“ゆな/ユナ”はよくない名前なの?

ユナという名前が一躍人気となったのは、歌手の伊藤由奈(いとう・ゆな)さんが発端ではないかと思います。

明治安田生命の名前ランキングによると、女の子の名前ランキングで、漢字表記を考慮しない読み方のランキングで、ユナの順位はこのように変化しています。

順位
2004年 48位
2005年 16位
2006年 10
2007年 1
2008年 4
2009年 1
2010年 4
2011年 5
2012年 3
2013年 8
2014年 14位
2015年 10
2016年 32位
2017年 33位
2018年 26位
2019年 20位

2004年の48位から2005年に16位に急上昇したところを見ると、2005年に人気が高まり、2013年ころまでが流行のピークだったのかなという印象を受けます。

2005年といえば、伊藤由奈さんの『ENDLESS STORY』がヒットした年。矢沢あいさんによる漫画『NANA』が実写映画化されましたが、その映画で伊藤由奈さんが芹沢レイラ役を演じ、作中で歌った『ENDLESS STORY』が人気を博しました。

また、2006年に公開された『LIMIT OF LOVE 海猿-UMIZARU-』という映画で、伊藤由奈さんの『Precious』が主題歌となり、これも大変な人気でした。

こうしたことからユナという名前の人気に火が付いたのではないかと思われます。

しかし、ユナという名前には賛否両論あるようです。

まず、国語辞典でユナと引くと“湯女”が出てきます。湯女とは風呂屋で働く娼婦のことです。

ハシと引けば端、橋、箸・・・と出てくるのですが、一般的な国語辞典では、ユナは湯女しか出てきません。

これはつまり、日本語では、ユナという響きは湯女という意味しか持たないということになります。

もっとも、湯女という言葉を日常では使うことがまずないので、死語だから関係ない、違う漢字を使えば意味が異なるから問題ないという意見もあります。

その一方で、未だに一般的な国語辞典で湯女という言葉が出てくることからまだ死んだ言葉とまでは言えないし、いつか本人が辞書を引いたときに気にするのではないかという人もいます。同音異義語があれば別だが、バカと言われると馬鹿を連想してしまうように、ユナと聞けば湯女しか連想できないじゃないかとも。

インターネットで調べると、“ゆな荒神”が出てきました。この場合の“ゆな”は、一説には胞衣(えな)の転と言われています。岐阜の恵那の地名は胞衣に由来すると言われていて、恵那神社は子宝授けや安産などにご利益があると有名です。“ゆな荒神”もまた、安産など子供に関することにご利益があると崇敬されています。そうしたことから、エナの転がユナはありうると思います。

では、胞衣とは何かというと赤ちゃんを包む膜と胎盤のことを言います。後産なんていいますよね。リアルな画像で胎盤を見ると気持ち悪くなる人がいるでしょうから、画像検索することはお勧めしません。

エナという名前についても、赤ちゃんを守るものと肯定的に捉える人と、リアルな胎盤を連想して拒否反応を起こしてしまう人がいます。

また、ユナは外国人のようだと思う人もいます。

フィギュアスケートのキムヨナさんは、“Yuna Kimu”と表記されることがありますし、また、少女時代という韓国の女性アイドルグループにユナという女性がいるように、韓国人女性に珍しくない名前です

伊藤由奈さんもウィキペディアによると、父親が日本人、母親が韓国系アメリカ人で、出身地はハワイだといいます。

韓国人の発音するユナと日本人が発音するユナでは、全く発音が同じとは言えないのかもしれませんが、韓国でも通用する国際的な名前であるといえるのかもしれません。

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