中央アメリカにあるベリーズという国で、日本人親子2名が死傷するという事件が起きてしまいました。
まだ事件の詳細が明らかになっていないにも関わらず、そんな危険なところに行くから・・・という書き込みをあちこちで見かけましたが、本当にそんなに危険な国なのでしょうか?
調べてみました。
国名:ベリーズ
首都:ベルモパン
公用語:英語
人口:およそ37万人
面積:22,970km2(四国よりもちょっと大きいくらいのサイズ)
元主:エリザベス二世女王
一人当たりGNI: 4,390アメリカドル
産業:観光業,農業(砂糖,柑橘類,バナナ),水産業
民族:メスティーソ(52.9%),クレオール(25.9%),マヤ(マヤ族/11.3%),ガリフナ(6.1%),東インド系(3.9%),メノナイト(3.6%),白人系(1.2%),アジア系(1.0%),その他(1.5%)
宗教:ローマカトリック教会が約40%、プロテスタント(ペンテコステ派、バプテスト教会など)が約30%、特に信仰のない人が約16%、仏教徒が0.3%、ヒンドゥー教が0.2%、イスラム教徒が0.2%、その他の人が約10%
かつては英国領でしたが、現在は独立国に。
オーストラリアやカナダと同じく、独立後も英国連邦に属しているために元首は(名目上のものですが)、英国国王。
英国領であった影響で、公用語は英語。政府やマスメディアは英語を使用することがほとんど。
一方、国民のうち、英語を話す人が6割程度、スペイン語を話す人が6割弱、英語ベースのクレオール言語を話す人が4割程度いるといわれています。また、1割に満たない少数派ですが、マヤ語族のケクチ語やマヤ語族のモパン語、ドイツ語を話す人もいます。
バイリンガルは決して珍しくなく、出身地や民族などによって、第一言語は異なります。
ベリーズは現在、欧州の人をはじめ、海外から多くの観光客が押し寄せるリゾート地として栄えています。
その理由は豊かな海や自然。そして、マヤ文明の痕跡が残る地なので遺跡も有名。
そして、中央アメリカでは唯一、英語を公用語としている国で、比較的英語が通じるというのも人気が出た理由の一つ。
日本からも、ツアーが組まれるほど人気の観光スポットになっています。
ブルーホール遊覧飛行/マヤ遺跡&先住民文化を巡る
↓カリブ海の宝石「グレートブルーホール」
事件が起きたのはベリーズシティ。かつての首都です。
現在の首都は内陸のベルモパンですが、現在でもベリーズシティの人口は、ベリーズの都市の中では圧倒的に多い状態が続いています。
このため、ベリーズシティはベリーズ最大の都市と言われています。カリブ海に面した都市です。
国内外の陸空海全ての輸送網の拠点であり、産業と金融の中心地でもあります。
https://www.instagram.com/p/BtTu8ZhFAfY/
外務省のサイトによると、中央アメリカはイメージ通り危険とされる国が多いです。
レベル1(十分に注意してください)~レベル3(渡航はやめてください*渡航中止勧告発令中)までの国があちこちに。
⇒外務省 海外安全情報
その点、ベリーズは真っ白。つまり、危険情報なし。
決して豊かな国ではないので、犯罪に巻き込まれる可能性がないとはいえません。
ですが、日本の外務省が渡航に注意を促すほど、危険な国というレベルにはないようです。
観光に力を入れるようになってから、国が観光客の多いマヤ遺跡周辺や、海辺の警備を強化したことが功を奏したのかもしれません。
銃社会なので(一応制限はありますが)、日本以上に注意は必要でしょう。
けれども、今回被害に遭ったお二人は15年近くベリーズに住んでいたそうなので、一般の旅行者のような不慣れな行動を取ったりはしていないはず。
おまけに襲われたのは帰宅直後の自宅前とのことで待ち伏せでもされていたのでしょうか・・・。
外務省から退避勧告が出ているのに滞在を続けていたというのなら、また話が違うのかもしれませんが、そういうわけではありません。
危険だ危険だと言い始めたら何もできませんし、ここに住んでいたことについてどうこういうのは違うのではないかなと思います。