【名付け】女の子はどうせ苗字が変わるのだから、苗字との兼ね合いは考えなくて良い?

SNS上で、画数は気にしたほうが良いのかという相談に、女の子はどうせ結婚したら苗字が変わるのだから気にしなくて良いという回答がありました。

果たしてそうなのでしょうか。

現在の日本では、日本人同士の結婚で、婚姻届けを役所に提出すると、新たな戸籍が作られ、改姓しなかった方が戸籍の筆頭主となり、改姓した方がその次に名を連ねることとなります。つまり、事実婚でないなら、夫となる人か、妻となる人のどちらかが改姓しなければなりません。

改姓するのはどちらでも良いのですが、現状では、結婚に伴って、多くの女性は改姓します。平成27年度に厚生労働省が行った調査によると、結婚に伴い改姓する女性はおよそ96.0%であったといいます。夫婦ともに初婚の場合に限って言えば、およそ97.1%の女性が改姓します。再婚の場合、子の姓の問題があるので数値が変わってくるのかもしれません。

これが、女の子は結婚したらどうせ苗字が変わると言われる理由です。

その一方で、同じ調査で、夫婦ともに初婚の場合の、平均婚姻年齢は、男性で30.7歳、女性で29.0歳となっています。

現在の法律では男性は18歳、女性は16歳になると結婚できます。しかし、2022年度より成人年齢の引き下げとともに、男女ともに結婚できる年齢は18歳からとなります。

つまり、結婚によって改姓するかもといっても、今生まれる子供たちは、生まれたときの名前を少なくとも18年は使うことになりますし、平均初婚年齢辺りで結婚するならば、30年近く使うということになります。

もちろん、親の離婚や再婚、養子縁組などさまざまな理由で結婚以外で改姓する人もいます。

でも、そうした予定がないのなら、30年ほど使う予定で、フルネームのバランスを考えて名前を付けた方が良いのではないでしょうか。

人間が生まれてからの30年となると、たかがといえるほどに短くありません。人生が大きく変わる時期です。

それに、一生改姓しない可能性だってあるのです。

現状で、結婚しても改姓しない女性が4%ほどいます。夫婦ともに初婚の場合に限っていえば、およそ2.9%います。昭和50年には結婚しても改姓しない女性が1.2%いて、夫婦ともに初婚の場合に限っていえば、1.0%であったことを考えると、結婚しても改姓しない女性は少しずつ増えているのです。男女平等が叫ばれる中、この数値にまた変化があるかもしれません。

選択制夫婦別姓について、今なお話し合われています。これが実現したら改姓しない女性が増えるかもしれません。

外国人と結婚した場合は、選択制夫婦別姓です。つまり、結婚に伴って改姓することもできますし、夫婦別姓の選択も可能です。ただ、国際結婚する人は2006年を境に、なぜか減少傾向です。ちなみに、日本人の場合、国際結婚するのは女性よりも男性の方が圧倒的に多いです。

あるいは生涯独身かもしれません。50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合は増えています。厚生労働省の統計によると、1985年では、男性で3.9%、女性で4.3%であったのが、2015年には、男性で23.4%、女性では14.1%と各段に増えています。今後さらに増加するであろうと考えられています。

こうしたことを踏まえても、名付けにおいて、女の子はいつか結婚に伴い改姓するからという理由で、今の姓との兼ね合いを考えなくても良いとするのは横暴ではないでしょうか。何より、姓とのバランスを踏まえて名前を考えられる機会というのはそうあることではありません。

ただ、画数を気にするかについては、好き好きです。姓名判断では、画数よりも苗字とのバランスや字義などを考慮することが少なくありません。書いても、呼んでも、美しい名前が運気の良い名前と言えるでしょう。

参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin16/index.html、https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/17/backdata/02-01-01-02.html

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