男の子の名前で、タで終わるものは昔から人気がありますが、近年は、オーソドックスな太に代わって汰の字が使われることがあるようです。
ところで、太と汰ではどれほど意味が異なるのでしょうか。
太
総画:4画
音読み:タイ、タ 訓読み:ふとい、ふとる《意味》
1.{形容詞}ふとい。たっぷりとふくれているさま。ゆたかであるさま。ゆったり落ち着いたさま。
2.{副詞}はなはだ。・・・でありすぎる。ひどく。
3.{形容詞}年長者や、目上の人の親などの呼び名につける尊称のことば。(漢字源より抜粋)
汰
総画:7画
音読み:タ、タイ 訓読み:はなはだしい、おごる、なみ《意味》
1.{動詞}強い勢いでたっぷりと水を流す。すすぐ。
2.{形容詞}はなはだしい。おごる。標準以上にたっぷりある。多すぎる。
3.{名詞}なみ。なみなみとたたえた水。(漢字源より抜粋)
太はゆたか。汰は洗い流すこと。
では、どちらの字が人気があるのでしょうか?
記録を調べてみました。
明治安田生命の名前ランキングではこのようになっています。
太 | 汰 | |
2009年 | 1位 | 30位 |
2010年 | 1位 | 22位 |
2011年 | 1位 | 不明* |
2012年 | 1位 | 18位 |
2013年 | 1位 | 23位 |
2014年 | 1位 | 24位 |
2015年 | 1位 | 25位 |
2016年 | 1位 | 25位 |
2017年 | 1位 | 21位 |
2018年 | 1位 | 18位 |
2019年 | 1位 | 25位 |
*26位以下。
たまひよの名前ランキングではこのようになっています。
太 | 汰 | |
2005年 | 1位 | 不明* |
2006年 | 1位 | 不明* |
2007年 | 1位 | 22位 |
2008年 | 1位 | 19位 |
2009年 | 1位 | 不明* |
2010年 | 1位 | 不明* |
2011年 | 1位 | 不明* |
2012年 | 1位 | 不明* |
2013年 | 1位 | 不明* |
2014年 | 1位 | 32位 |
2015年 | 1位 | 27位 |
2016年 | 1位 | 25位 |
2017年 | 1位 | 20位 |
2018年 | 1位 | 16位 |
2019年 | 1位 | 24位 |
*20位以下。
太の字は不動の人気を誇ることがわかりました。
どっしりとした安定感のある字体が人気の秘訣でしょうか?
ちなみに、広辞苑で、太を引くとこのように出てきます。
たい【太】
(慣用音はタ)1.非常に大きいこと。太陽。
2.はなはだ。太平。太古。
3.物のはじめ。第一。太郎。
4.最も尊いもの、立派なものの尊称。皇太子。(広辞苑第五版より抜粋)
太には、第一の意味があり、太郎とは第一の郎(おとこ)、つまり長男を表します。
人名における太は太郎の略であると言われています。
太を使わない理由はいろいろとありますが、長男ではないから太の字を使いたくなかったという意見もあります。
近年は気にしない人も増えましたが、姓名判断を専門とする人の中には、長男の存在がないがしろになってしまうと、長男以外の男の子に太を付けることを評価しない人もいます。
参考:
https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/
https://st.benesse.ne.jp/ninshin/name/