ゆとり という言葉。
近年はあまり良くない意味で用いられているような印象もありますが、本来はどのような意味のある言葉なのでしょう?
ゆとり
[名詞]
空間的・時間的・経済的・精神的に必要以上のあまりがあって、きゅうくつでないこと。余裕。(明鏡国語辞典より抜粋)
とても良い意味のある言葉。
このためか、たまに、下の名前がゆとりの人がいます。
ゆとり という言葉に悪い印象が付いてしまったのはゆとり教育のためでしょうか。
そもそもゆとり教育とは?
ゆとりのきょういく【ゆとりの教育】
第15期中央教育審議会第1次答申(1996年7月)において、子供たちの生活の現状として〈ゆとり〉のない生活を指摘。
その上で、答申は〈ゆとり〉のある教育環境で〈ゆとり〉のある教育活動を展開することを通して、子供たち一人一人が大切にされ、教員や仲間と楽しく学び合いの活動ををし、〈生きる力〉を身につけていくことの重要性を指摘している。(百科事典マイペディアより抜粋)
ゆとり教育とは、詰込み教育をやめ、ゆとりのある授業時間にし、余った時間で個を伸ばそうというものでした。
一般的には、1987年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれを指すことが多いです。
義務教育期間中にゆとり教育を受けた世代で、振り回された人が多いのではないでしょうか。
1号とされる1987年4月2日生まれ~1988年4月1日生まれに関して言えば、義務教育期間中にゆとり教育を受けたのは中学校3年の1年だけ、最後の2003年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれに関して言えば、小学校1年の1年だけです。
学力の低下が叫ばれましたが、何とも言えません。
学力とは何ではかるものなのでしょう?よく言われるのが、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)における日本の順位ですが、参加国が増えるなど、単純には比較できないところがあります。
ゆとり1号とされる1987年生まれが大学を卒業して社会に出るころにリーマンショックが起きました。
そうした不安定な社会情勢や、昔ながらの“最近の若者は”批判(古今東西どこでもある)によりゆとり教育がやり玉に挙がったのではないかと思われます。
ゆとり世代に関する批判には、“叱らない育児”とごちゃまぜになったようなものや、どの世代にも必ずいる常識が通じない人を揶揄したものもあります。
個を大事にする時代ですから、世代よりも個でしょう。集団で十把一絡げに批判されると不快に思う人が少なくないのですから。
最近は、ゆとり!と揶揄する場面もあまり見なくなったといいますか、廃れてきた印象があります。
世代交代が進んでいるから?もう飽きたから?
わかりませんが、今後はゆとりという名前のイメージが回復するかもしれません?