のどか という名前の人がいますが、どのような意味のある言葉なのでしょうか。
どちらかといえば女性によくいる印象があります。
のどか【長閑】
1.のんびりと、おちついて静かなさま。ゆっくりと、あわてないさま。
2.気にかからないさま。心配のないさま。
3.天気がよくて穏やかなさま。〈季語:春〉(広辞苑第五版より抜粋)
SNS上でこの名前について調べてみると、この言葉を名前に用いることについては賛否あることがわかりました。
〇のどかと聞くと、頭の中で長閑の字が浮かぶ。長いに閑(ひま)という字の並びはどうなのだろう。
〇現役を退いたおじいちゃんやおばあちゃんみたいな雰囲気。
〇のんびり、あわてないという意味と、の-ど-かの音感から、ぼんやりしていそう。しっかりしていなさそう。愚鈍な感じ。
〇のどちゃんとでも呼ばれるの?変なの。
〇冷静沈着な人を連想する。
〇春のおだやかな日を思い浮かべる。優し気で良い。
〇のんちゃんと呼べばかわいい。
このような名前はほっこり系と呼ばれるそう。
ほっこりとはあたたかなさまを意味する言葉で、そこから近年では癒されるという意味でも使われています。
我が子に名付ける際、自分にはないもの、不足している物をいれたがる傾向にあるので、のどかのような言葉を選ぶ親は、どこか余裕がなかったり、性格が穏やかでなくヒステリックである場合が多いという意見もありました。
これは偏見が過ぎると思いましたが、
この名前についてどのように思いますか?
正直、服はめんどくさいけれどおしゃれに見せたい [ のどか ]
では、のどかと読む字にはどのようなものがあるでしょうか。
漢和辞典には名乗り読みというものが載っています。
名乗り読みとは、名前にのみ使う特別な読み方のことで、その読み方が正しいとか正しくないとかではなく、その読み方の有名人がいるとか、その読み方の人が大勢いて浸透したとか、そのような理由で採用されていることがほとんどです。このため、辞書によって載っていたり載っていなかったりします。
名乗り読みにノドカがある字を探してみたところ、和と温が見つかりました。
和
総画:8画《意味》
1.やわらか、まるくまとまった状態。
2.いっしょに解けあったさま。
3.なごやか。ゆったりとやわらいださま。(漢字源より抜粋)
温
総画:12画《意味》
1.あたたかい。ほんのりとあたたかいさま。
2.ぬくもり。
3.あたためる。古いもの、冷えたものを、もう一度あたためてよみ返らせる。温故知新。(漢字源より抜粋)
問題なのは、和や温でノドカと読めるのかという点。
和や温では読み方も性別もわかりにくいと、和花や温花のように一文字付け加える場合もありますが、和花はワカと読まれる可能性がありますし、温花に至ってはオンカでないなら全く読み方が想像できない人もいるのではないでしょうか。
前述の通り、名乗り読みというのは非常に特殊なものなので、読めなくても教養がないとか、恥ずかしいとか、そういう部類のものではありません。
なかなか表記の難しい名前と言えそうです。
参考:ひらがな・カタカナの名前はお年寄り受けが良くないってホント?
では、この名前は人気があるのでしょうか。
明治安田生命の名前ランキングでは2004年から、100位に入る名前を公表しています。
その中から、のどかと読む可能性のある名前を探してみました。
ただし、読み方は考慮していないランキングのため、ひらがな以外の名前はのどかとは読まない可能性があります。
和花 | |
年 | 順位 |
2005年 | 89位 |
2006年 | 40位 |
2008年 | 98位 |
2010年 | 64位 |
2011年 | 95位 |
2014年 | 61位 |
2015年 | 35位 |
2016年 | 60位 |
2018年 | 58位 |
2019年 | 49位 |
のどか | |
年 | 順位 |
2016年 | 49位 |
また、表記を考慮せず、読み方のみを考慮したランキングは50位まで発表されていますが、ノドカが入ったことはありません。
上位というほどではありませんが、珍しくもない名前となっているのかもしれませんね。
著名人に、
◇世古和(せこ・のどか)・・・1991年生まれ。陸上競技選手。
◇谷本和(たにもと・のどか)・・・1991年生まれ。柔道選手。
など。
参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/index.html