【名付け】倭 という字は名前に良い?悪い?

名前に倭という字が入る名前の人がいますが、倭とはどのような意味のある字なのでしょうか。

調べてみました。


総画:10画
音読み:ワ、イ
《名付け》
かず、しず、まさ、やす、やまと

《意味》
一.むかし、中国および日本人をさしたことば。
△背が曲がってたけの低い小人の意。
二.「倭移(イイ)」とは、なよなよしたさま。

《解字》
会意兼形声。禾は、しなやかに穂をたれた低い粟の姿。委は、それに女を添え、女性のなよなよした姿を示す。倭は「人+(音符)委」で、しなやかでたけが低く背の曲がった小人をあらわす。

(漢字源より抜粋)

倭という字は、古代日本を意味する字。

Wikipediaにはこの字について、このように書いていました。

[解字]
「倭」は「委(ゆだねる)」に人が加わった字形。解字は「ゆだねしたがう」「柔順なさま」「つつしむさま」、また「うねって遠いさま」。音符の委は、「女」と音を表す「禾」で「なよやかな女性」の意。

[用例]
中国の古代史書で、日本列島に居住する人びとである倭人を指した。

説文解字では「従順なさま。詩経に曰く“周道倭遟(周への道は曲がりくねり遠い)”。」と解説されている。 康熙字典によれば、さらに人名にも使用され、例えば魯の第21代王宣公の名は「倭」であると書かれている。

『隋書』では俀とも記し、『隋書』本紀では「倭」、志・伝で「俀」とある。「俀」は「倭」の別字である可能性もあるが詳細は不明である。

のち和と表記される。奈良時代中期頃(天平勝宝年間)から同音好字の「和」が併用されるようになり、次第に「和」が主流となっていった。例えば鎌倉時代の徒然草には「和国は、単律の国にて、呂の音なし」(199)とあり、また親鸞も和国と記している。

現代の日本では、倭の字はいくつかの場面で使われている。人名用漢字の一つとして選ばれている他、東京には「倭」という手作り弁当のチェーン店がある。公立学校として三重県津市と長野県中野市に倭小学校が存在する。奈良県には北倭保育園(私立)が存在する。日経ビジネスオンラインでは、海外で働く日本人に対し、華僑という言葉を参考にして「倭僑」という言葉を提案した。中国には貴州省清鎮市に犁倭という地名が存在する。

(https://ja.wikipedia.org/)

Wikipediaには日本が倭と呼ばれた理由について、このように書いていました。

日本列島に住む人々が倭・倭人と呼称されるに至った由来にはいくつかの説があるが、いずれも定説の域には達していない。

・平安時代初期の『弘仁私記』序にはある人の説として、倭人が自らを「わ」(吾・我)と称したことから「倭」となった、とする説を記している。
・一条兼良は、『説文解字』に倭の語義が従順とあることから、「倭人の人心が従順だったからだ」と唱え(『日本書紀纂疏』)、後世の儒者はこれに従う者が多かった。
・江戸時代の木下順庵らは、小柄な人びと(矮人)だから倭と呼ばれたとする説を述べている。現在でも、ピグミーマーモセットの中国語表記は「倭狨」で、倭は小ささを表す言葉である。
・新井白石は『古史通或問』にて「オホクニ」の音訳が倭国であるとした。
・隋唐代の中国では、「韻書」と呼ばれる字書がいくつも編まれ、それらには、倭の音は「ワ」「ヰ」両音が示されており、ワ音の倭は東海の国名として、ヰ音の倭は従順を表す語として、説明されている。すなわち、隋唐の時代から国名としての倭の語義は不明とされていた。
・また、平安時代の『日本書紀私記』丁本においても、倭の由来は不明であるとする。
・さらに、本居宣長も『国号考』で倭の由来が不詳であることを述べている。
・神野志隆光は、倭の意味は未だ不明とするのが妥当としている。

(https://ja.wikipedia.org/)

この字が良い字か悪い字かは見解が分かれる所。

江戸時代の木下順庵らは、小柄な人びと(矮人)だから倭と呼ばれたとする説を述べ、他にも「倭」を蔑称とする説もあるが、「倭」の字が悪字であるかどうかについても見解が分かれる。『魏志倭人伝』や『詩経』(小雅、四牡)などにおける用例から見て、倭は必ずしも侮蔑の意味を含まないとする見解がある。それに対して「卑弥呼」や「邪馬台国」と同様に非佳字をあてることにより、中華世界から見た夷狄であることを表現しているとみなす見解もある。

なお、古代中国において日本列島を指す雅称としては瀛州(えいしゅう)・東瀛(とうえい)という呼称がある。瀛州とは、蓬莱や方丈ともに東方三神山のひとつである。

(https://ja.wikipedia.org/)

古代中国の人がどのように思って、日本を表すのに倭の字を使ったのか判然としません。

単に、音に字を当てただけかもしれませんし、小柄だったからかもしれません。それとも何か特別な理由があるのかもしれません。

何にせよ、現代、この倭という字はあまり使われません。大和の字が当てられることが多いです。

漢和辞典などで倭を調べると、あまり良い字のようには思えないので、意味の良い大和が用いられているのではないでしょうか。

ちなみに、ヤマトという響きは人気があります。

ヤマトの響きはどれほど人気があるのでしょう?
明治安田生命の名前ランキングでは、2004年から漢字表記を考慮せず、読み方のみを考慮したランキングを50位まで発表しています。

ヤマト
順位(男の子)
2005年 42位
2007年 35位
2008年 43位
2009年 20位
2011年 33位
2012年 35位
2013年 38位
2014年 29位
2015年 28位
2017年 49位
2018年 29位

人気の表記は大和。2004年から、100位以内に入る名前を公表していますが、倭が入る名前は見つけられませんでした。

大和
順位(男の子)
2004年 24位
2005年 9位
2006年 12位
2007年 9位
2008年 16位
2009年 3
2010年 50位
2011年 4位
2012年 4位
2013年 6位
2014年 11位
2015年 9位
2016年 13位
2017年 9位
2018年 4位
2019年 13位

参考:https://www.meijiyasuda.co.jp/sp/enjoy/ranking/index.html

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