景気という好景気となります。しかし、それが落ち着くと、景気も落ち込んでしまいます。前回の東京オリンピックでもそのような事態が起きてしまいました。
そもそもこのまま開催しても海外から人が来るかどうかわかりません。東日本大震災の際には原発事故がありましたし、今回は新型コロナウイルスで、積極的に日本に来たくない人が増えたかもしれません。
以前ほどのオリンピック景気が起きるかどうかは不明です。
その一方で、2019年の出生数は、90万人を下回りました。専門家も驚くような早さで出生数が下がってしまいました。出生数は減り続け、死亡率は上がり続けていて、グラフは教科書のように少子高齢化社会を表しています。
消費税率を上げることはもう避けられないのかもしれません。