のの という響きが名前に入る人がいますが、どのような印象がありますか。
そもそも“のの”とはどのような意味のある言葉なのでしょうか。
のの
神仏・日月など、尊ぶべきものをさしていう幼児語。ののさま。
「弁 (わきま) へ知らぬ稚子が、鉦 (かんかん) が鳴る、―参ろ、と仏頼むも」〈浄・小野道風青柳硯〉
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/
のの とは、幼児語で神仏などを指す言葉。
YouTubeで“ののさま”と検索するといくつか動画が出てきます。仏教系の幼稚園などでののさまとよく歌われるようです。
語源については諸説あり、判然としません。
国語辞典に載っていることから、ごく狭い地域でのみ使われる方言というわけでもないのではないでしょうか。
これが理由で、名前に“のの”を入れることについて強い違和感を覚える人がいるようです。
あるいは、ひらがな表記の“のの”、カタカナ表記の“ノノ”、ローマ字表記の“Nono”どれも顔文字みたいでおもしろいという意見も。
ただ、もしかすると地域によっては“のの”を神仏などの意味で使わないのかもしれません。また、現代では冠婚葬祭を除けば宗教とはほとんど無縁で育つという人が増えてきました。
そうした理由で“のの”に違和感を持たない人もいるのでないでしょうか。
朝日新聞の朝刊に連載されている、いしいひさいちによる4コマ漫画『ののちゃん』の主人公の名前は“ののちゃん”こと山田のの子。この連載が始まったのは1991年のこと。そうした影響もあるのかもしれません。
あるいは、むしろ、ののさまに由来して名付ける人もいるかもしれませんね。
明治安田生命の名前ランキングでは、2004年から漢字表記を考慮せず、読み方のみを考慮したランキングを50位まで発表しています。ノノカは一度だけランキング入りしたことがあり、2015年の女の子の読み方のランキングで45位になりました。
では、人名において“のの”にはどのような漢字があてられるのでしょうか。
◇吉田 野乃子(よしだ ののこ)
1987年生まれ?サックス奏者。
◇久保 乃々花(くぼ ののか)
1999年4月2日生まれ。ファッションモデル、タレント
◇前枝 野乃加(まえだ ののか)
1990年7月2日生まれ。女優。
◇赤木 野々花(あかき ののか)
1990年8月8日生まれ。NHKのアナウンサー。
◇林 希乃花(はやし ののか)
1991年9月20日生まれ。女優、モデル。
◇おの ののか
*芸名。本名は真理愛(まりあ)。
1991年12月13日生まれ。
◇山口 乃々華(やまぐち ののか)
1998年3月8日生まれ。ダンサー、女優。E-girlsの元メンバー。
◇久保 乃々花(くぼ ののか)
1999年4月2日生まれ。ファッションモデル、タレント。
◇奥村 野乃花(おくむら ののか)
2001年1月4日生まれ。アイドルプロデューサー。
◇尾崎 野乃香(おざき ののか)
2003年3月23日生まれ。レスリング選手。
◇青井 乃乃(あおい のの)
2003年11月17日生まれ。女優、ファッションモデル 。
◇新谷 野々花(しんたに ののか)
2004年5月23日生まれ。STU48の元メンバー。
◇村方 乃々佳(むらかた ののか)
2018年5月31日生まれ。子役、童謡歌手。
など。
若い世代に見られる名前という印象です。
乃や野、珍しいところでは希や叶などが用いられるようです。
乃
総画:2画《意味》
1.すなわち。
2.なんじ。
[日本語特有の意味]の。助詞の「の」に当てた用法。「日乃丸」《解字》
指事。耳たぶのようにぐにゃりと曲がったさまを示す。(漢字源より抜粋)
野
総画:11画《意味》
1.の。ひろくのびた大地。原野。
2.天井の二十八宿に応じて、中国を二十八に区分したときのそれぞれの区域。また、区分したそれぞれの範囲のこと。分野。
3.朝廷に対して、民間のこと。在野。
4.そぼくで洗練されていない。ひなびた。野性。野人。
5.おさえがきかずあらっぽい。かってな。野心。《解字》
会意兼形声。予は、□印の者を横に引きずらしたさまを示し、のびる意を含む。野は「里+予」で、横にのびたひろい田畑、のはらのこと。(漢字源より抜粋)
乃を使う場合は響きが気に入ってのことでしょうか。また、野に花と書く場合は、素朴な自然の美しさに由来するのでしょうか。
検索してみると、海外でもnoが付く名前の愛称として男女問わずNonoと呼ばれる人がいるということがわかりました。
AntoninoやLeonorなど。呼びやすいというのはメリットかもしれませんね。
参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/sp/enjoy/ranking/index.html