【名付け】麒麟 / きりん とはどういう意味?

NHk大河ドラマ『麒麟がくる』が現在放送中です。

ところで、麒麟とは?

きりん【麒麟】

1.(雄を「麒」、雌を「麟」という)中国で聖人の出る前に現れるとする想像上の動物。形は鹿に似て大きく、尾は牛に、蹄は馬に似、背毛は五彩で毛は黄色。頭上に肉に包まれた角がある。生草を踏まず生物を食わないという。
2.最も傑出した人物のたとえ。
3.[動物]ウシ目キリン科の哺乳類。

(広辞苑第五版より抜粋)

きりんじ【麒麟児】

才知の特にすぐれた少年。

(広辞苑第五版より抜粋)

想像上の動物の“麒麟”はすごく派手な風体のようですね。

殺生を嫌う、大変に穏やかな性質の霊獣とされています。傑出した人物に例えられることもあります。

麒も麟も人名に使える字です。


総画:19画
音読み:キ、ゴ、ギ

《意味》
1.麒麟とは中国の想像上の動物。
2.麒麟の雄。

《解字》
会意兼形声。「鹿+(音符)其(四角い、きちんとした碁盤めの模様)」。

(漢字源より抜粋)


総画:24画
音読み:リン

《意味》
1.麒麟とはめでたいことの前兆とされる想像上の動物。
2.麒麟のめす。

《解字》
会意兼形声。右側の字(音リン)は、並ぶ、列をなすとの意を含む。麟はそれを音符とし、鹿を加えた字で、連なって歩くしか。

(漢字源より抜粋)

参考:麒の書き順麟の書き順


を使った名前の著名人に、

〇平沼麒一郎(ひらぬま・きいちろう) 1867年~1952年
官僚・政治家。
第35代内閣総理大臣。

〇南部麒次郎(なんぶ・きじろう) 1869年~1949年
軍人。

〇古川麒一郎(ふるかわ・きいちろう) 1929年~2016年?
天文学者。

など。

を使った名前の著名人に、

◇勝海舟(かつ・かいしゅう) 1823年~1899年。
政治家。
*通称は麟太郎(りんたろう)。

◇箕作麟祥(みつくり・りんしょう) 1846年~1897年
法学者。

◇尾崎麟太郎(おざき・りんたろう) 1864年~1917年
実業家。華族。男爵。

◇増谷麟(ますたに・りん) 1892年~1967年
実業家。ソニーの育ての親とも。

◇福原麟太郎(ふくはら・りんたろう) 1894年~1981年
英文学者

◇武田麟太郎(たけだ・りんたろう) 1904年~1946年
小説家

◇椎名麟三(しいな・りんぞう)* 1911年~1973年
小説家
*ペンネーム

◇山本麟一(やまもと・りんいち) 1927年~1980年
俳優

◇岡部麟(おかべ・りん) 1996年生まれ。
AKB48のメンバー。アイドル。

◇武藤小麟(むとう・おりん) 2000年生まれ。
AKB48のメンバー。アイドル。

など。


歴史上の人物と若い人にしかいないような印象です。

日本ではもともと名前に使うことのできる漢字に制限がありませんでした。
しかし、戦後の1940年代後半頃に、名前に使うことのできる漢字に制限がかかるようになりました。
ただし、法の不遡及の原則から、法改正前から存在する苗字や、既に付けられた名前については対象外です。
麒麟の麒の字を名前に使うことができるようになったのは2004年(平成16年)のこと。麒麟の麟の字を名前に使うことができるようになったのは1990年(平成2年)のこと。
つまり、日本人で、本名(下の名前)に、麒の字が入るのはおおよそ戦前生まれと2004年以降に生まれた人、麟の字が入るのはおおよそ戦前生まれと1990年以降に生まれた人。改名したなど特殊な事情で当てはまらない人もいますが、麒麟の字が付くのは歴史上の人物と若い人ばかりというのはこのような理由だと思われます。


麒は雄、麟は雌を表すと辞書にありますが、あまり気にしないで名付けられているようです。

アイドルに麟の文字を持つ人がいますが、女性でこの字はとてもカッコいいですね。

画数が多いので大変なのでは、とか、あまり使わない字なので、説明が大変では?という声もあります。

ちなみに、鹿ではなく、馬の騏驎(きりん)という言葉もあります。これは駿馬を指す言葉。ただし、現状では騏も驎も人名(日本人の本名(下の名前))には使うことができない字です。

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