【名付け】羅 という字は名前に良い?悪い?

羅 という字が名前に入った人がいますが、どのような意味があるのでしょうか。

また、この字にどのような印象があるでしょうか。


総画:19画
音読み:ラ 訓読み:あみ、つらねる、つらなる、うすもの
《名付け》
つら

《意味》
1.あみ。目のつらなるあみ。
2.鳥をあみで捕らえる。網羅。
3.つらねる。つらなる。あみの目のようにならべる。また、ならぶ。
4.うすい。目のすいたうすい絹織物。うすぎぬ。

(漢字源より抜粋)

アミガシラの字であるだけに、あみの意味がある字。
そのほか、薄絹の意味があります。綺羅(きら)、綾羅(りょうら)など。

また、羅は、梵語や外来語の当て字として使われることも少なくありません。

この字を名前に使うことには賛否あって、

◇否定意見としては、
・女の子に使うなら、見た目が厳つい。
・画数が19画もあるので、書くのが大変。苗字と合わせたら総画数は何画になる?
・昔のヤンキーのイメージ。
・網の意味がある字ってどうなの?

◇賛成意見としては、
・薄絹の繊細な印象。
・沙羅のまっすぐなイメージ。

など。


1970年から1980年ころ、暴走族らの間で、愛羅武勇(あいらぶゆう)とか、夜露死苦(よろしく)とか、こういった当て字が流行ったことがありました。
今もそうしたイメージを強く持つ人がいます。

その一方で、さまざまな当て字に用いられる字なので、何を思い浮かべるかによって印象は異なってくるようです。

〇仏教用語としては
・阿羅漢(あらかん)
→仏教の修行の最高段階。また、それに達した人。略して羅漢(らかん)。

・倶利伽羅(くりから)
→不動明王の化身。

・修羅(しゅら)
→阿修羅の略。あらそい。

・魔羅/摩羅/末羅(まら)
→魔王の名前。陰茎。

・羅刹(らせつ)
→悪鬼の通名。力が強くて足が速く、人肉を食べるという。

・阿修羅(あしゅら)
→インドでは戦いを好む悪神。仏教では守護神。

・曼荼羅(まんだら)
→悟りの世界を象徴するものとして描いた図。

・金毘羅(こんぴら)
→仏法の守護神。

など。

〇その他、梵語の当て字として
・伽羅(きゃら)
→香木の種類。沈香。日本では最も珍重された。

・沙羅(さら/しゃら)
→インド原産の常緑高木。フタバガキ科の植物。幹高は30mに達することもある。気候の異なる日本では栽培が難しく、ナツツバキで代用し、それをサラ(シャラ)と呼ぶこともあるが、本来は別の植物。

・多羅(たら)
→木の名前。また、菩薩の名前。

・菴羅・奄羅(あんら)
→マンゴー。

など。

〇ポルトガル語の当て字として。
・天麩羅(てんぷら)

など。

〇国名として。
・羅馬(ローマ)
・羅馬尼亜(ルーマニア)

など。

ただし音を借りて字を当てただけのものなので、羅そのものの意味は考慮されていませんし、特定の漢字との組み合わせでしかその意味を持ちません。

〇そのほか羅が付く言葉。
・甲羅(こうら)
→カメなどの背中をおおうもの。

・星羅(せいら)
→星がつらなること。

・羅城(らじょう)
→城の外側。

・羅針盤(らしんばん)
→コンパス。

・綺羅(きら)
→美しい衣服。きらびやかなこと。

・綾羅(りょうら)
→あやぎぬとうすぎぬ。

・婆娑羅(ばさら)
→無法なふるまい。派手なかっこう。

・一張羅(いっちょうら)
→持っている服の中で一番良いもの。

など。

羅といえば、何を連想するでしょうか。


愛新覚羅溥儀(あいしんかくら・ふぎ)は、大清国第12代にして最後の皇帝として知られています。

そのほか羅が付く名前の有名人に、

◇由羅(ゆら)・・・お由羅の方。1795年生まれ?薩摩藩主・島津斉興の側室。お由羅騒動と呼ばれるお家騒動を引き起こしたと言われている。
◇沙羅(さら)・・・1983年生まれ。ものまねタレント。
◇林紗久羅(はやし・さくら)・・・1989年生まれ。レースクイーン。
◇永島聖羅(ながしま・せいら)・・・1994年生まれ。女性アイドルグループ乃木坂46の元メンバー。
◇土性沙羅(どしょう・さら)・・・1994年生まれ。レスリング選手。
◇髙梨沙羅(たかなし・さら)・・・1996年生まれ。スキージャンプ選手。
◇朝比奈沙羅(あさひな・さら)・・・1996年生まれ。柔道選手。
◇モーガン茉愛羅(モーガン・まあら)・・・1997年生まれ。ファッションモデル。
◇宮里莉羅(みやざと・りら)・・・2002年生まれ。女性アイドルグループAKB48のメンバー。

など。


沙羅の使い方をしていることが多いように思います。
沙羅は、釈迦が入滅したときに四方にあったとされ、聖樹とされています。
ただし、インド原産の木で、気候の違う日本では栽培が難しいことから、日本の寺院ではナツツバキで代用されることがほとんど。
日本で栽培されていることが有名なのは、滋賀県の草津市立水生植物園みずの森です。

そのほか、本名かは不明ですが、お由羅の方などかなり昔からこの字を使った名前の人がいたようです。
歴史ものでは悪女として描かれることが多いですが、実際はどのような人だったのでしょうね。

羅は19画もあり、どっしりとした見た目。いかついと言われることもありますが、うすぎぬの意味もあります。紗に近いでしょうか。

賛否わかれる字ですが、どのように思いますか。

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