初めての大学入学共通テスト、初めてのコロナ禍での大学入学共通テスト。
“鼻出しマスク”が問題に。
初の大学入学共通テスト“鼻出し”マスクで1人失格
緊急事態宣言下で初めての実施となった大学入学共通テストは、17日に第1日程が終了しました。マスクを正しく着用しなかったなどの理由で、4人の受験生が失格となっています。
新型コロナウイルスの影響による学習の遅れに配慮して2つの日程が設けられたうちの第1日程が終わりました。
共通テストは全国681の会場で行われ、16日と17日の2日間で4人の不正行為が見つかったということです。
東京都では試験官の6回の注意に従わず、マスクから常に鼻を出した状態でいた受験生1人が不正行為と見なされ、失格となりました。
初めての共通テストは、資料を使った問題や身近な事象をテーマにした問題などが多く、センター試験よりも思考力、判断力、表現力を重視した内容となりました。
参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/424dbfea4a8f2d9c0b0d3a9d44555c8b59ef2d43
これには賛否両論。
まず、志願票(願書)とともに配布される大学入試共通テストの“受験案内”にはマスク等に関する指示はありませんでした。
しかし、その後、受験票とともに、“受験上の注意”が配布されました。受験上の注意はセンター試験でも配布されていました。
ここに、マスクや新型コロナウイルス感染症に対する注意事項が追加されたわけです。
フェイスシールド又はマウスシールドの着用のみでは,受験することはできません。
なお,マスクを正しく着用した上でフェイスシールドを着用することは可能です。https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/faq_coronavirus.html#konnan
感覚過敏等によりマスクの着用が困難な場合は,「医師の診断書」を提出して受験上の配慮申請を行い,別室で受験する必要があります。
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/faq_coronavirus.html#konnan
では、当日、マスクはできないとなったらどうなるのでしょうか。
マスクを着用せずに受験することはできないため,「医師の診断書」を提出して追試験の受験を申請してもらうことになります。
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/faq_coronavirus.html#konnan
ちなみに、大学入学共通テストの出願の流れというのは、このようになっています。
◇出願
令和2年9月28日~令和2年10月8日*消印有効
*受験上配慮が必要な人は8月3日~10月8日までに申請しなければならない。
↓
◇確認はがき
令和2年10月27日までに届く。
*出願を受け付けたことを確認するはがき。届かなかったり、間違いがあった場合には11月4日までに訂正届を出さなければならない。
↓
◇受験票(+“受験上の注意”)
令和2年12月15日までに届く。
*受験会場が決定。受験生の通う高校や現住所により勝手に振り分けられるので会場は選べない。
↓
◇試験期日
令和3年1月16日・17日
*追試験1月30日、31日
受験上、配慮が必要な人は、10月8日までに申請しなければなりません。
例えば、足に障害があると申請し、申請が認められると、受験会場を1階に設定するなどの配慮がとられることがあります。
しかし、10月9日以降に、怪我を負ったり、病に罹る可能性があります。
その場合は、医師の診断書とともに、1月13日の17時までに、受験票の“問合せ大学”に記載された大学に事前に電話連絡し、受験票と医師の診断書を持参して、申請しなければなりません。その後、大学入試センターがどのように対処するか判断します。
今回の場合、最初の“受験案内”に、マスク等に関する指示がありませんでした。
ですので、事前申請は無理でした。
つまり、受験票が来る12月の中旬頃から1月13日の17時までに申請しなければならなかったというわけです。
当日、やはりマスクができないとなった場合は、当日の変更は無理なので、追試験を受験することとなります。
追試験の場合の期限は、1月27日の17時です。
しかし、“受験上案内”にも、マスクについてあまり触れられなかったのです。
鼻を覆いなさいとか、マスクはこのようなものを使いなさいとか。“正しく着用するように”とあるのみ。
いくつかの問い合わせがあったのか、公式ホームページ上ではQ&Aが追加されたのですが。
すべての受験生が、ホームページを見られるとは言えないので、公平とは言えないのかもしれません。
では、今回、なぜ失格となったかといえば、マスクのことではありません。
“監督者の指示に従わなかったから”です。
“監督者の指示に従わなければ不正行為になる可能性がある”ことは“受験上の案内”に明記されています。
監督者の6回にもわたる指示に従わなかったから、退場でした。
こうしたことから、
マスクに関して事前にキチンとした指示がなかったせいだ。
監督者の指示に従うのは当たり前。
周囲の受験生に悪影響を与える可能性も考えて!
と賛否両論が沸き起こっています。
なお、賛否両論が起きたことについて、このように報道されていました。
“マスク不正行為”は総合的判断
感染が拡大する中で実施された「大学入学共通テスト」で、マスクから鼻が出た状態を正さなかった受験生の成績が無効になったケースを受け、大学入試センターには、マスクの着用をめぐって不安の声などが寄せられているということです。
センターでは、受験生が指示に従わなかった際の対応や、ほかの受験生への影響を含めて、総合的に判断したと説明しています。17日までの2日間に1回目の本試験が実施された大学入学共通テストでは、初日に都内の会場でマスクから鼻が出た状態だった受験生1人が、監督者から鼻を覆うよう試験中に6回、さらに休憩時間も注意されたものの正さず、不正行為と認定されて成績が無効になるケースがありました。
今回の共通テストでは、受験生は会場で正しくマスクを着用することが求められていて、大学入試センターは、「次の注意で無効になる」と告げたあとも応じず、「試験場で監督者などの指示に従わない」という不正行為の要件に該当したと発表していました。
関係者によりますと、この受験生は40代で、監督者の指示に従わなかった際の対応に加えて、最終的には不正を告げられると会場内のトイレに閉じこもり出て来なかったことから、かけつけた警察官によって退去させられたということです。
今回のケースを受け、大学入試センターにはマスクの着用をめぐり不安や抗議の声が寄せられているということですが、マスクの着用だけでなく、指示に従わなかった際の対応や、ほかの受験生への影響も含めて、総合的に判断したとしています。https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210118/1000059123.html