“まお”とは、男の子の名前なのでしょうか?女の子の名前なのでしょうか?
オで終わるから男の子っぽい気もしますし、2音の響きが女の子っぽい気もしますし。
遡って、平安時代にまおという名前の男性がいました。
佐伯眞魚(さえき の まお)という人です。
佐伯眞魚とは、空海(くうかい)の俗名。
空海とは平安初期の僧。讃岐の人。真言宗の開祖。
諡号(しごう)を弘法大師(こうぼうだいし)といいます。嵯峨天皇や橘逸勢と並んで三筆ともてはやされたり、『弘法にも筆の誤り』という言葉ができるなど達筆で有名です。
こうした事情から、家がお寺という男性の中には真魚と名付けられる方が時折いるそうです。
また、元宝塚歌劇団トップスターに大地真央(だいち・まお)という方がいますが、男役であったということを考えると、どこか男性的な印象を与えるからこの名前を選んだのではないかという風にも思えます。
近年であれば、ピアニストの藤田真央(ふじた・まお)さんなど、男性にもいらっしゃいますが、フィギュアスケーターの浅田真央さん(あさだ・まお)さんや、女優の宮地真緒さん(みやじ・まお)さんなど、女性に増えたという印象があります。
ちなみに、マオのローマ字表記はMaoですが、Maoで画像検索すると、毛沢東の画像が並ぶのが少し気になります。
毛沢東を、本国では、マォ・ツォートンのように発音することがその理由のようです。英語圏では、“Mao Zedong”と綴ります。
ジーニアス英和辞典(第3版)で“Mao”を調べたところ、毛沢東と出てきました。毛沢東の思想のことを“Maoism”、毛沢東主義の人を“Maoist”というそうです。
ちなみに、中国語で、マォというのは、漢姓の“毛”を表すと同時に猫のことも意味します。
ただし、発音は若干異なるようです。
欧米では、oで終わる名前は男の子の名前と思われがちなので(Leoなど)、Maoも欧米諸国では男の子っぽいという印象を抱かれるかもしれません。
では、日本ではどうなのでしょうか?
2019年に発表された明治安田生命のランキングによると、漢字表記を考慮しない読み方のランキングで、マオは女の子の名前ランキングで50位にランクインしています。
2006年の11位から年々順位を落としていることを考えると、一時期に比べてそれほどの勢いがありません。一方で、男の子名前ランキングでは50位以内に入ったことはありません。
女の子に圧倒的な人気を誇る名前でもないようですし、特に近年は、ヒナタ、アオイ、ソラなど中性的な印象を受ける名前が流行っているということもあって、どちらの性別でも特別な違和感を持たれることはないかもしれませんね。
参考:
https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/index.html